坂田銀時との出会い
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あれから数日が経った。
私は、ある行動に移る。
「・・・よし」
自分の部屋のソファーに正座しながら、あの人から貰った名刺を片手に持ち、無駄に緊張した趣で番号をスマホに打ち込んで行く。
相手は万事屋の坂田銀時さん。
何故かあれから彼の事が頭から離れない。
会いたい。
そう毎日思っていたのだが、相手も商売をしている以上軽々しく連絡するのも良くないと思い、私はひらめいた。
---依頼をすればいい。
相手は何でも屋だというのだから、依頼をすれば問題ないんだ、と。
引っ越ししたてで家が荷物でごちゃごちゃしているので、それの片付けと掃除を手伝ってもらおう、と私は考えた。
お金がかかるとはいえ、気になる人にも会えるし部屋も片付くし一石二鳥だ。
「電話出るかなぁ・・・」
耳にスマホを当てると、プルルルルと呼び出し音が鳴る。無駄に緊張してきた。
するとすぐにガチャりと人が出る。
『はい、お電話ありがとうございます万事屋です!』
「!?」
出たのは明らかにあの気だるげな彼の声とは違う、好青年らしき声の主。
もしかして、あの時玄関で見た靴の人だろうか?
「あ!あの!依頼をしたくてご連絡したんですけど!」
『えっ!い、依頼!?あっハイありがとうございます!!
・・・ぎ、銀さんヤバイです久方ぶりの依頼ですよ!』
好青年はあたふたしながら、電話口の向こうにいるであろうその彼に小声で言っているようだが、こちらには丸聞こえ。
銀さん、という名前を聞いてやはりドキッとしてしまう。
「あの、その・・・銀さんに前に名刺を頂いて・・・何でも屋さんと聞いたので頼みたい事があって・・・」
『えっ、銀さんのお知り合いさんですか?なら今から銀さんに代わるんでちょっと待ってて下さいね!』
「え!いや!そんな大丈夫ですよ!」
気を使ってくれたつもりなのか好青年は、銀さんのお知り合いさんからっぽいですよと、どうやら彼に言っているようだ。
ドギマギしながら電話口から聞こえてくるそんな会話を聞いていると、すぐにあの気だるげな声が耳元に聴こえてきた。
『もしもーし、万事屋銀ちゃんの銀さんでーす』
「っ!あ、あの!私です!数日前にお会いした・・・」
『お?その声は名無しじゃねーか。この間は世話になったな』
「覚えててくれたんですね・・・
あの、今日は万事屋さんに依頼がしたくて電話したんですけど大丈夫ですか?」
『おーもちろんだ。万事屋に任せなさい。
で、依頼内容は?』
私のことを覚えてくれている嬉しさと、まだ一度しか会った事がないのに気さくに話してくれる彼の優しさに、自然と顔が熱くなる。
それから依頼内容を話した。
引っ越ししたてで部屋の片づけを手伝ってほしい旨と、掃除の旨。
『おやすいご用だ。して、日にちは?』
「あ、明日の昼とかどうでしょうか?」
『おーけー了解した。じゃ住所書き留めるから教えてくれ』
私は住所を伝えると、彼は電話口で紙にすらすらと書き綴る音がかすかに聞こえてきた。
---あぁ、やっと明日会えるんだ。
嬉しい。
『おし、じゃあ明日昼に向かうからよろしくな』
「ありがとうございます!
あ・・・そういえば、お代は・・・」
『とりあえず100万くらいで』
「・・・依頼取り消していいですか?」
『冗談だよ、明日の仕事量で金額は決めるから、当日手渡しで』
「あ、はい・・・じゃあよろしくお願いします」
『こちらこそサンキューな。まさか本当に依頼くれるとは思ってなかったからよ。
また名無しに会えるの楽しみにしてるぜ』
「っ! あ・・・は、はい!じゃ、じゃあ明日待ってますね!」
私は心臓が持たなくなり、ガチャリと電話を切ってしまった。
会えるの楽しみにしてるってどういうことだろう・・・顔が熱い・・・
私はその場でうずくまり、必死に心臓を落ち着かせようとした。
---明日が楽しみだ。