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翌日。やっぱり日々の心配は消えないけど、私は静かに深呼吸して、彼の事務所へ向かった。これからは土日も予定が入るから、すごくすごく助かる。
「おはようございます」
ドアを開けると、三ツ谷さんはデスクに突っ伏して寝ていた。わぁ! 徹夜だったんだな、これは。彼は本当に、めちゃくちゃ気持ち良さそうに眠っている。
彼の寝顔をまじまじと見ていると、私は胸がドキドキしてきた。だってやっぱり、彼はすごくカッコいい。色白で、睫毛も長く、顔立ちも整っている。
私は彼を起こさないよう、静かに行動を開始した。まずは部屋を掃除しよう!
30分ほどして整頓が済んだころ、彼が突然飛び起きた。
「えっ?! ここ、何処だ!?」
彼は明らかに寝ぼけている。
「三ツ谷さん、おはようございます。ちょっと片付けてみたんです。あ、今すぐ必要そうな書類はこっちにまとめてあります」
彼は今日は、ちょっと目の下のくまがマシだ。
「……あ、あぁ、有難う。なんか急に綺麗になってたから、まだ夢の中にいるのかと思ったよ」
私はあははと笑った。
それから三ツ谷さんは、すぐに私が担当する仕事を説明してくれた。私が採用された理由は、月末に開催されるショーの準備が、完全に滞っているかららしい。なんでもアシスタントの女性が妊娠し、悪阻で入院してしまったのだという。
「うちは彼女中心でやってたから、急にまわらなくなっちまってさ。けど妊娠はおめでたいことだし、彼女のためにもなんとかするしかねぇから」
三ツ谷さんは苦笑いしている。でも意気消沈はしていない。彼女の妊娠を心から喜んで、この状況も楽観的にとらえているようだ。やっぱり彼はいい人だと思った。
「そのショーというのは、こちらが主催なんですか?」
「そう。だから余計やることが増えちまって。衣装の方も、まだあとメインが残ってるし」
「そうなんですね! 分かりました。私、なんでもやりますよ。衣装関係のお手伝いも、交渉も会場の打ち合わせもやりますし、買い出しも」
「有難う、苗字さん。じゃあ早速、この衣装のチェック手伝ってくれないか?」
「はい!」
それからは大忙しだった。平日に終わらない仕事を、2人だけでやるしかない。でも私と彼は馬が合い、業務はサクサクと進んだ。
お昼ごろになって、突然事務所のドアが勢いよく開いた。
「よぉ、三ツ谷ー!」
見ると、なんだかちょっと、三白眼でいかつい表情の男性だ。胸元につけたアクセサリーも、少しギラついて見える。
「悪いな、うちのが入院しちまったから。お前仕事、めちゃくちゃ大変なんだろ?」
三ツ谷さんは笑顔で答えた。
「いや、ほんとに良かったじゃねぇか。おめでとう、ペーやん。仕事のことは一切心配すんなって、安田さんに伝えといて。あ、今は林さんか」
「ところでよー! 三ツ谷! なんか納期ミスったくせに、値段下げねぇとかぬかす取引先がいんだろ?! そいつ今からオレがシメてやっから、住所教えろや!!」
ええっ?! 私はそれを聞くとギョッとしてしまった。こ、怖い。めちゃくちゃ怖い! この人は一体、何者なんだろう?
「オイオイ。もう社会人なんだから、そういうのはやめろよ。お前は結婚もしてるし。それにその件は、この苗字さんがうまくやってくれたから。もう解決済み」
三ツ谷さんは私の肩をポンと叩いて笑った。
「あぁ?!マジかよ!?お前が?!」
彼に思い切り睨まれて、私は内心たじろいだ。彼は声も大きいし、本当に怖い。でもなんとなく分かってきた。きっと彼は、三ツ谷くんの暴走族時代の仲間なんだろう。正直彼とは、正反対のタイプに見えるけど……
「……は、はい。こちらで今月の休日だけ雇ってもらいました、苗字名前と申します」
その人は私をじっと睨み付けると、これやる!!と言って乱暴にビニール袋を手渡し、そのまま帰っていった。
袋の中にはお弁当や菓子パン、スナック菓子、ジュースなどがたくさん入っている。
「差し入れを持ってきて下さったんですね」
「ごめんな苗字さん。あいつ、オレの昔からのダチでさ。あれでもいい奴だから」
「あはは。はい。大丈夫です」
三ツ谷さんの旧友なら、きっとそうに違いない。
その後はその差し入れを昼食にいただいて、また仕事を再開した。
「おはようございます」
ドアを開けると、三ツ谷さんはデスクに突っ伏して寝ていた。わぁ! 徹夜だったんだな、これは。彼は本当に、めちゃくちゃ気持ち良さそうに眠っている。
彼の寝顔をまじまじと見ていると、私は胸がドキドキしてきた。だってやっぱり、彼はすごくカッコいい。色白で、睫毛も長く、顔立ちも整っている。
私は彼を起こさないよう、静かに行動を開始した。まずは部屋を掃除しよう!
