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かの有名な西の夢の国。
アルファベット3文字で略されるその遊園地では、魔法界を体験することができる。
悲しいことに私は一般マグル。
オリバンダーのお店(を模したお店)で子供真っ青なキラキラした瞳で無言の圧力で杖をねだり、選んでもらった杖を握りしめて大興奮。
だって凄く憧れてたんだもん。
すっごく憧れてた。
どれくらいかと言うと、入学許可証を自作するくらい。
残念なことに私がこの世界線に出会った頃、親に本の虫と笑われるくらいの活字中毒だった。いや、それ自体は残念ではなかったけれど、ファンタジーというものに耐性があったのだ。
そのせいで満11歳よりも前にこの世界を知りながら、入学許可証が届くかどうかワクワクして待つような事が出来なかったのだ。ファンタジーに慣れ過ぎてて面白いと思い物語には没頭しても、現実にファンタジー脳を持ってきていなかった。
良くも悪くも、現実とフィクションをキチンと区別していた証拠とも言える。
今考えるととても勿体ない。
しかしその後、遊園地にアトラクションが出来たと言うではないか。
行きたい。
何とは言わないけれど、いくつかある杖の中から自分の運命の杖を選んでもらい、学生用の寮のローブを翻し、世界観にどっぷり浸かりたい。バッチリ言ってしまった。
とにかくどうしても、どうしてもその世界観の遊園地に行きたいが、1人では寂しい。
そこで私は入学許可証を自作し、友達を誘ったのであった。
「入学許可証が届いたし魔法界行かん?」
「は?」
入学許可証はもちろん私のアレンジで、簡単に言えば旅のしおりであったけれど、面白がった友人は着いて来てくれたのである。
この子ハリポタなんて映画の賢者の石からアズカバンまでしか見てないのに……私に甘いな。こらそこ、私のため、とか言ってマフラーを買うんじゃない!!
私がローブを着たいとダダを捏ねた為に冬に来たが、緑と黄色のローブとマフラーが、互いに良く似合っていた。
きゃあきゃあとはしゃぎながら、杖を振った、その時である。
私の持っていた杖の先が強く光を発し、思わず強く目を閉じた。
光が弱まる気配を感じてゆっくりと目を開くと、そこは汽車の個室の中で、向かいの席にはぽかんと目と口を開いた友人が呆然と座っていた。
ここから始まるハリポタエアプの友人と、世界観にハマっただけでもう原作とか流れしか分からんみたいな日本人主人公が、のんびり魔法界ライフを送るだけ……って言うの書きたい。
多分2人ともぱふぱふ。
元が完全にマグルだから、動く階段にも「おーすげぇどういう原理? よく見たらめっちゃ浮いてるじゃんウケる」。動く肖像画、写真見ては「動いてるんだが。めっちゃ手を振り返してくるのだが?」。
授業受けるにしても、自分の魔法に驚くわ原理を詳しく調べるわで先生すら手を焼くレベル。
悪意への警戒心が2人とも異様に低く、主人公が絵画に騙されて行方不明になりかけてからはピーブスですら2人には親切。
悪戯で水ぶっかけられてずぶ濡れ、しかし廊下での魔法の使用は禁止。じゃあ一旦寮に戻って着替えてくるか、と廊下をビシャビシャにしてフィルチにぶちギレられる。理不尽なんだが??
とかやりたい。
めちゃくちゃ魔法に強い主人公とめっちゃ座学に強い友人。
足して2で割るとちょうど良さそう。
何してても「わー!! すげぇー!!」だから周りは自慢げ。
この2人は多分、何年経っても動く階段に引っかかって落ちそうになると思うし、1段だけ空いてる段差に落ちそうになるし、ゴーストにも絵画にも丁寧に挨拶する。
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