Mr. Perfect(灰谷竜胆/長編夢)
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翌日は月曜だった。あぁ、ここからはとうとう、本格的な家出の始まりだ。当分は学校もサボってやる! と意気込んでたけど、いざその時になると不安になる。今から支度して、大急ぎで家に戻れば登校できる、なんて考えてる。
リビングに行くとやっぱり彼は起きていた。今日はお酒は飲んでないみたいだ。
「灰谷君、おはよう……」
「オマエ元気ないじゃん。やっぱ家に帰りたくなったか?」
彼は優しげな声で尋ねた。
「ううん、全然……」
「オマエが帰りたいなら、すぐに送ってってやる。ついでに学校まで送り届けてやるけど、どうだ?」
う、うわぁ……それは物凄く、心が揺れる……でも当分は帰らないって決めたから!
「そう言ってくれるのは有難いけど、まだまだ帰らない! 私も本気だって、親に認めさせなきゃ!」
灰谷君はやっぱり楽しそうだ。眼鏡の奥の瞳がちょっと輝いて見える。
「そう。じゃあマジで不良になるのでいいんだな?」
「うん!」
「ところでオマエ、やっぱそれ似合ってるな。胸もパンツも丸見えだけど」
「えぇっ?!」
わ、忘れてた!! 完全に忘れてたから油断してた!!
「オマエの服、もう乾いてるから洗濯機見てこいよ」
「う、うん……」
服を着替えて戻ると、灰谷君はお皿を2枚並べていた。手作りのフレンチトーストだ。すごい! めちゃくちゃ美味しそう。
なんか彼って、不良だけど不良じゃない。こういう人を、なんて言うんだっけ? そう、あれだ、あれ………と、あるワードが思い浮かびそうになったとき、彼がじゃあ食べよう、と言ったので、私は考えるのをやめ、いただきます、をしていただいた。
「すっごい!めちゃくちゃ美味しい!灰谷君はマジですごい!!」
彼はやっぱり楽しそうに笑った。
その後、片付けは私がやらせてもらい、リビングに戻ると、時刻はもう9時だった。あぁ、今さらまたドキドキしてきた。マジで私、今日サボっちゃうんだなぁ。そんな私を見透かしたのか、また彼が声を掛けてきた。
「どうする? 今ならまだ戻れるぞ」
「ううん! サボる!!」
彼はそう、じゃあ化粧品を持ってこいと言ったので、私はなんでだろう? と思いつつ、素直に従う。
「今からめちゃくちゃ濃いメイクしろ。ケバくていいから。未成年に見えないやつな」
「不良だもんね……」
私はゴクリと唾を飲みつつ、言われた通り、ガチのメイクをやってみた。マスカラもいっぱいつけたし、アイライナーも太めに引いたし、口紅も赤に近いピンクだ。うっわぁ、なんか家出少女感満載だなぁ、これは引くなぁ、と思いつつ、恐る恐る彼を見た。
「……いつも垢抜けてる灰谷君からしたら、こんなん落第だよね?」
でも彼は少し驚いた顔をしたあと、やっぱり静かに微笑んだ。
「いや、全然悪くない。じゃあ出かけるぞ」
マンションの立体駐車場に行くと、彼は機械を操作した。ところが呼び出されたのは、バイクじゃない! なんと車だった。
「は、灰谷君? このクルマは??」
「オレの」
「えっ?」
「まぁ、ほんとは兄貴と兼用だけど。今日はオレが使う」
呼び出されたのはピッカピカの銀色の車だ。あ、あれ? 左ハンドル? ということは、外車?? もうこれ、見るからに高級車だ。助手席に乗れよ、と言われ、震えながら乗り込む。広い。本当に広い! 全てピカピカで、シートもふかふかだ。でも絶対におかしい。だって彼は……
「よし、じゃあ今からヒルズに行くぞ」
彼はとてもご機嫌だった。多分これまでで1番、生き生きとした表情だ。まぁ、そりゃあそうか。この六本木を、こんな高級外車で颯爽と走っているのだから。無免許で。
「……は、灰谷君って、車の運転も上手なんだね……」
「まぁな」
リビングに行くとやっぱり彼は起きていた。今日はお酒は飲んでないみたいだ。
「灰谷君、おはよう……」
「オマエ元気ないじゃん。やっぱ家に帰りたくなったか?」
彼は優しげな声で尋ねた。
「ううん、全然……」
「オマエが帰りたいなら、すぐに送ってってやる。ついでに学校まで送り届けてやるけど、どうだ?」
う、うわぁ……それは物凄く、心が揺れる……でも当分は帰らないって決めたから!
