【銀時】甘い君
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
とある晴れた日の朝11時。
銀さんから「今日暇か?」と電話で連絡が来た。
今日はどうやら万事屋に新八くんと神楽ちゃんがいないらしい。
「暇っちゃ暇ですけど・・・」
「ほんとか?今日朝一で受けた依頼人に、お礼でケーキ貰ってよ。一人で食っちまうのも悪くないが、名無しも甘いモン好きだったよなって思ってな。一緒に食わねーか?」
朝一で受けた依頼ということは、早起きしたのであろう。あくびをしながらいつも通りに、気怠げに電話口で言ってきた。
「お、お疲れ様です・・・銀さんが良ければ行きたいです!」
「てか名無し、何度も言ってるだろ?恋人に敬語使うやつがあるかぁ?ラフに話せラフに」
「でもまだやっぱり慣れなくて・・・クセなのかな」
私は銀さんと付き合ってはいるが、中々クセで敬語が抜けずにいる。
何度会ってもそのクセが抜けないため、いつもこうして銀さんに言われてしまう。
「今から準備して行くとなると少し時間が空いちゃうかもしれないですが・・・13時前には着くと思います」
「りょーかいした。じゃ待ってるぜ」
そうして一度電話を切った。
ーーー
私は準備をして万事屋に向かった。
時刻は正午12時半過ぎ。
早足でスナックお登勢の横の階段を駆け上がり、玄関の前に立ちチャイムを鳴らした。
ピンポーン
数秒後、ガラリと玄関が開く。いつもの羽織を着た銀さんが口角を上げて私を出迎えた。
「お疲れさん。すまねぇな迎えに行けなくて」
「大丈夫ですよ!銀さんも朝から仕事して疲れてるでしょう?」
家の中に招き入れられると、居間のテーブルには高そうなスイーツが羅列していた。
「えっ!?これ全部貰い物なんですか!?」
「そうなんだよヤベェだろ?万事屋やってて良かったーって初めて思ったぜ。
ほらテキトーに座っててくれや」
銀さんはキッチンに飲み物を用意しに行ってくれたのか、一瞬居間から姿を消す。
私はソファに座り、高級スイーツ達を眺めて目を輝かせた。
ーーーすごいなぁ・・・お金持ちの依頼人だったのかなぁ・・・美味しそう・・・
「おい名無し、ヨダレ出てんぞ」
「っ!?」
いつのまにか戻ってきた銀さんの手には、安定の苺牛乳が入ったグラスが2つ。
私が座った目の前に一つグラスを置くと、その横にどかっと銀さんが座った。
「美味そうだろ?俺だって朝から食うの我慢してたんだぞ?早く食おうや」
安っぽいフォークを手渡された。
銀さんも今にもヨダレが出そうにーーー
なる前にもう、一つのホールケーキのワンカットが消えていた。
「ちょっと銀さんガッツきすぎですよぉ」
「・・・う、うめぇ!!」
口の周りにクリームを付けて、子供みたいな反応をする銀さんに苦笑いをする。
「ほら、銀さん口の周りにクリームついてますよ」
私は自分の口横を指差し、このへんに付いてますと教えてあげる。
すると銀さんはニヤリと笑う。
「ん?恋人同士のベタなアレ、やってくれないのかなぁ名無しちゃんは?」
「えっ!?」
何のことかすぐに分かった。
銀さんは自分でクリームのついた口横をトントンと指差してアピールをする。
「し、しませんよ!そんなお行儀悪いこと!」
カアァっと顔が赤くなるのが分かり、慌ててティッシュを取り出して銀さんの口横を拭いてあげようとした。
その瞬間、フォークを持つ別の方の手で腕を引かれ、身体のバランスを崩して銀さんに倒れ込んでしまった。
「・・・ほら、してみろよ」
銀さんの胸の中から見上げるように顔を見る。
ーーー銀さん、もしかして・・・S?
私は恥ずかしながらも根気負けして、銀さんの口横のクリームを自分の舌で舐めとって上げた。
「こ、これでいいんですよね」
「・・・ははっ、まぁ合格」
顔を真っ赤にして強がる私を見て、銀さんはクスッと笑った。
銀さんはケーキのクリームを、今度は私の唇に付けてきた。
「な!なにして・・・っ食べ物を粗末にしちゃ・・・」
「ちっと黙っとけ」
私の言葉を遮って、ちゅっと私にキスをして、唇のクリームをわざとらしく舐め取っていった。
「っ!!///」
「うん、やっぱ美味い」
「も、もう・・・銀さんのバカ!
私も食べるから、もうそういうのは無しですからね!」
照れ隠しをしながら自分のフォークを持ち直すと、銀さんが自分より先にケーキにフォークを突き立て、一口私の前に差し出す。
「ほら、あーんしてやるよ、口開けてみ?」
ーーーニヤニヤしながらやられるのが本当に恥ずかしいし、なんだか負けた気分になるなぁ・・・
私はそんなことを思いながら、パクッとケーキを食べたのであった。
「ど?美味いだろ?」
「・・・ん・・・お、美味しい」
「ははっ、なんだよその反応、名無しってほんとに可愛いな」
横に座る私の肩を抱くと、銀さんはそう言った。
「子供みたいにケーキにありつく銀さんも可愛いですよ」
「バカ言え。男はいつまでも心は少年のままなんだよ。見た目だけ成長しても、中身は一生思春期真っ只中のガキのままなの」
銀さんは苺牛乳を飲むのとケーキを食べるのを交互にこなしている。
ーーーなんて平凡な一日なんだろう。
こんな幸せな日々が送れるなんて夢にも思わなかったなぁ・・・
「まぁ銀さんって確かに中身やんちゃな高校生みたいですもんね」
「そーだよ俺ぁまだ高校生なの。なんなら中学生並なの。頭んなら糖分とエロいことでいっぱいなの」
「ええっ!?エロいこと!?」
「いつか名無しともあんなコトやこんなコト〜って考えるだけで、銀さんの銀さんもギンギンよ」
「い、いや全然うまくないですしやめてください!!」
ーーー今日のお家デートの時間は、そんな他愛の無い言い争いをして過ぎていった。
夕方、すべてのケーキをたらふく食い尽くした私達はソファで寄り添いながらスヤスヤと眠ってしまっていたようだ。
ーーーあぁ、明日からまたダイエットしよ。
1/1ページ