二度目の満月
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―『女帝』プリーステスは、先頭車両の奥にいた。
周りには囁くティアラが2体、守るように動いている。
「時間、あとどのくらい?」
ウサギは有里に近づいて、そう尋ねる。
「……あと、三分くらい」
「一分半切ったら教えろ。それまで防御に徹する」
そう言いながらカードに口付けし、「クロッカー、マハラクカジャ!」と叫ぶ。
すると三人の防御力が底上げされ、体の周りを薄いバリアが覆った。
「さ、行け。……あと、訊きたい事沢山あったでしょ。後でメールしていいから」
「……ありがとう」
有里は小さく礼をいい、巨大なシャドウに突進する。岳羽もそれをサポートするように、遠距離から敵を射抜いた。
けれど流石大型シャドウというべきか、少しの攻撃じゃびくともしない。
それに、周りにいるティアラが厄介だ。隙を見せるとすぐに回復してしまう。
時計はもう、一分半を切ろうとしていた。
「っく……ウサギ!」
「分かった」
有里が叫ぶと、彼はゆらりと三人の前に出る。そしてすうと息を飲み込むと、静かな声で言った。
「『明けの明星』」
強烈な爆発音と共に散る、三体のシャドウ。
ウサギは平然とペルソナをカードに戻し、唖然とする三人に振り返る。
「……ところで、ブレーキってどれだろうね?」
あまりに状況にそぐわない淡々とした気の抜ける声に、「知るわけねえだろ……」と伊織の弱々しいツッコミが入った。
「湊、立てる?……って、もう疲れちゃったか」
「そうだね……取り敢えず、適当なレバー押してみたら?」
「って時間ないから!ウサギさん早く!」
岳羽の催促する声に青年は「こうか」と車掌室に入ってレバーを押し、暫くしてギギギギと車体の速度が落ちる。
ガコンと大きな音がして、完全に電車の動きが止まった。
「……あ、止まった」
「………た、すかった?」
「……はああああああ……」
『……どうやら無事なようだな……。シャドウの反応はもうないから、安心して戻ってこい』
桐条の安堵した声に、三人は深いため息をついた。
「……つーか、それだけのスキルあんならなんですぐ使わねーんだよ……」
伊織が青年に向かってそう言うと、青年は車掌室から姿を現し平然と言った。
「アンタらの力がどんくらいのものか分からなかったから、見させてもらってた。
それと、あれは下手したら味方にもぶつかるからあんまり使いたくない」
最終手段、というわけなんだろう。「複数人で戦ったことなかったから自信はなかった」と淡々という青年は疲れも見せない様子で腰の抜けた三人を立たせ、「じゃあ、これからバイトだから」と扉をこじ開け去っていった。
「……シャドウ倒した後ふっつーにバイトとか……ハハ、どんだけなんだよあの人…」
「……なんか、気が抜けたわ……」
「……取り敢えず、駅に戻ろう」
三人は苦笑しながら、元きた車両へと戻っていくことにした。
周りには囁くティアラが2体、守るように動いている。
「時間、あとどのくらい?」
ウサギは有里に近づいて、そう尋ねる。
「……あと、三分くらい」
「一分半切ったら教えろ。それまで防御に徹する」
そう言いながらカードに口付けし、「クロッカー、マハラクカジャ!」と叫ぶ。
すると三人の防御力が底上げされ、体の周りを薄いバリアが覆った。
「さ、行け。……あと、訊きたい事沢山あったでしょ。後でメールしていいから」
「……ありがとう」
有里は小さく礼をいい、巨大なシャドウに突進する。岳羽もそれをサポートするように、遠距離から敵を射抜いた。
けれど流石大型シャドウというべきか、少しの攻撃じゃびくともしない。
それに、周りにいるティアラが厄介だ。隙を見せるとすぐに回復してしまう。
時計はもう、一分半を切ろうとしていた。
「っく……ウサギ!」
「分かった」
有里が叫ぶと、彼はゆらりと三人の前に出る。そしてすうと息を飲み込むと、静かな声で言った。
「『明けの明星』」
強烈な爆発音と共に散る、三体のシャドウ。
ウサギは平然とペルソナをカードに戻し、唖然とする三人に振り返る。
「……ところで、ブレーキってどれだろうね?」
あまりに状況にそぐわない淡々とした気の抜ける声に、「知るわけねえだろ……」と伊織の弱々しいツッコミが入った。
「湊、立てる?……って、もう疲れちゃったか」
「そうだね……取り敢えず、適当なレバー押してみたら?」
「って時間ないから!ウサギさん早く!」
岳羽の催促する声に青年は「こうか」と車掌室に入ってレバーを押し、暫くしてギギギギと車体の速度が落ちる。
ガコンと大きな音がして、完全に電車の動きが止まった。
「……あ、止まった」
「………た、すかった?」
「……はああああああ……」
『……どうやら無事なようだな……。シャドウの反応はもうないから、安心して戻ってこい』
桐条の安堵した声に、三人は深いため息をついた。
「……つーか、それだけのスキルあんならなんですぐ使わねーんだよ……」
伊織が青年に向かってそう言うと、青年は車掌室から姿を現し平然と言った。
「アンタらの力がどんくらいのものか分からなかったから、見させてもらってた。
それと、あれは下手したら味方にもぶつかるからあんまり使いたくない」
最終手段、というわけなんだろう。「複数人で戦ったことなかったから自信はなかった」と淡々という青年は疲れも見せない様子で腰の抜けた三人を立たせ、「じゃあ、これからバイトだから」と扉をこじ開け去っていった。
「……シャドウ倒した後ふっつーにバイトとか……ハハ、どんだけなんだよあの人…」
「……なんか、気が抜けたわ……」
「……取り敢えず、駅に戻ろう」
三人は苦笑しながら、元きた車両へと戻っていくことにした。