Story.3 confess my secret
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けれども彼の事務所へ着いてから気付いた。これはもう、ほんとにドキドキだ! だって朝まで彼と2人きりなのだ。緊張しないワケがない。
私が固まっているのに気付いたのか、三ツ谷さんもちょっとだけ落ち着かないようだ。
「……あー、実はオレさ、ここによく泊まってくから、この隣に仮眠室とシャワー室を作っててさ。苗字さんはそっちで寝てくれよ。オレはこっちの応接ソファで寝るから」
「……あ、有難うございます……」
なんかほんとに、2人きりなことに緊張してきた。一緒に仕事で2人きりなのと、今のこの状況は全く違うからだ。
それでも夕飯に持ち込んだお弁当を食べていたら、段々ドキドキもマシになった。
「じゃあそろそろ、稀咲が言ってた方法で犯人を探してみるか」
三ツ谷さんは紙とペンを持ってきた。
「最近オマエがフッた相手だけど、3人だったっけ? 名前書き出してみてくれるか?」
はい、と言って書き出す。あ、もう一度思い返したら4人だった。
「……さすがオマエ、すごいな。こんなに告られたのか? これ皆んな職場の人?」
「いえ、全然です。職場の人もいるんですが、取引先の人もいます」
何故か三ツ谷さんは苦笑いしている。
「ほかにオマエのこと好きそうな奴の心当たりは? オマエならいっぱいいんだろ」
「……それは、全く見当もつきません」
彼はやっぱりちょっと顔を引きつらせている。
「そう。じゃあ、昨日のショーに来てたお客さんの名簿と照らし合わせてみる。昨日は招待制だったから、基本的に会場にいた人は全員分かるよ」
一緒にリストを確認してみたけど、該当する人はいなかった。三ツ谷さんは次に、会場にいたスタッフや業者の人たちの名簿も持ってきてくれ、確認していく。でもやっぱり見つからなかった。
「この中にはいないんでしょうか……」
「あとはさっき稀咲が、オマエのお母さんが入院してた病院に関係する人も、可能性あるって言ってたな」
私はそのときハッとした。そうか、病院……たしかに視線を感じたり、写真を入れられるようになったのは、母が亡くなってからだ。それ以前の私は母につきっきりだったから、毎日のように病院へ行っていた。そこで出会っていた人が犯人になる可能性はある。
そして私は、その中から1人だけ、可能性がありそうな人を見つけた。私がフッた人ではなく、昨日ショーに来ていて、病院でも会ったことのある人の中から、共通する名前を見つけたからだ。
「……この人なんですけど、私が病院に通っていたとき、よく駅まで送ってもらった、病院のマイクロバスの運転士さんなんです。いつも運転席の横に設置された名前のプレートを見ていたから、覚えていました。この人も、昨日あの会場に来てたんでしょうか?」
「この人はモデルを送迎した業者だな。ショーの間は多分待機になってたから、会場に居たかも。こいつ、オマエのストーカーになりそうか?」
「……物静かそうな雰囲気に見えましたが、この人、結構私に話しかけてくれたんです。母の病状のこととかも気にかけてくれて。いつも他に乗客はほぼ居ませんでしたし、バスも小さかったですから、よく話していました。いい人そうに見えたんですが……」
「そうか。じゃあこいつの可能性もあるかもな」
三ツ谷さんは嬉しそうに笑って、拳を握り合わせている。あ、これってもしかして、準備運動してる? や、やっぱり三ツ谷さんも、なかなかやんちゃなんだ……さすがは元暴走族……でもすごく心強い。
けれどもそのとき、私はあることを思い出した。
「……あ、そういえばこの人も、ちょっと珍しいことを言っていたんです。自分は昔、全国制覇した有名なチームと、互角に張り合っていた暴走族にいたって。チーム名は忘れてしまったのですが」
それを聞くと三ツ谷さんは眉間に皺を寄せ、一気に表情が険しくなった。
「ソイツって、年代はオレらと同じくらいか?」
「はい。確か私と同い年だと言っていました。」
