プロローグ(過去編)
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突然反応しなくなった私を訝しげに見てくる陛下に、生憎反応する余裕はない。
「ななねん、まえ………?」
「七年前だと?」
私が呆然と呟いた言葉に、素早く反応したのは一番近くにいた陛下だ。俊哉の様子に関しては私の後ろにいるからわからないが、恐らく思っていることは私と同じだ。
ただでさえ現実世界からゲームの世界にトリップしてきて混乱しているのに、ゲームの舞台の年よりも更に七年も前だなんて。
「………そういえばフリングスさんも少将じゃなくて少佐だったよね………」
「え?ええ………」
「………訳ありのようだな。アスラン、ここではなんだからこいつらをお前の屋敷に」
「わかりました」
私達を他所に陛下とフリングス将軍は何かを決めたらしく、頷き合ったあと私と俊哉を促した。はっとして周囲を見渡すと、いつの間にか扉の前まで移動していた陛下が手招いている。慌てて着いていくが、ふと俊哉が気になって振り向くと、何故かフリングス将軍に腕を掴まれていた。
「何で俊哉だけ………?」
「お前は女性だ。筋肉の付き方も、軍人のそれとは全く違う。それに関してはそっちの奴も一緒だが、男だから念の為にな」
すぐ後ろから聞こえてきた声に思わずビクついてそちらを向けば、背後に陛下が移動していた。硬直した私に再度促した陛下は、今度こそ扉を開けて歩き出した。
逃げる気など起きる筈もなく、私は陛下の背を追いかけた。