タルタロスと保健室
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「そういやどうして、アイツ等の弱点がわかったんだ?」
階段を上りながら、順平が少しだけ近づいて尋ねてくる。完全に近づかないのは、俺を警戒してのことだろう。
「別に。ここら辺のシャドウとは何度も戦った事があるから」
何てことないように答え、階段の先の気配に集中した。
1、いや、3体か。
「……美鶴さん、この先何がいるか、見える?」
通信機に向かってそう尋ねると、『強敵の気配がする。はっきりとは見えないが、気をつけてくれ』と返事が返ってきた。
「了解」
通信を切り、階段を登りきる。どこか焦げ臭いフロアを見渡すと、奥に通じる通路があった。
「行くぞ」
湊の声に頷き、先に進む。
そこには、魔術師の仮面をつけたテーブルが三体、通路を塞ぐようにして立っていた。
「……今回、炎通じないかもね」
テーブルの頭上に浮く杖、剣、コイン、そして『炎』を散らすランタンに、ぼそりと呟く。
順平は「マジかよ!」と悲痛な声をあげ、それでもシャドウにしっかりと剣を構えた。
「湊、氷出せるペルソナ持ってる?」
「……ジャックフロストくらいかな」
「それだとちょっと危ないよね……。ヨモツシコメだったら良かったんだけど」
ジャックフロストは炎が弱点だ。氷を試すには少し危険が生じる。
仕方ないと彼らの前に出て、「全員、防御しておいて」と告げた。
「少しスキルのレベル落とすから、周りにそんなに被害は出ないと思うけど……一応」
「……分かった。全員、防御しろ」
湊の声に、三人は頷き各々の構えを取る。
全員が防御体制になったのを確認して、俺はカードを掌に形成し唇にあてた。
「クロッカー、『マハブフーラ』」
時計兎を象ったペルソナの時計がグルグルと回り、そこから光輝く氷が形成されてはシャドウへ飛んでいく。
手加減をしないと、周りの人まで凍らしてしまいそうな冷気。
もう随分この氷を浴びてきたから慣れたけど、他の人はそうもいかない。
ずっと今まで一人で戦ってきた分、周囲をかえりみるのが一番面倒なことだった。
(……このくらいなら、大丈夫か)
周りをチラリと見、シャドウを睨む。
シャドウは呻き声を上げてひっくり返り、明彦が「この瞬間を待っていた!仕掛ける!」と叫んだ。
今なら、やれる。
ナイフを逆手に持って、目の前に倒れているシャドウにまず一撃。そのままシャドウを踏み台にして右横に進路を変え、もう一体も倒した。
三体目は流石に四人が倒したようで、少し手ごたえのない戦いに肩を回す。
その後も何度かサポートはしたものの手応えが得られる筈もなく、彼等が疲れたと言ったときにケロリとしていたら「バケモンスか……」と順平に言われエントランスに戻ることになった。
「じゃあ、俺は地下行くから」
僕たちをエントランスまで運んだあと、ウサギ……もといユキはスタスタと奥に消えていった。
どうやら、よほど手応えが無かったらしい。ナイフを投げたり足でシャドウを蹴散らしたりもしていたけれど、あれはただのモーション確認のようだった。
「お疲れ様」
奥に消える前にそう声をかけると、彼は「あんた等のほうが疲れてるだろ。さっさと寝ろ」と返していた。
まさに正論。これ以上残っていても仕方ないと判断した僕たちは、早々と寮へ戻った。
階段を上りながら、順平が少しだけ近づいて尋ねてくる。完全に近づかないのは、俺を警戒してのことだろう。
「別に。ここら辺のシャドウとは何度も戦った事があるから」
何てことないように答え、階段の先の気配に集中した。
1、いや、3体か。
「……美鶴さん、この先何がいるか、見える?」
通信機に向かってそう尋ねると、『強敵の気配がする。はっきりとは見えないが、気をつけてくれ』と返事が返ってきた。
「了解」
通信を切り、階段を登りきる。どこか焦げ臭いフロアを見渡すと、奥に通じる通路があった。
「行くぞ」
湊の声に頷き、先に進む。
そこには、魔術師の仮面をつけたテーブルが三体、通路を塞ぐようにして立っていた。
「……今回、炎通じないかもね」
テーブルの頭上に浮く杖、剣、コイン、そして『炎』を散らすランタンに、ぼそりと呟く。
順平は「マジかよ!」と悲痛な声をあげ、それでもシャドウにしっかりと剣を構えた。
「湊、氷出せるペルソナ持ってる?」
「……ジャックフロストくらいかな」
「それだとちょっと危ないよね……。ヨモツシコメだったら良かったんだけど」
ジャックフロストは炎が弱点だ。氷を試すには少し危険が生じる。
仕方ないと彼らの前に出て、「全員、防御しておいて」と告げた。
「少しスキルのレベル落とすから、周りにそんなに被害は出ないと思うけど……一応」
「……分かった。全員、防御しろ」
湊の声に、三人は頷き各々の構えを取る。
全員が防御体制になったのを確認して、俺はカードを掌に形成し唇にあてた。
「クロッカー、『マハブフーラ』」
時計兎を象ったペルソナの時計がグルグルと回り、そこから光輝く氷が形成されてはシャドウへ飛んでいく。
手加減をしないと、周りの人まで凍らしてしまいそうな冷気。
もう随分この氷を浴びてきたから慣れたけど、他の人はそうもいかない。
ずっと今まで一人で戦ってきた分、周囲をかえりみるのが一番面倒なことだった。
(……このくらいなら、大丈夫か)
周りをチラリと見、シャドウを睨む。
シャドウは呻き声を上げてひっくり返り、明彦が「この瞬間を待っていた!仕掛ける!」と叫んだ。
今なら、やれる。
ナイフを逆手に持って、目の前に倒れているシャドウにまず一撃。そのままシャドウを踏み台にして右横に進路を変え、もう一体も倒した。
三体目は流石に四人が倒したようで、少し手ごたえのない戦いに肩を回す。
その後も何度かサポートはしたものの手応えが得られる筈もなく、彼等が疲れたと言ったときにケロリとしていたら「バケモンスか……」と順平に言われエントランスに戻ることになった。
「じゃあ、俺は地下行くから」
僕たちをエントランスまで運んだあと、ウサギ……もといユキはスタスタと奥に消えていった。
どうやら、よほど手応えが無かったらしい。ナイフを投げたり足でシャドウを蹴散らしたりもしていたけれど、あれはただのモーション確認のようだった。
「お疲れ様」
奥に消える前にそう声をかけると、彼は「あんた等のほうが疲れてるだろ。さっさと寝ろ」と返していた。
まさに正論。これ以上残っていても仕方ないと判断した僕たちは、早々と寮へ戻った。