So precious you!序章
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けれどもそんな幸せな日々は長くは続かなかった。暴力事件で逮捕され、少年院から戻った頃、イザナは真一郎から「衝撃的な事実」を聞かされる事になった。真一郎には自分以外にも、'弟'が居るのだという。え?じゃあこいつ、"お兄ちゃん"じゃねぇの? 兄の愛情を一身に受けたかったイザナは、酷く混乱する事になった。イザナにとっては真一郎が全てなのに、真一郎はそうではない。それが何よりも苦しくて、その日からイザナは、真一郎の弟・佐野万次郎を憎むようになった。ソイツさえ居なくなれば、イザナはまた兄の愛を独占する事が出来る。邪魔な奴は、いつかこの手で消しちまえばいい。ストレスからまた酷い頭痛が始まり、イザナの人生に少しずつ暗雲が垂れ込めてくる。
さらにその数年後、追い討ちをかけるように悲しい出来事があった。自分を捨てた母と、街で偶然再会したのだ。そして彼女から「最悪の事実」を聞かされる事になった。イザナは元々、既に亡くなっていた'イザナの父の連れ子'で、実は母や妹、真一郎達とは血の繋がりはないのだという。しかもイザナの本当の母親はフィリピン人で、行方は分からない。
イザナは激昂して真一郎を呼び出した。真一郎はやはり、その事実に気付いていたようだ。気付いていながら、知らないフリをしてイザナの兄として現れたのだ。イザナにはそれが許せなかった。自分はずっと、彼と'本当の家族'だと思っていたからだ。真一郎は言った。「血の繋がりなんかなくったって、オレ達はなんもかわんねぇだろ?」と。そんな筈はない。それが1番大事な事の筈だ。血の繋がりが無ければ、赤の他人と同じじゃないか。
その日からイザナは、自分が真一郎から譲り受けた"黒龍"の8代目を、悪に染める事にした。ゆすり、強盗、麻薬。新しい"黒龍"は、"何でもありの極悪チーム"。全ては自分を奈落の底へと突き落とした、真一郎への復讐だ。
けれどもイザナはそうする事で、密かに真一郎の愛を押し測っていたのだ。自分がどんな事をしても、彼は本当に愛してくれるのか? 血の繋がりなんかなくても、本当に家族として受け入れてくれるのか? そんな奇特で歪んだやり方で義兄の愛を試すほど、イザナの心は病んでいた。
"黒龍"は激変し、真一郎は何度もイザナの元へやって来た。イザナを説得して悪事を止めさせる為だ。勿論毎回暴力でねじ伏せてやったけれど、イザナは内心、それで兄の愛情を確認する事が出来た。けれどやがて真一郎は来なくなり、イザナの心はさらに乱れた。
それで次は新たなる復讐として、佐野万次郎の力量を測りつつ、"黒龍"を潰してやる事にした。わざと器の無い斑目に総長を譲って、佐野万次郎率いる"東京卍會"と抗争をさせたのだ。イザナの思惑通り"黒龍"は敗北し、かつて不良達の憧れだった真一郎のチームは、瞬く間に壊滅した。
さらにその数年後、追い討ちをかけるように悲しい出来事があった。自分を捨てた母と、街で偶然再会したのだ。そして彼女から「最悪の事実」を聞かされる事になった。イザナは元々、既に亡くなっていた'イザナの父の連れ子'で、実は母や妹、真一郎達とは血の繋がりはないのだという。しかもイザナの本当の母親はフィリピン人で、行方は分からない。
イザナは激昂して真一郎を呼び出した。真一郎はやはり、その事実に気付いていたようだ。気付いていながら、知らないフリをしてイザナの兄として現れたのだ。イザナにはそれが許せなかった。自分はずっと、彼と'本当の家族'だと思っていたからだ。真一郎は言った。「血の繋がりなんかなくったって、オレ達はなんもかわんねぇだろ?」と。そんな筈はない。それが1番大事な事の筈だ。血の繋がりが無ければ、赤の他人と同じじゃないか。
その日からイザナは、自分が真一郎から譲り受けた"黒龍"の8代目を、悪に染める事にした。ゆすり、強盗、麻薬。新しい"黒龍"は、"何でもありの極悪チーム"。全ては自分を奈落の底へと突き落とした、真一郎への復讐だ。
けれどもイザナはそうする事で、密かに真一郎の愛を押し測っていたのだ。自分がどんな事をしても、彼は本当に愛してくれるのか? 血の繋がりなんかなくても、本当に家族として受け入れてくれるのか? そんな奇特で歪んだやり方で義兄の愛を試すほど、イザナの心は病んでいた。
"黒龍"は激変し、真一郎は何度もイザナの元へやって来た。イザナを説得して悪事を止めさせる為だ。勿論毎回暴力でねじ伏せてやったけれど、イザナは内心、それで兄の愛情を確認する事が出来た。けれどやがて真一郎は来なくなり、イザナの心はさらに乱れた。
それで次は新たなる復讐として、佐野万次郎の力量を測りつつ、"黒龍"を潰してやる事にした。わざと器の無い斑目に総長を譲って、佐野万次郎率いる"東京卍會"と抗争をさせたのだ。イザナの思惑通り"黒龍"は敗北し、かつて不良達の憧れだった真一郎のチームは、瞬く間に壊滅した。