His faults
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「じゃあオレは、イザナ達と打ち合わせ行ってくる。今日は稀咲達の会社にも顔出すし、そのあと飲みに行くから、多分帰りは深夜。悪りぃけど、先に寝ててくれ。じゃあな」
シーツにくるまりながら、私はもうドキドキして死にそうになっていた。だって彼がすごい。本当にすごい!!
前は私のことは数えるほどしか抱いてくれなくて、しかもめちゃくちゃ淡白だった。それなのに今日は物凄く優しくて、甘い言葉もいっぱいくれて、もう完全に別人だ。
もしかして、獅音……生まれ変わっちゃったのかな?!
それから私は彼と暮らしながら、彼の色々なことが分かった。彼はいま、イザナ君達とNPO法人の仕事をしていて、世界中の孤児のための活動をしているらしい。ど、どうしよう……ほんとのほんとに、生まれ変わった! あの獅音が!!
今はちゃんとスーツを着て出社するし、寄附をしてくれる企業を探すために、文字通り奔走している。
それにビックリするほど優しくて、沢山私を抱いてくれるし、大切にしてくれるし、本当に本当に、完全に別人だ!!
今も私は彼と夜のデートをしている。夕飯を食べたあと、マンションに帰るところだ。
「ねぇ獅音。なんで今は、私のこといっぱい抱いてくれるの?」
獅音は不思議そうな顔をした。
「は? オレ、オマエと付き合ってからずっといつも抱いてるじゃん」
「えっ。ウソでしょ。10代のころに付き合ってたときは、数えるほどしかしなかったじゃない。獅音はいつも浮気してたでしょ? スタイルのいい人と。私の身体は物足りない、タイプじゃないって言ってたじゃない」
「……ま、まぁ、そんな事もあったかもな………」
「獅音とまた付き合い始めたら別人になってるから、私もう、ビックリしてるのよ」
すると彼は苦笑いしている。
「……また付き合い始めたら? なぁ、オマエ、頭おかしくなったのか? ちょっとオレとのこれまでを話してみろよ」
私はそれから彼に、私たちの歴史を話した。一度付き合ったけど、別れたこと。その間獅音は不良の世界を渡り歩いていて、2度逮捕されたこと。ずっと会ってなかったこと。
それを聞くと獅音はげんなりした顔になった。
「はぁ〜?!ナニ言ってんだよオマエ!オレは"黒龍"と"天竺"と"東卍"以外のチームにいたことはねぇぞ!年少行ったのも一度だけ!それからオレ達は一度も別れてねぇだろが!!マジで頭おかしくなったのかよ!!」
「えぇーっ?! 獅音こそ何言ってるのよ……」
って、あ、アレ? でもそこで私もハッとした。だってたしかにその通りだ。獅音とはずっと付き合っていて、1度も別れたことはない。彼が逮捕されたのは一度だし、彼が所属していたのは黒龍と天竺と東卍だけだ。
「え、えっと……アレ? ごめん…… 私、記憶が混乱してて……」
獅音は今度は大声で笑い出した。大袈裟にお腹を抱えている。
「とうとうオマエまで『あの夢』を見たのかよ! やっぱ『あの夢』、オレ達に関係してる奴はみんな見るんだな!」
「夢?」
「そう。いまオマエが言ったのは、実はオレも、イザナ達も見たことがある夢だ。散々だったろ? オレ達」
「うん……」
獅音は楽しそうに私を見ると、私を優しく抱きしめた。
「ごめん。'あっちのオレ'は、オマエのことちゃんと好きだったけど、大事に出来なかったんだ。オレとの関係が深まれば深まるほど、オマエのこと不幸にしそうな気がしたから。だから遠ざけてたんだよ」
私はあたたかい涙が溢れてきた。
「……そうだったんだね」
「うん。けどオレ達、やり直せた。これからはオマエのこと、ちゃんと幸せにするから」
あぁ、ほんとに彼は別人だ。すごすぎる!! 人生って、何が起こるかわからないんだなぁ。
私は彼の身体を思い切り抱きしめた。私たちの物語は、ここから新しくはじまるんだね。
……ところがそのとき、幸せな気持ちだったのに、獅音の上ポケットから何かが落ちた。一体なんだろう? 拾い上げると、雑誌の切り抜きを折り畳んだものだ。開くと、めちゃくちゃスタイルのいいモデルさんのグラビアだった。
「……獅音ってやっぱり、こういう女の人が好きなんだね」
獅音は青い顔をして、顔を引きつらせている。その焦った顔を見ていたら、私は思わず吹き出してしまった。やっぱり彼は、完璧な彼氏には程遠い。でも私はそんな獅音が好きだ。心からそう思った。
‥ おしまい ‥
His faults
執筆期間2023.1.19-2023.1.19
管理人 りぃ
シーツにくるまりながら、私はもうドキドキして死にそうになっていた。だって彼がすごい。本当にすごい!!
