坂田銀時との出会い
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・・・一方で、別部屋の襖を少しだけ開け、こちらの様子を観察してる新八と神楽。
「神楽ちゃん・・・銀さんアレ酔ってんじゃないの?大丈夫かな」
「そうじゃなければ銀ちゃんもだいぶ誑しになったアルな」
あわわわ・・と顔を赤らめながらヒソヒソと話す新八をよそに、神楽は目の座った顔で2人の方を見ている。
そんな様子も知りもせずに、銀時は名無しから唇を離した。
「っ!!??///」
私は何が起きたのかわからず、口を手で覆って目を開く。
ーーーい、今銀さんが私に・・・キ・・・キスを・・・して・・・?
「なーに焦ってんだよ」
「だ、だって・・・なんで・・・」
「名無しは相当な鈍感女だなぁ?
俺がそう簡単に女にこんなことする人間に見えるかぁ?」
銀さんは私の唇に指を当てる。
唇に触れた銀さんの人差し指が、なんだが熱く感じる。
「・・・俺だって確かに名無しのこと、まだ何も知らねぇ。知らねぇのにこんなフワフワした感情になるなんて、俺ぁついに病気でも患っちまったかと思ったんだが・・・
ーーーどうやら病は病でも、別の病だったみたいだ」
そう優しく微笑んで、今度は私の前髪をかき分けて額に軽く口付けをした。
「・・・好きだ、名無し。好きなんだ」
「・・・銀、さん・・・」
一方、引き続きその様子を観察してる新八と神楽。
久しぶりに銀時の緩んだ顔を見て、2人は苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「銀ちゃん、パチンコで勝った時以外にもあんな顔できるアルね」
「あはは・・・どうやら酔ってるわけじゃなさそうだね・・・
まぁ何はともあれ、名無しさんも想いが成就してよかったよね、神楽ちゃん」
「そうネ。今日は銀ちゃんの金使って盛大にパーチー開いてやるヨ」
「2人とも子供じゃないんだしそこまでしなくてもいいんじゃないかな?
それに銀さん多分お金全部パチンコで使ってきちゃってると思うよ・・・」
「何言ってるアルか新八。あのちゃらんぽらんな天パバカに恋人アルよ?名無しちゃんも今後苦労するネ。
ちゃんと銀ちゃんの家族同然の私達が祝福してあげないと名無しちゃんも絶対気まずいアルよ。銀ちゃんには腎臓か金タマでも売って貰って金を・・・」
「お前ら」
襖の隙間から陽の光が消えた。
新八と神楽はビクッと身体を震わせて顔を上げると、そこには隙間から目を覗かせて立っている銀時の姿がーーー
「っ!!ぎぎぎ!!銀さん!!?」
新八がしまった、と思わず後ずさると、銀時は勢いよく襖を開けた。
「お前ら大人な会話をなーに盗み聞きしてんだ!!ガキはすっこんでろ!!」
「いや盗み聞き云々は銀ちゃんに言われたくないネ」
いい雰囲気を楽しんでいる中、ヒソヒソ話が銀時には聞こえてきたのだろう。
銀時の背のほうには、クスクスと笑う名無しの姿があった。
「ったくよ、思春期のガキかよテメーらは。
ヒソヒソヒソヒソ勝手なこと言ってやがって」
頭を掻きながらため息をつく。
「でも銀ちゃん良かったアルね。名無しちゃんみたいな可愛い子に好かれるなんて。今日は盛大なパーチーでお祝いアルよ!」
「名無しさん、なんか変な空気にさせちゃってごめんなさい。でも本当におめでとうございます」
「え!いや、あの、別にそんな・・・!」
私は急に話を振られて驚いたが、なんだかみんなが祝福ムードになっていて少し安心した。
「銀ちゃん、どうせパチンコで金使い尽くしただろうから、早く今から腎臓なり金タマなり売り飛ばして来いヨ。その金で酢昆布パーチーやるネ」
「いや酢昆布パーティーかよ」
「新八は今から眼鏡売って金にしてこいヨ」
「売るわけねーだろ!!」
対面するや否や騒ぎ散らす新八と神楽を横目に、銀さんは私の方を振り返った。
「まぁなんだ、こいつらもこんな感じで騒がしい奴らだがよ、これから世話になるかもしれねーから今後とも仲良くしてやってくれや」
ふっと笑うと、取っ組み合いをする新八と神楽を背に、銀さんは私に手を差し出す。
「名無し、
俺とーーー付き合ってくれるか?」
ーーー本当に驚きと嬉しさで涙が溢れそうになった。
まさかこんな展開になるなんて、思いもしなかった。
好きな人と同じ感情。
“両想い”って、こんなに嬉しいんだ。
私は抑えきれなくなった涙腺に抵抗せず、涙を流して微笑み、そっと銀さんの手を取った。
「ーーーはい、よろしくお願いします」
ぐっと手を引かれ、私は銀さんの胸の中にすっぽりと収まった。
ーーーこれが、私と銀さんの出会い。
まだお互いのことを何も知らない、
異例の交際がスタートしたのであった。
この後、私が万事屋で夕食を作り、昨日のようにみんなでテーブルを囲んで団欒を楽しんだのは、また別のお話。
【坂田銀時との出会い 完】
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