坂田銀時との出会い
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私があの人と出会ったのは、今からちょうど1ヶ月ほど前。
故郷から一人でこのかぶき町に出てきて、路頭に迷っている時に私は彼に出会ったのだ。
「あの・・・大丈夫ですか?」
「うっ・・・気持ちわりぃ・・・あー大丈夫だ気にすんな・・・」
彼は電柱に手をつき、うずくまりながらこちらを振り向かずにそう言った。
私は心配になり彼の顔を覗き込むと、明らかに顔色が悪く、冷や汗をかいている。
・・・そして妙に酒臭い。
「もしかして飲みすぎちゃったとかですかね・・・?」
「おー・・・久しぶりに調子乗って昼間っから酒かっこんだらこのザマだ・・・俺も良い年して酒に飲まれちまうとはなぁ・・・」
想像通り、彼は昼間からお酒を飲んでいたようで、ひどく体調が悪いようだ。
私は近くの自販機に駆け足で向かい、ペットボトルの水を2本ほど購入し彼の元へ戻り、彼に目線を合わせるようにしゃがみ込み、目の前に水を差し出した。
「良かったら飲んで下さい。冷たい水です。」
「っ!・・・あんた・・・」
「酔っ払った時は新鮮な空気を吸って、冷たい水をたくさん飲んだ方がいいですよ?」
そう私が言うと、彼はビックリしたように私の顔を見た。
私がそう小さく微笑むと、彼は数秒後水を受け取り一気に飲み干した。
「あー、ちっと生き返った気がするわー・・・サンキューな」
「いえいえ。困ってる人がいたら助けるのは当たり前です」
「もう俺はぜってぇ飲まねぇ・・・昼間っからツマミも無しに日本酒はダメだなアレ・・・」
そう言って彼はのそりと立ち上がる。
だがやはりまだ酔いが回っているせいか、足元がおぼつかない様子。
「あの、ほんと大丈夫ですか?すごいフラフラしてますけど・・・帰れますか?」
「多分大丈夫だ・・・家もすぐ近くだしな」
そんな今にも吐き出しそうな気だるそうな彼の声からして、大丈夫そうには全然見えない。
「心配なんで肩貸します。お家まで付き添いますよ」
「お嬢さんよ、この町じゃ見ねぇ顔だな・・・知らないおじさんには着いていっちゃいけないってお母さんに習わなかったのか?」
「着いて行こうも何も、体調の悪い人を放置する方が私的には心が痛むんですよ」
私は彼を支えるように横に立ち、お家はどちらですか?と聞くと、彼は「すまねぇな」と小さく呟き、家方面を指差す。
---まさか新しい町に踏み入れた直後に、こんな出会いがあるとは。
昼間から街中で酔っ払いに出会い?
水を買ってあげたり?
家に付き添いで連れて行ってあげたり?
こんな展開初めてだった。
彼は見た目は若そうに見えた。着物を着ていて、腰には木刀を指している。
20代くらいだろうか?
なのに髪は白髪頭で、それとは裏腹に身体付きは妙にガッシリしていた。
彼は私の肩に腕を回し、私はそれを支えるように少しずつ歩いていく。
「初めましての方にこんなこと言うのはアレですけど、酒は飲んでも飲まれるなって言うでしょう?もうこんなになるまで飲んじゃダメですよ?」
私ははぁっとため息をつきながら言うと彼は、そうだなそうする・・・とうなだれながら言う。
まるで世話の焼ける大型犬のようだ。
「お嬢さん、すまねぇな水まで買ってもらっちゃってよ、しかもいい年した男が女に手ぇ貸されながらこんなザマとは・・・」
「大丈夫ですよ、気にしないで下さい。私今日この町に来たばかりで、まだ何も予定もなくて暇だったんで」
「・・・・・・そうか、なら良かったんだけどよ・・・あーココだよ俺んち」
彼は見上げて目の前の古い二階建ての建物を指差す。
一階はどうやらスナックらしく、日中だからかまだ営業はしていないようだ。
二階は・・・
「ばん・・・ばんじ・・・や?」
「よろずや、だ。万事屋銀ちゃん」
私は首を傾げていると、彼は私の肩から離れ、階段を一人で登って行こうとするが、やはりまだフラついている。
足元気をつけて下さいねと私は言い、フラフラな彼の後ろについていく。
「あー帰ってきたぜマイスィートホーム」
「あ、あのっ、ここが家なんですか?お店みたいですけど」
「そーそー、ここが俺んち。」
「万事屋銀ちゃんって書いてありますけど・・・そういえば、あなたの名前って・・・」
ここまでして、彼の名前を知らないことに気づいた私。
万事屋ってなんだろう?
銀ちゃんって誰だろう?