30分ほどして整頓が済んだころ、彼が突然飛び起きた。
「えっ?! ここ、何処だ!?」
彼は明らかに寝ぼけている。
「三ツ谷さん、おはようございます。ちょっと片付けてみたんです。あ、今すぐ必要そうな書類はこっちにまとめてあります」
彼は今日は、ちょっと目の下のくまがマシだ。
「……あ、あぁ、有難う。なんか急に綺麗になってたから、まだ夢の中にいるのかと思ったよ」
私はあははと笑った。
それから三ツ谷さんは、すぐに私が担当する仕事を説明してくれた。私が採用された理由は、月末に開催されるショーの準備が、完全に滞っているかららしい。なんでもアシスタントの女性が妊娠し、悪阻で入院してしまったのだという。
「うちは彼女中心でやってたから、急にまわらなくなっちまってさ。けど妊娠はおめでたいことだし、彼女のためにもなんとかするしかねぇから」
三ツ谷さんは苦笑いしている。でも意気消沈はしていない。彼女の妊娠を心から喜んで、この状況も楽観的にとらえているようだ。やっぱり彼はいい人だと思った。
「そのショーというのは、こちらが主催なんですか?」
「そう。だから余計やることが増えちまって。衣装の方も、まだあとメインが残ってるし」
「そうなんですね! 分かりました。私、なんでもやりますよ。衣装関係のお手伝いも、交渉も会場の打ち合わせもやりますし、買い出しも」
「有難う、苗字さん。じゃあ早速、この衣装のチェック手伝ってくれないか?」
「はい!」
それからは大忙しだった。平日に終わらない仕事を、2人だけでやるしかない。でも私と彼は馬が合い、業務はサクサクと進んだ。
お昼ごろになって、突然事務所のドアが勢いよく開いた。
「よぉ、三ツ谷ー!」
見ると、なんだかちょっと、三白眼でいかつい表情の男性だ。胸元につけたアクセサリーも、少しギラついて見える。
「悪いな、うちのが入院しちまったから。お前仕事、めちゃくちゃ大変なんだろ?」
三ツ谷さんは笑顔で答えた。
「いや、ほんとに良かったじゃねぇか。おめでとう、ペーやん。仕事のことは一切心配すんなって、安田さんに伝えといて。あ、今は林さんか」
「ところでよー! 三ツ谷! なんか納期ミスったくせに、値段下げねぇとかぬかす取引先がいんだろ?! そいつ今からオレがシメてやっから、住所教えろや!!」
ええっ?! 私はそれを聞くとギョッとしてしまった。こ、怖い。めちゃくちゃ怖い! この人は一体、何者なんだろう?
「オイオイ。もう社会人なんだから、そういうのはやめろよ。お前は結婚もしてるし。それにその件は、この苗字さんがうまくやってくれたから。もう解決済み」
三ツ谷さんは私の肩をポンと叩いて笑った。
「あぁ?!マジかよ!?お前が?!」
彼に思い切り睨まれて、私は内心たじろいだ。彼は声も大きいし、本当に怖い。でもなんとなく分かってきた。きっと彼は、三ツ谷くんの暴走族時代の仲間なんだろう。正直彼とは、正反対のタイプに見えるけど……
「……は、はい。こちらで今月の休日だけ雇ってもらいました、苗字名前と申します」
その人は私をじっと睨み付けると、これやる!!と言って乱暴にビニール袋を手渡し、そのまま帰っていった。
袋の中にはお弁当や菓子パン、スナック菓子、ジュースなどがたくさん入っている。
「差し入れを持ってきて下さったんですね」
「ごめんな苗字さん。あいつ、オレの昔からのダチでさ。あれでもいい奴だから」
「あはは。はい。大丈夫です」
三ツ谷さんの旧友なら、きっとそうに違いない。
その後はその差し入れを昼食にいただいて、また仕事を再開した。