So precious you!序章
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強盗、傷害、麻薬……ありとあらゆる犯罪に手を染める日々。イザナには"天性の戦才(センス)"や"魅力(カリスマ)"があり、暴力で恐怖を行使して、金も権力も思うがままだ。イザナは思った。もう自分は取るに足らない人間じゃない。親に捨てられ、家族に裏切られ、何も持たない「価値のない自分」じゃない。
けれどもイザナは孤独だった。ずっと乾きが満たされる事はなく、ますます頭痛も酷くなって、心は蝕ばまれていった。
そしてある夏の日の事だ。とうとうイザナにとって、「人生で最悪の出来事」が起こった。なんと真一郎が死んだのだ。紆余曲折あり、あろう事か佐野万次郎の部下が殺害してしまったのだという。
とうとうイザナは"空っぽ"になった。まさに"空虚の極み"。いよいよ"灰"になったイザナは、このまま朽ち果てていこうと思った。もうそれでいいのだ。真一郎が死んだ今、イザナには何もない。自分を家族として愛してくれる人は、もうこの世に1人も居ないのだ。だからもう犯罪や悪事に手を染める必要もない。イザナは突然仲間達と連絡を絶ち、第一線を退いた。
けれども実際のイザナには、数多くの仲間達がいた。共に施設で育った鶴蝶以外にも、少年院で出会った武藤泰宏や灰谷兄弟、班目達など、助けを求めれば手を差し伸べてくれる仲間は、実はいくらでもいたのだ。でもイザナは自分の弱みを他人に見せる事は出来ない。繊細な自分のこんな暗い秘密だなんて、絶対に誰にも打ち明けない。そんな事をするくらいなら死んだ方がマシだった。
ところがそんなイザナを訪ねてくる男がいた。稀咲鉄太だ。その男には野心があり、自分を'利用する為に'近付いてきた事は誰が見ても明白だった。でもイザナはそんな事はどうでもいい。稀咲は言った。「"不死身のイザナ"と呼ばれたあんたなら、きっと佐野万次郎を思うがままに操れる」と。
それを聞くとイザナはハッとして顔を上げた。そうだ、佐野万次郎。アイツは自分から、2度も大切なものを奪った。真一郎の自分への愛と、そして真一郎自身の命。これだけの事をされておきながら、この自分が黙っているだなんてあり得ない。
そうしてイザナは"天竺"を創った。施設時代から"下僕"だった鶴蝶以外は、少年院で出会った"極悪の世代"ばかりで構成された狂気的なチーム。すぐに神奈川県下の不良達を纏め、イザナは意気揚々とその真ん中に立った。さぁ、佐野万次郎、これからお前の全てを奪い、空っぽにしてやるぞ。そしてオレの思い通りの"お兄ちゃん"に創り変えてやる。
けれどもイザナは孤独だった。ずっと乾きが満たされる事はなく、ますます頭痛も酷くなって、心は蝕ばまれていった。
そしてある夏の日の事だ。とうとうイザナにとって、「人生で最悪の出来事」が起こった。なんと真一郎が死んだのだ。紆余曲折あり、あろう事か佐野万次郎の部下が殺害してしまったのだという。
とうとうイザナは"空っぽ"になった。まさに"空虚の極み"。いよいよ"灰"になったイザナは、このまま朽ち果てていこうと思った。もうそれでいいのだ。真一郎が死んだ今、イザナには何もない。自分を家族として愛してくれる人は、もうこの世に1人も居ないのだ。だからもう犯罪や悪事に手を染める必要もない。イザナは突然仲間達と連絡を絶ち、第一線を退いた。
けれども実際のイザナには、数多くの仲間達がいた。共に施設で育った鶴蝶以外にも、少年院で出会った武藤泰宏や灰谷兄弟、班目達など、助けを求めれば手を差し伸べてくれる仲間は、実はいくらでもいたのだ。でもイザナは自分の弱みを他人に見せる事は出来ない。繊細な自分のこんな暗い秘密だなんて、絶対に誰にも打ち明けない。そんな事をするくらいなら死んだ方がマシだった。
ところがそんなイザナを訪ねてくる男がいた。稀咲鉄太だ。その男には野心があり、自分を'利用する為に'近付いてきた事は誰が見ても明白だった。でもイザナはそんな事はどうでもいい。稀咲は言った。「"不死身のイザナ"と呼ばれたあんたなら、きっと佐野万次郎を思うがままに操れる」と。
それを聞くとイザナはハッとして顔を上げた。そうだ、佐野万次郎。アイツは自分から、2度も大切なものを奪った。真一郎の自分への愛と、そして真一郎自身の命。これだけの事をされておきながら、この自分が黙っているだなんてあり得ない。
そうしてイザナは"天竺"を創った。施設時代から"下僕"だった鶴蝶以外は、少年院で出会った"極悪の世代"ばかりで構成された狂気的なチーム。すぐに神奈川県下の不良達を纏め、イザナは意気揚々とその真ん中に立った。さぁ、佐野万次郎、これからお前の全てを奪い、空っぽにしてやるぞ。そしてオレの思い通りの"お兄ちゃん"に創り変えてやる。