二度目の満月
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学校はそこまで好きじゃないが、嫌いなわけでもない。
先生に呼び出された昼休み。用事を終えた桜木は時間を潰す為に、校内探索に勤しんでいた。
こんなのどかな場所が、あの時間になると混沌とした迷宮に変わるというのだから恐ろしいものだ。
中庭に出た辺りで、ザワザワと体育館の裏の方から何か音がした。
(なんだろ……)
桜木は耳がいいほうだ。少し木々の揺れる音が邪魔だが、確かに人の声が聞こえてくる。
こっそりと裏手に周り見てみると、女子数人が一人の女子を囲むというイジメにしか見えないような状況が見て取れた。恐喝というより、ただ目的もなくちょっかいをかけているような、そんな感じがするけれど。
女子たちは既にひとしきり遊んで満足したのか去っていき、残された女子は地面に散らばった教科書やノートを拾っていく。
「……はい」
桜木は比較的遠くに散らばっていた分を集め、彼女に渡した。
すると水色の短い髪をした彼女は驚いたように目を見開き、「あ、ありがとうございます」と小さく礼を言ってきた。
「別に。これくらいのことなら、誰だってできる」
感謝される必要性を感じないと肩を竦めると、予鈴が鳴った。
そういえば、次は体育とか言ってたっけ。まあ寝るんだけど。
「じゃあね」
他にも何か言いたそうにしていたものの、桜木はそれをスルーして教室に戻った。
先生に呼び出された昼休み。用事を終えた桜木は時間を潰す為に、校内探索に勤しんでいた。
こんなのどかな場所が、あの時間になると混沌とした迷宮に変わるというのだから恐ろしいものだ。
中庭に出た辺りで、ザワザワと体育館の裏の方から何か音がした。
(なんだろ……)
桜木は耳がいいほうだ。少し木々の揺れる音が邪魔だが、確かに人の声が聞こえてくる。
こっそりと裏手に周り見てみると、女子数人が一人の女子を囲むというイジメにしか見えないような状況が見て取れた。恐喝というより、ただ目的もなくちょっかいをかけているような、そんな感じがするけれど。
女子たちは既にひとしきり遊んで満足したのか去っていき、残された女子は地面に散らばった教科書やノートを拾っていく。
「……はい」
桜木は比較的遠くに散らばっていた分を集め、彼女に渡した。
すると水色の短い髪をした彼女は驚いたように目を見開き、「あ、ありがとうございます」と小さく礼を言ってきた。
「別に。これくらいのことなら、誰だってできる」
感謝される必要性を感じないと肩を竦めると、予鈴が鳴った。
そういえば、次は体育とか言ってたっけ。まあ寝るんだけど。
「じゃあね」
他にも何か言いたそうにしていたものの、桜木はそれをスルーして教室に戻った。