So precious you!序章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
黒川イザナは生まれつきとても繊細な体質だ。それは心だけでなく、身体もだった。彼の表向きの特徴は、気が強くて腕っ節も強靭で、喧嘩で負けた事は1度も無い。常に自由奔放だし、たまに我儘と言われる事さえある。けれども酷い天気痛を持っていて、気圧が重い天気の悪い日は、頭痛が一向におさまらない。また実は精神も細やかで、気に入らない事や好ましくない事が起こると、これまた酷い頭痛や耳鳴りに悩まされるのだ。周囲の人間達はよくこう言っていた。'イザナは暴君'だと。けれど実際の彼は硝子細工のように儚くて脆い、非常に繊細なタイプの少年だった。
さらにその彼の繊細さを助長させたのが、彼の恵まれない生い立ちだった。イザナは小学校1年の夏、児童養護施設に入る事になった。母と妹とは離れ離れになり、1人きりになってしまったのだ。別れる日、母は言った。いつかまた3人で暮らせる日が来たら、"必ず迎えに行く"と。
ところが待てど暮らせど迎えは来ない。それどころか面会や手紙すらない。イザナの心は孤独になった。どんどん荒み、蝕まれていった。元々甘え気質の性格で、親の有り余る愛情や激励が必要な子供だった。彼はある日、理解した。自分は家族に'捨てられた'のだと。そう分かってからは、イザナの心は更に荒れ、乱れに乱れる事になった。同時に酷い無気力になり、学校や周囲の人間達、将来の事など、ありとあらゆる物事に関心が持てなくなっていった。
さらにその彼の繊細さを助長させたのが、彼の恵まれない生い立ちだった。イザナは小学校1年の夏、児童養護施設に入る事になった。母と妹とは離れ離れになり、1人きりになってしまったのだ。別れる日、母は言った。いつかまた3人で暮らせる日が来たら、"必ず迎えに行く"と。
ところが待てど暮らせど迎えは来ない。それどころか面会や手紙すらない。イザナの心は孤独になった。どんどん荒み、蝕まれていった。元々甘え気質の性格で、親の有り余る愛情や激励が必要な子供だった。彼はある日、理解した。自分は家族に'捨てられた'のだと。そう分かってからは、イザナの心は更に荒れ、乱れに乱れる事になった。同時に酷い無気力になり、学校や周囲の人間達、将来の事など、ありとあらゆる物事に関心が持てなくなっていった。