前は私のことは数えるほどしか抱いてくれなくて、しかもめちゃくちゃ淡白だった。それなのに今日は物凄く優しくて、甘い言葉もいっぱいくれて、もう完全に別人だ。
もしかして、獅音……生まれ変わっちゃったのかな?!
それから私は彼と暮らしながら、彼の色々なことが分かった。彼はいま、イザナ君達とNPO法人の仕事をしていて、世界中の孤児のための活動をしているらしい。ど、どうしよう……ほんとのほんとに、生まれ変わった! あの獅音が!!
今はちゃんとスーツを着て出社するし、寄附をしてくれる企業を探すために、文字通り奔走している。
それにビックリするほど優しくて、沢山私を抱いてくれるし、大切にしてくれるし、本当に本当に、完全に別人だ!!
今も私は彼と夜のデートをしている。夕飯を食べたあと、マンションに帰るところだ。
「ねぇ獅音。なんで今は、私のこといっぱい抱いてくれるの?」
獅音は不思議そうな顔をした。
「は? オレ、オマエと付き合ってからずっといつも抱いてるじゃん」
「えっ。ウソでしょ。10代のころに付き合ってたときは、数えるほどしかしなかったじゃない。獅音はいつも浮気してたでしょ? スタイルのいい人と。私の身体は物足りない、タイプじゃないって言ってたじゃない」
「……ま、まぁ、そんな事もあったかもな………」
「獅音とまた付き合い始めたら別人になってるから、私もう、ビックリしてるのよ」
すると彼は苦笑いしている。
「……また付き合い始めたら? なぁ、オマエ、頭おかしくなったのか? ちょっとオレとのこれまでを話してみろよ」
私はそれから彼に、私たちの歴史を話した。一度付き合ったけど、別れたこと。その間獅音は不良の世界を渡り歩いていて、2度逮捕されたこと。ずっと会ってなかったこと。
それを聞くと獅音はげんなりした顔になった。
「はぁ〜?!ナニ言ってんだよオマエ!オレは"黒龍"と"天竺"と"東卍"以外のチームにいたことはねぇぞ!年少行ったのも一度だけ!それからオレ達は一度も別れてねぇだろが!!マジで頭おかしくなったのかよ!!」
「えぇーっ?! 獅音こそ何言ってるのよ……」
って、あ、アレ? でもそこで私もハッとした。だってたしかにその通りだ。獅音とはずっと付き合っていて、1度も別れたことはない。彼が逮捕されたのは一度だし、彼が所属していたのは黒龍と天竺と東卍だけだ。
「え、えっと……アレ? ごめん…… 私、記憶が混乱してて……」
獅音は今度は大声で笑い出した。大袈裟にお腹を抱えている。
「とうとうオマエまで『あの夢』を見たのかよ! やっぱ『あの夢』、オレ達に関係してる奴はみんな見るんだな!」
「夢?」
「そう。いまオマエが言ったのは、実はオレも、イザナ達も見たことがある夢だ。散々だったろ? オレ達」
「うん……」
獅音は楽しそうに私を見ると、私を優しく抱きしめた。
「ごめん。'あっちのオレ'は、オマエのことちゃんと好きだったけど、大事に出来なかったんだ。オレとの関係が深まれば深まるほど、オマエのこと不幸にしそうな気がしたから。だから遠ざけてたんだよ」
私はあたたかい涙が溢れてきた。
「……そうだったんだね」
「うん。けどオレ達、やり直せた。これからはオマエのこと、ちゃんと幸せにするから」
あぁ、ほんとに彼は別人だ。すごすぎる!! 人生って、何が起こるかわからないんだなぁ。
私は彼の身体を思い切り抱きしめた。私たちの物語は、ここから新しくはじまるんだね。
……ところがそのとき、幸せな気持ちだったのに、獅音の上ポケットから何かが落ちた。一体なんだろう? 拾い上げると、雑誌の切り抜きを折り畳んだものだ。開くと、めちゃくちゃスタイルのいいモデルさんのグラビアだった。
「……獅音ってやっぱり、こういう女の人が好きなんだね」
獅音は青い顔をして、顔を引きつらせている。その焦った顔を見ていたら、私は思わず吹き出してしまった。やっぱり彼は、完璧な彼氏には程遠い。でも私はそんな獅音が好きだ。心からそう思った。
‥ おしまい ‥
His faults
執筆期間2023.1.19-2023.1.19
管理人 りぃ