「そう言ってくれるのは有難いけど、まだまだ帰らない! 私も本気だって、親に認めさせなきゃ!」
灰谷君はやっぱり楽しそうだ。眼鏡の奥の瞳がちょっと輝いて見える。
「そう。じゃあマジで不良になるのでいいんだな?」
「うん!」
「ところでオマエ、やっぱそれ似合ってるな。胸もパンツも丸見えだけど」
「えぇっ?!」
わ、忘れてた!! 完全に忘れてたから油断してた!!
「オマエの服、もう乾いてるから洗濯機見てこいよ」
「う、うん……」
服を着替えて戻ると、灰谷君はお皿を2枚並べていた。手作りのフレンチトーストだ。すごい! めちゃくちゃ美味しそう。
なんか彼って、不良だけど不良じゃない。こういう人を、なんて言うんだっけ? そう、あれだ、あれ………と、あるワードが思い浮かびそうになったとき、彼がじゃあ食べよう、と言ったので、私は考えるのをやめ、いただきます、をしていただいた。
「すっごい!めちゃくちゃ美味しい!灰谷君はマジですごい!!」
彼はやっぱり楽しそうに笑った。
その後、片付けは私がやらせてもらい、リビングに戻ると、時刻はもう9時だった。あぁ、今さらまたドキドキしてきた。マジで私、今日サボっちゃうんだなぁ。そんな私を見透かしたのか、また彼が声を掛けてきた。
「どうする? 今ならまだ戻れるぞ」
「ううん! サボる!!」
彼はそう、じゃあ化粧品を持ってこいと言ったので、私はなんでだろう? と思いつつ、素直に従う。
「今からめちゃくちゃ濃いメイクしろ。ケバくていいから。未成年に見えないやつな」
「不良だもんね……」
私はゴクリと唾を飲みつつ、言われた通り、ガチのメイクをやってみた。マスカラもいっぱいつけたし、アイライナーも太めに引いたし、口紅も赤に近いピンクだ。うっわぁ、なんか家出少女感満載だなぁ、これは引くなぁ、と思いつつ、恐る恐る彼を見た。
「……いつも垢抜けてる灰谷君からしたら、こんなん落第だよね?」
でも彼は少し驚いた顔をしたあと、やっぱり静かに微笑んだ。
「いや、全然悪くない。じゃあ出かけるぞ」
マンションの立体駐車場に行くと、彼は機械を操作した。ところが呼び出されたのは、バイクじゃない! なんと車だった。
「は、灰谷君? このクルマは??」
「オレの」
「えっ?」
「まぁ、ほんとは兄貴と兼用だけど。今日はオレが使う」
呼び出されたのはピッカピカの銀色の車だ。あ、あれ? 左ハンドル? ということは、外車?? もうこれ、見るからに高級車だ。助手席に乗れよ、と言われ、震えながら乗り込む。広い。本当に広い! 全てピカピカで、シートもふかふかだ。でも絶対におかしい。だって彼は……
「よし、じゃあ今からヒルズに行くぞ」
彼はとてもご機嫌だった。多分これまでで1番、生き生きとした表情だ。まぁ、そりゃあそうか。この六本木を、こんな高級外車で颯爽と走っているのだから。無免許で。
「……は、灰谷君って、車の運転も上手なんだね……」
「まぁな」