【銀時】私を◯◯◯に連れてって
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「プールに行きたいアル!」
私が万事屋に遊びに来て、真っ先に耳に入ったのは神楽ちゃんのそんな声だった。
「こんにちは〜」
「おお!名無しちゃん良い所に来てくれたネ!銀ちゃんと新八説得するの手伝ってヨ!」
居間の襖を開けて入るや否や、神楽ちゃんは私に半べそをかきながら抱きついて来た。
「名無しさんおはようございます。すいませんいきなり巻き込んで」
「ど、どうしたんですか?」
「どうもこうもねーよ。神楽が暇だからプールに泳ぎに行きたいとか言い出したんだよ。
金もかかるしお前は大人しく風呂に水溜めてバタ足でもして擬似プールにでも入ってろっつったらこのザマよ。」
銀さんは自分の長机に足を置き、だるそうに鼻をほじっている。
どうやらこの夏の暑いシーズンで、海には行けない神楽が代わりにプールに行きたいと、いきなり言い出したらしい。
「お金掛かるって、依頼で稼いだ微量の金でさえパチンコに使う銀ちゃんに言われたくないアルよ!パチンコに使うよりよっぽどプールのが楽しめるネ!」
「ばーか。俺ぁただ打ちに行ってるだけじゃねーんだよ。デカい夢見に行ってんの。
もしかしたら千円が1万になって帰ってくるかもとか、もしかしたら1万が10万になって帰ってくるかもとか、そーゆー夢を見に言ってんだよ俺は」
「一度も大勝ちしたことない天パが何言ってるアルか。夢見んのも大概にしろヨ」
神楽ちゃんと銀さんがバチバチと言い争いをする中、私と新八くんは顔を見合わせて苦笑いをした。
「まぁまぁ2人とも。せっかく名無しさんも来てくれたんだし、もっと楽しい話題にしようよ」
「「うるせーよダメガネ」」
「ダメガネってなんだよおめーらのがよっぽどうるせぇよ!!」
新八くんのツッコミを久しぶりに見た気がする。見る限り、朝からずっと2人は言い争いをしているらしく、新八も嫌気が指しているようだ。
「名無しちゃーん、なんとかして銀ちゃんとダメガネ説得してヨ〜私も今時の子みたいに夏らしいことしたいアル・・・」
「神楽ちゃん・・・」
「名無しー、そいつのベソに騙されんじゃねーぞ」
「でも銀さん、たまにはみんなで遊びに行くのも良いんじゃない?今日は依頼は?」
「ねぇよ」
「なら今日は臨時休業にして、近場の市営プールにでも遊びに行きませんか?」
私に抱きついてる神楽ちゃんが、私のその言葉を聞いてパアアッと顔を明るくする。
「ほらネ!名無しちゃんもこう言ってるアル!プールっ!プールっ!キャッホーイ!水着準備してくるネ!」
神楽ちゃんは飛び跳ねながら、自分の寝床である押し入れに向かっていった。
「え・・・神楽ちゃん完全に準備しに行っちゃいましたけど銀さん・・・」
新八くんは冷や汗をかきながら銀さんに言った。
「おいおい名無し余計なこと言ってんじゃねーよどうすんだよ」
「いいじゃないですか、たまには。
今日は臨時休業にして、みんなで遊びに行きましょ」
私はニコッと笑って言うと、銀さんと新八くんは間を開けた後ため息をついた。
するとすぐ神楽ちゃんがプールバックを持ってやってきた。
「水着と浮き輪とゴーグル準備してきたネ!みんなも早く準備するアルよ!」
「俺ぁ行かねーぞ」
銀さんは体制を崩さず、机に置いてあったジャンプを読みだした。
神楽ちゃんはそんな銀さんを見てムッとした表情になったが、すぐ何かをひらめいたのか、銀さんに近寄って何か耳打ちをしていた。
「・・・銀ちゃんいいアルか。
プールに行けば名無しちゃんの水着姿見れるアルよ」
「よし、プールに行こう」
「いや意思弱っ!!」
スッと立ち上がる銀さんにツッコミを入れる新八。私はキョトンとしながら遠目から見ていた。
一体なに言われたんだろ銀さん・・・
「よし名無し、新八、お前らも早く準備してプール行くぞプール」
スッと私達の隣に立つ頃には、銀さんはもう水着姿になっていた。
「いや何でもう着替えて浮き輪付けてんですか気が早ぇよ!!」
いつのまに早着替えしたのか、プールに入る気満々の体制だ。
「ど、どうしたの銀さん・・・いきなり心変わり?」
「いきなりプールの女神が俺ん中に舞い降りてきてな。今日プールに行かねーと明日死ぬって」
「いやそれ女神じゃないだろ死神だろ」
明らかに神楽ちゃんに何か吹き込まれたんだろうなとも思いつつ、乗り気になってくれたようで何だかんだ安心した。
「まぁいいや、じゃあ私も家で準備しなきゃいけないんで1回帰りますね」
「あっじゃあ、また戻ってきてもらうのもめんどくさいだろうし、僕も家に取りに行かなきゃいけないから、みんなで僕んちと名無しさんち行って、その足でプール行っちゃいましょ」
「そうだね。良かったね神楽ちゃん」
「キャッホーイ!今年初のプール楽しみアル!名無しちゃんありがとうネ!」
「・・・?ど、どういたしまして?」
神楽ちゃんははしゃいで玄関に飛び出して行って、新八くんもそれに続いて玄関に向かって行った。
「・・・さ、銀さんも早く上に羽織来て行きましょ」
「いやぁ楽しみだなぁプール」
「どうしたんですかいきなり・・・変なの」
銀さんは何故かニヤニヤしている。
「名無しはなんでも似合うからな〜
ビキニも有りだが意外とパンツスタイルの水着も似合いそうだなぁ・・・いやいっそスク水とかもイケんじゃね?」
「っ!!??///も!もしかして銀さん!!それが目的で・・・!!」
水着のことを言われて、自分も一気に我に帰る。
そうだ、自分もプールに行こうと言ったからには水着を着て入らねばならない。
・・・恋人の前で。
もちろんまだ、そんな露出の高い姿は恋人の銀さんには見せたことがない。
「ほんとは素肌を公衆の野郎共に見られんのも嫌だけどよ、今日は特別だ。
初めて水着姿を見れることに免じて許す」
「なに言ってるんですかほんとに!!
男ってほんと変態!」
プイッと顔を逸らして自分も玄関に向かうと、パシッと腕を掴まれ引き寄せられた。
耳元で囁く声が響く。
「・・・男はみんな変態だぜ?
好きな相手の“そーゆー姿”なんて、誰だって見たいだろ?」
ちゅっと耳を甘噛みされると、ボッと身体中が一気に熱くなる。
「もう!銀さんのバカ!」
私はジタバタしながら銀さんにペシッと一撃を入れると、銀さんは笑いながら今度は口に軽くキスを落とした。
「ほら、行くか」
すぐ手を引かれ、私と銀さんは万事屋を後にしたのであった。
ーーー
新八くんと私の家を後にしたあとプールに出向いた私達。
はしゃいで泳ぐ神楽ちゃんと、それを心配そうに見ながら横で泳ぐ新八くん。
水着姿で、そんな光景を見て笑いながら私と銀さんは、休憩スペースのパラソルの下で座りながら、手を繋いで寄り添っていたのであった。
ーーー夏が、始まる。
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