【銀時】夏の花火
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かぶき町のメインストリートを2人で手を繋いで歩く。
周りには相変わらず浴衣を着た人々がたくさんいて、食べ歩きしながら楽しそうに騒ぐ女子達や、射的をするカップルなど、お祭りを楽しむ人々で賑わっていた。
「これぞ夏のお祭りって感じだな」
「ほんとだね〜
あ、銀さん、花火上がるまで少し時間あるから私達も何か食べ歩きしよ!」
「そうだな、俺も腹減ったから何か食いてーなー。焼きそばに、たこ焼きに、焼き鳥に、焼きトウモロコシに・・・
そんでチョコバナナ、かき氷、ベビーカステラにクレープ・・・選び放題だぜ」
銀時は屋台を見渡しながら目を輝かせている。
そんな子供のような銀時を横目で見て、名無しはクスリと笑った。
「銀さん、子供みたい」
「バカヤロー。男は何年経っても中身はガキのまんまなの」
「はいはい」
「んじゃ片っ端から買ってくか」
「え!?そんなに食べるの!?」
「・・・いや、神楽にどうせ何か買って帰らねーと殺されるからな・・・」
「あ・・・あぁ、そういうことね・・・」
そんなこんなで2人は苦笑いしながら屋台巡りをしたのであった。
ーーー
花火が始まるのは午後19時らしい。
屋台で買った食べ物達を抱えて、2人は海岸沿いに腰を下ろした。
周りには同じく、花火を見るために場所取りをしている人々がたくさんいた。
「はー、たくさん歩き回ったら私までお腹空いちゃった。銀さん何から食べる?
・・・ってもう食べてるし」
名無しは片手に2人分のチョコバナナを持っている中、銀時はすでに焼きそばやらたこ焼きやらを頬張っていた。
よっぽど腹が減っていたらしい。
「・・・おいし?」
「食う?」
たこ焼きを楊枝に刺し、名無しの口元に差し向ける。名無しは恥ずかしそうにそれをパクっと食べた。
「ん、おいし」
「だろ?こーゆー祭り事の時に食う飯って、普段店で食うやつより美味く感じるのはなんでなんだろうな」
「確かに・・・
あ、銀さん青のりついてる」
片手でカバンをガサゴソと漁りハンカチを取り出すと、銀時の口横についたソースと青のりを拭き取った。
「えー、そこは舌で舐め取ってくれよ」
「バッ・・・!周りにたくさん人がいるのにそんなこと出来るわけないでしょ!?」
「人がいなければいいの?」
「・・・っ!
べ、別にそういうわけじゃ・・・!」
「名無しちゃんのエッチー」
「う!うるさいうるさい!
銀さんの分全部食べちゃうよ!」
ニヤニヤ顔を近づけてきた銀時を押し返し、片手で持つチョコバナナを一口食べた。
「・・・」
「・・・な、なによ」
「なんかバナナに食いついてんのエロいな」
「銀さんたまに中学生みたいなこと言うよね」
銀時の言うことも気にせず、名無しはパクパクとチョコバナナを食べ進めた。
暑さで、コーティングされたチョコが割り箸をつたり、溶けていく。
「銀さんにもそれ、一口ちょーだい」
「ん」
まだ口をつけてない方のチョコバナナを差し向けると、銀時は「ちがう、こっち」とニヤリと笑うと突然肩を引き寄せた。
・・・ちゅっ、とリップ音がする。
「っ!?」
唇が、塞がれていた。
ゆっくりと侵入してくる舌は、口内の甘いチョコレートとバナナの余韻を楽しんでいる。
「っんん・・・ぎん、さん」
口を離すと、最後に名無しの唇をひと舐めした。
「お前もコレくらいしてみろよ。
ここ、チョコついてたぜ」
銀時は口元を指差すと、ニヤリと笑った。
「・・・もう、バカ・・・」
いつも通りのテンションに安堵が広がる。
名無しは恥ずかしそうにすると、銀時に肩を寄せた。
「なんか・・・楽しいね。たまにはこーゆーのも」
「・・・そうだな。滅多に見れない名無しの浴衣姿も見れたしな。夏万歳だぜ。
本当は今すぐここで半脱ぎにしてヤりてーところだが・・・」
「ななななに言ってんの変態!」
「ははっ、冗談」
「銀さんのは冗談に聞こえないんだってば!」
「・・・」
暗くなった空を急に見上げて静かになる銀時。
名無しは首を傾げて、「・・・どうしたの?」と問う。
「・・・幸せだなぁって、思ってな」
「?」
「好きな人とこうやって一緒に出掛けて思い出作って、一緒にはしゃいで騒いで、俺ぁ幸せもんだなぁ・・・」
「・・・?
いきなりどうしたの銀さーーー」
目の前が明るい光に照らされたと同時に、激しくドンッという音と地響きが鳴る。
花火が、上がり始めたのだ。
「っ!ぎ、銀さん始まったみたいだよ!」
ビックリして2人は空を見上げると、夜空一面に広がる大きな花火が姿を現し始めていた。
周りの人々も写真を撮り始めたり、そこらじゅうから「たーまやー」という声が聞こえてくる。
「・・・綺麗・・・・・・」
名無しが空を見上げていると、銀時はそっと肩を引き寄せた。
「ベタなこと言っていいか?」
「なに?」
「名無しのが綺麗だよ」
「・・・キザだねぇ・・・
でも嬉しい、ありがとう」
「嘘じゃねーよ。俺にとって名無しは、夜を照らしてくれる花火以上の存在だ」
ぎゅっと肩を引き寄せる力が強くなった。
名無しは柔らかく笑うと、花火を見上げる銀時の無防備な頰に、軽く口付けをした。
「・・・銀さん、好き」
「・・・」
「些細なことだけど、こうやって一緒に出掛けたり、一緒に美味しいもの食べたり、そんなありきたりな事だけど、私も銀さんと過ごせていつも幸せだよ」
銀時の頰を撫でて微笑む。
花火の音でかき消されそうな声も、銀時は聞き逃さなかった。
嬉しそうに銀時も微笑むと、再度唇にキスを落とした。
吸い寄せられるようにお互いの唇が密着すると、ひときり大きな花火が舞い上がった。
「・・・えへへ、なんか改めていうのも恥ずかしいね」
「・・・そうだな」
2人はそういうと、笑い合いながら夜空を見上げたのであった。
ーーーfin・・・?
(※アフターストーリー執筆中
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