【銀時】はっぴーばーすでー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ーーー10月10月は、
私の恋人・坂田銀時の誕生日だ。
「た!誕生日!お、おおおめでとう銀さん!」
現在夜21時。
名無しは残業を終えて、真っ先に万事屋に向かいインターホンを鳴らすと、数秒後にガラリと玄関が開いて、銀時が顔を出した所にそう声を浴びせた。
「なんでそんなぎこちないの」
「ごめんね、本当は一日中一緒にいたかったんだけど・・・仕事入っちゃって・・・」
「気にすんなって。俺も昼間はバーさんとこで皆で祝杯挙げてもらってたからよ。ちょうど今暇になったとこだ」
「な、なら良かった・・・のか?」
「まぁとりあえず仕事お疲れさん。
中入れよ」
銀時は名無しの頭をくしゃっと撫でると、部屋に戻って行く。
「もうこの時間だと新八くんも帰ったの?あと神楽ちゃんは・・・」
そういえば2人の姿がないなと周りを見渡すが、玄関には銀時と神楽の分しか履き物は無かった。
「新八は宴終わったらお妙と一緒に帰ったぜ。神楽はもう押入れで寝てる」
「そ、そうなんだ・・・
はしゃぎ疲れちゃったのかな」
なるべく声のボリュームを抑えつつ、いつもの居間のソファーに荷物を置いて席に着いた。
「なんか飲むか?」
「あっ、大丈夫・・・
あの・・・か、買ってきたから」
「ん?」
名無しはテーブルに置いた大きめの荷物の中をガサゴソと漁り始める。
「い、急いで買ってきたんだけど・・・走ってきちゃったから崩れちゃってるかも・・・」
「お?なんかくれんの?」
「せっかくの誕生日だし・・・ちゃんとケーキ、買ってきた」
ビニールの袋から出て来た大きめの箱。
それを開けると、生クリームとチョコレートでデコレーションされたホールケーキが顔を出した。
「おおおマジか!めちゃくちゃシャレてんじゃねーか!」
「あ、あとシャンパンも・・・
でもお登勢さんの所で飲んで来ちゃったならまた別の日にでも飲んで?」
「バーカ。飲むに決まってんだろ?せっかく名無しが俺のためを思って買って来てくれたんだからよ」
銀時はケーキとシャンパンを見て目を輝かせていた。
名無しはそんな銀時を見て、思わず胸を撫で下ろす。
「・・・?どうした?」
「いや・・・なんか・・・せっかくの誕生日って言う割に、私銀さんになにも特別なことしてあげれてないなって、思って・・・」
ーーー本当は一日中一緒にいたかった。
朝から銀さんの行きたい場所にお出掛けしたり、欲しいものをプレゼントしてあげたり、誕生日らしいことをしてあげたかった。
仕事があったせいで、私はケーキを買ったりお酒を買ったり、ベタな祝い方を選択せざるを得なかったけど・・・もうちょっと、何か・・・
「なに言ってんだよ」
「え」
「俺にとっては、名無しがこうして忙しいなりに急いで会いに来てくれたり、俺のこと考えてケーキ買って来てくれたり、それだけで充分すぎるくらいだ」
銀時は名無しの横に腰を下ろすと、先程とは違い、優しく頭を撫でた。
「そりゃバーさんの所でも色んな奴らに祝われたけどよ、俺ぁやっぱり名無しに祝われんのが一番嬉しい。どんな形でもな」
「ぎ、銀さ・・・」
名無しは思わず銀時にぎゅっと抱きつく。
「ははっ、なんだなんだぁ?
俺の誕生日なのに、今日は名無しが甘えたさんかぁ?
ほら、ケーキ溶けちまう前に一緒に食べようぜ」
ケーキの箱の中には2人分のフォークが入っていて、銀時はニコニコしながらそれを取り出した。
「あ!わ、私が取り分ける!」
「もうこのまま食えば良くね?」
「え」
少しの間が空く。
そして、2人同時にぷっと笑みをこぼしたのであった。
ーーー
「じゃあ改めて、銀さん誕生日おめでと」
「おぅ。さんきゅーな」
カツンと、シャンパングラスの音を鳴らす。
ホールケーキのまま2人でケーキを食べているが、甘党の銀時はすでに一人で半分以上食し終わっているところだ。
「やっぱ糖分摂取してる時は幸せ感じんなぁ」
「・・・」
「・・・?名無しどうした?」
「・・・ぎ、銀さんっ」
名無しはもじもじしながら、顔を赤らめてケーキにフォークを突き刺した。
「あ、あーん・・・」
「っ!?」
ケーキを一口すくい上げたフォークを、銀時の口元に向ける名無し。
銀時も突然のことに驚いて目をパチクリさせている。
「ほ、ほら早く食べなさいよ!」
「・・・へー、
珍しくデレてくれてんじゃん名無し。
普段自分からこんなことしないくせに」
ニヤニヤしながら名無しの手首を掴む銀時。
「ううううるさい!今日は特別だから!」
「はいはい、あーん」
銀時は手首を離さないまま、差し出されたフォークの先をゆっくり口に含んだ。
「・・・ん、美味さ倍増」
「わ、わかったから早く手離し・・・っ」
その瞬間、手首をそのままグイッと引かれた。
銀時の胸に抱き寄せられ、唇に熱く甘い感覚が広がった。
「・・・っん!」
ケーキの甘い味が、名無しの口内に広がると同時に、熱い熱い銀時の舌が口内を掻き乱す。
味わうような深いキスを離すと、唾液が糸を引いた。
「・・・ほんと、可愛すぎるから勘弁して」
「う・・・今日だけだからね!」
「えー、これからも毎日「銀さんあーん♡」ってしてくれよー
銀さんのギンギンなアレもいつもあーん♡してくれてんじゃん」
「ああああうるさいうるさい恥ずかしいからやめてー!」
「やべ、ヤってる時のこと思い出したら興奮してきちまった」
「こ、この変態!」
・・・そんな怒号と笑い声が響く夜の万事屋。
押入れで眠っているはずの神楽が、気を使って寝たふりをしていたことは、2人は一生知ることはなかった。
ーーーfin
2020/10.10/坂田銀時誕生日短編
1/1ページ