番外編
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外殻大地を安全に降下させる為、世界中を奔走しながらも本職である軍務を怠ることなどできず。陛下への報告がてら溜まったであろう書類を捌く為にグランコクマに帰還した。
「じゃあ私達は陛下に挨拶してくるから」
「え、俺達も行くぞ?会うのは久々だし、これまでの成果とかだったら俺達もいた方がいいし」
「………それもそっか。じゃあ行こう」
本来ならグランコクマに寄ったからといって陛下に必ず挨拶をしなければならないということはない。
しかし私と俊哉は陛下の私兵だし、ルーク達に着いていくのは陛下からの任務と周りには言ってある。グランコクマに寄ったのに挨拶せず素通りしたのがバレたら、子煩悩が抜けきらない陛下はまず拗ねるだろう。
解散せずそのまま同行することになったルーク達(ジェイドも何故か来た)を引き連れ、宮殿に一歩踏み込んだ瞬間。
ざわり
周囲にいたメイドや兵、文官等が全員こちらを振り向いたのがわかった。
「な、なんだ………?」
「さ、さぁ………」
今まで幾度となく宮殿に足を運び、報告したり任務の有無を確認したり、とにかく軍服でここに来ることはそこまで珍しくない筈だ。
「と、とにかく陛下のところに「瑠璃様!俊哉様!」へ?」
固まった俊哉とルーク達を催促しようとした瞬間、陛下の私室の方から誰かの声が聞こえた。そちらを振り向くと、丁度出てきたらしいメイドが三人佇んでいた。三者三様の驚き方ではあるが、三人とも何故か驚きながらも安堵しているようだった。
「カーラ、アメラ、ウェラ。何か用?」
「(え、それあの三人の名前?)」
「(ああ、戦争孤児だった三人を一纏めにして姉妹にして引き取った軍人が付けた名前。名前がウォーリラだったから、親子だってことを対外的にさせたかったからこの名前にしたって聞いた)」
「(まあ、ではあの三人は………)」
「(三人とも血の繋がりはない。けど、血の繋がりを越えた絆があるからな。あいつらは基本いつも一緒だ。たまに一人でいるところを見かけるくらいだな)」
こっそこっそ後ろで話しているのを無視し、三人に歩み寄る。その間に三人は驚きのショックから立ち直り、私に頭を下げた。
「お帰りなさいませ、瑠璃様」
「うん、ただいま。陛下はどちらに?」
「私室に戻られたばかりでございます。伺うのでしたら、陛下はそちらでお聞きになると思います」
「ありがとう」
仕事の邪魔をしてしまったのを詫びると、何故かいい笑顔で再び頭を下げられてしまった。慌てて上げさせて仕事に戻るように言えば、頷いた三人は足早に何処かに消えた。メイドと言えど迅速に動かなければならないから、動きだけで言えば軍人に近い。
真面目な三人に感心しつつ後ろでまだこそこそしていたみんなを促すと、慌てて駆け寄ってきたので少し笑ってしまった。
「陛下は私室にいらっしゃるそうだ。丁度いいからお茶会にしてしまおう」
どうせさっきの三人が用意しているだろうしね。嬉々として。
微笑んで半分決定しているそれを知らせてやれば、ルークがちょっと硬直した。まだ苦手なのか。そんなルークに苦笑して、陛下の私室に続く扉を開けた。