「……そっか。ならその全国制覇したチームってのは、オレ達"東卍"のことだな。なぁ苗字さん、オマエに万が一のことがあったらいけねぇから、しばらくこの件はオレに任せてくれるか?」
「はい。勿論です」
私が固まっているのに気付いたのか、三ツ谷さんもちょっとだけ落ち着かないようだ。
「……あー、実はオレさ、ここによく泊まってくから、この隣に仮眠室とシャワー室を作っててさ。苗字さんはそっちで寝てくれよ。オレはこっちの応接ソファで寝るから」
「……あ、有難うございます……」
なんかほんとに、2人きりなことに緊張してきた。一緒に仕事で2人きりなのと、今のこの状況は全く違うからだ。
それでも夕飯に持ち込んだお弁当を食べていたら、段々ドキドキもマシになった。
「じゃあそろそろ、稀咲が言ってた方法で犯人を探してみるか」
三ツ谷さんは紙とペンを持ってきた。
「最近オマエがフッた相手だけど、3人だったっけ? 名前書き出してみてくれるか?」
はい、と言って書き出す。あ、もう一度思い返したら4人だった。
「……さすがオマエ、すごいな。こんなに告られたのか? これ皆んな職場の人?」
「いえ、全然です。職場の人もいるんですが、取引先の人もいます」
何故か三ツ谷さんは苦笑いしている。
「ほかにオマエのこと好きそうな奴の心当たりは? オマエならいっぱいいんだろ」
「……それは、全く見当もつきません」
彼はやっぱりちょっと顔を引きつらせている。
「そう。じゃあ、昨日のショーに来てたお客さんの名簿と照らし合わせてみる。昨日は招待制だったから、基本的に会場にいた人は全員分かるよ」
一緒にリストを確認してみたけど、該当する人はいなかった。三ツ谷さんは次に、会場にいたスタッフや業者の人たちの名簿も持ってきてくれ、確認していく。でもやっぱり見つからなかった。
「この中にはいないんでしょうか……」
「あとはさっき稀咲が、オマエのお母さんが入院してた病院に関係する人も、可能性あるって言ってたな」
私はそのときハッとした。そうか、病院……たしかに視線を感じたり、写真を入れられるようになったのは、母が亡くなってからだ。それ以前の私は母につきっきりだったから、毎日のように病院へ行っていた。そこで出会っていた人が犯人になる可能性はある。
そして私は、その中から1人だけ、可能性がありそうな人を見つけた。私がフッた人ではなく、昨日ショーに来ていて、病院でも会ったことのある人の中から、共通する名前を見つけたからだ。
「……この人なんですけど、私が病院に通っていたとき、よく駅まで送ってもらった、病院のマイクロバスの運転士さんなんです。いつも運転席の横に設置された名前のプレートを見ていたから、覚えていました。この人も、昨日あの会場に来てたんでしょうか?」
「この人はモデルを送迎した業者だな。ショーの間は多分待機になってたから、会場に居たかも。こいつ、オマエのストーカーになりそうか?」
「……物静かそうな雰囲気に見えましたが、この人、結構私に話しかけてくれたんです。母の病状のこととかも気にかけてくれて。いつも他に乗客はほぼ居ませんでしたし、バスも小さかったですから、よく話していました。いい人そうに見えたんですが……」
「そうか。じゃあこいつの可能性もあるかもな」
三ツ谷さんは嬉しそうに笑って、拳を握り合わせている。あ、これってもしかして、準備運動してる? や、やっぱり三ツ谷さんも、なかなかやんちゃなんだ……さすがは元暴走族……でもすごく心強い。
けれどもそのとき、私はあることを思い出した。
「……あ、そういえばこの人も、ちょっと珍しいことを言っていたんです。自分は昔、全国制覇した有名なチームと、互角に張り合っていた暴走族にいたって。チーム名は忘れてしまったのですが」
それを聞くと三ツ谷さんは眉間に皺を寄せ、一気に表情が険しくなった。
「ソイツって、年代はオレらと同じくらいか?」
「はい。確か私と同い年だと言っていました。」
「……そっか。ならその全国制覇したチームってのは、オレ達"東卍"のことだな。なぁ苗字さん、オマエに万が一のことがあったらいけねぇから、しばらくこの件はオレに任せてくれるか?」
「はい。勿論です」