もしかして・・・
「そういや名乗ってなかったな、俺は坂田銀時。この万事屋---何でも屋を営んでる社長だ」
「っ!?・・・しゃ、社長?」
「社長というかオーナー?マスター?まぁ何でもいいけどよ。本当に今日は助かった。ありがとさんよ」
彼は玄関をガラッと開けて家に入ろうとしたが、ふと思い出したようにぴたっと止まり振り返る。
「そういやアンタ、名前は?」
「っ!」
そうだ、私も名乗っていなかった。
素性の知らない社長?に名乗るのは気が引けたが、彼は先程の体調の悪そうな表情とは打って変わり、優しい笑みでこちらを見ていたので思わず心臓が一鳴りした。
「あ・・・わ、私は・・・
---名無し、です・・・」
これが私の運命の出会いだった。
何気ない出会い。
酔っ払いを助けただけの、些細な出来事。
私がこの「銀さん」に恋をする、そんなありきたりな出来事。
---すべての始まり
故郷から一人でこのかぶき町に出てきて、路頭に迷っている時に私は彼に出会ったのだ。
「あの・・・大丈夫ですか?」
「うっ・・・気持ちわりぃ・・・あー大丈夫だ気にすんな・・・」
彼は電柱に手をつき、うずくまりながらこちらを振り向かずにそう言った。
私は心配になり彼の顔を覗き込むと、明らかに顔色が悪く、冷や汗をかいている。
・・・そして妙に酒臭い。
「もしかして飲みすぎちゃったとかですかね・・・?」
「おー・・・久しぶりに調子乗って昼間っから酒かっこんだらこのザマだ・・・俺も良い年して酒に飲まれちまうとはなぁ・・・」
想像通り、彼は昼間からお酒を飲んでいたようで、ひどく体調が悪いようだ。
私は近くの自販機に駆け足で向かい、ペットボトルの水を2本ほど購入し彼の元へ戻り、彼に目線を合わせるようにしゃがみ込み、目の前に水を差し出した。
「良かったら飲んで下さい。冷たい水です。」
「っ!・・・あんた・・・」
「酔っ払った時は新鮮な空気を吸って、冷たい水をたくさん飲んだ方がいいですよ?」
そう私が言うと、彼はビックリしたように私の顔を見た。
私がそう小さく微笑むと、彼は数秒後水を受け取り一気に飲み干した。
「あー、ちっと生き返った気がするわー・・・サンキューな」
「いえいえ。困ってる人がいたら助けるのは当たり前です」
「もう俺はぜってぇ飲まねぇ・・・昼間っからツマミも無しに日本酒はダメだなアレ・・・」
そう言って彼はのそりと立ち上がる。
だがやはりまだ酔いが回っているせいか、足元がおぼつかない様子。
「あの、ほんと大丈夫ですか?すごいフラフラしてますけど・・・帰れますか?」
「多分大丈夫だ・・・家もすぐ近くだしな」
そんな今にも吐き出しそうな気だるそうな彼の声からして、大丈夫そうには全然見えない。
「心配なんで肩貸します。お家まで付き添いますよ」
「お嬢さんよ、この町じゃ見ねぇ顔だな・・・知らないおじさんには着いていっちゃいけないってお母さんに習わなかったのか?」
「着いて行こうも何も、体調の悪い人を放置する方が私的には心が痛むんですよ」
私は彼を支えるように横に立ち、お家はどちらですか?と聞くと、彼は「すまねぇな」と小さく呟き、家方面を指差す。
---まさか新しい町に踏み入れた直後に、こんな出会いがあるとは。
昼間から街中で酔っ払いに出会い?
水を買ってあげたり?
家に付き添いで連れて行ってあげたり?
こんな展開初めてだった。
彼は見た目は若そうに見えた。着物を着ていて、腰には木刀を指している。
20代くらいだろうか?
なのに髪は白髪頭で、それとは裏腹に身体付きは妙にガッシリしていた。
彼は私の肩に腕を回し、私はそれを支えるように少しずつ歩いていく。
「初めましての方にこんなこと言うのはアレですけど、酒は飲んでも飲まれるなって言うでしょう?もうこんなになるまで飲んじゃダメですよ?」
私ははぁっとため息をつきながら言うと彼は、そうだなそうする・・・とうなだれながら言う。
まるで世話の焼ける大型犬のようだ。
「お嬢さん、すまねぇな水まで買ってもらっちゃってよ、しかもいい年した男が女に手ぇ貸されながらこんなザマとは・・・」
「大丈夫ですよ、気にしないで下さい。私今日この町に来たばかりで、まだ何も予定もなくて暇だったんで」
「・・・・・・そうか、なら良かったんだけどよ・・・あーココだよ俺んち」
彼は見上げて目の前の古い二階建ての建物を指差す。
一階はどうやらスナックらしく、日中だからかまだ営業はしていないようだ。
二階は・・・
「ばん・・・ばんじ・・・や?」
「よろずや、だ。万事屋銀ちゃん」
私は首を傾げていると、彼は私の肩から離れ、階段を一人で登って行こうとするが、やはりまだフラついている。
足元気をつけて下さいねと私は言い、フラフラな彼の後ろについていく。
「あー帰ってきたぜマイスィートホーム」
「あ、あのっ、ここが家なんですか?お店みたいですけど」
「そーそー、ここが俺んち。」
「万事屋銀ちゃんって書いてありますけど・・・そういえば、あなたの名前って・・・」
ここまでして、彼の名前を知らないことに気づいた私。
万事屋ってなんだろう?
銀ちゃんって誰だろう?
もしかして・・・
「そういや名乗ってなかったな、俺は坂田銀時。この万事屋---何でも屋を営んでる社長だ」
「っ!?・・・しゃ、社長?」
「社長というかオーナー?マスター?まぁ何でもいいけどよ。本当に今日は助かった。ありがとさんよ」
彼は玄関をガラッと開けて家に入ろうとしたが、ふと思い出したようにぴたっと止まり振り返る。
「そういやアンタ、名前は?」
「っ!」
そうだ、私も名乗っていなかった。
素性の知らない社長?に名乗るのは気が引けたが、彼は先程の体調の悪そうな表情とは打って変わり、優しい笑みでこちらを見ていたので思わず心臓が一鳴りした。
「あ・・・わ、私は・・・
---名無し、です・・・」
これが私の運命の出会いだった。
何気ない出会い。
酔っ払いを助けただけの、些細な出来事。
私がこの「銀さん」に恋をする、そんなありきたりな出来事。
---すべての始まり
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