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一章



「順ちゃん!おい、起きろよ」

 間宮がはっと目を開けると、目の前には柚木がいた。間宮より三つだけ歳上の、正真正銘の柚木である。
 視線を移すと、ヘリオスはテーブルの上に大人しく置かれている。

「こんなふうに寝たら風邪ひくよ」

 自分はそうやって寝ていたくせに、柚木は偉そうに間宮のことを起こしたのだった。

 間宮がまどろみのうちで今夜見た夢、あるいは奇妙な事実のことは、柚木には話せそうもなかった。
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