So precious you!序章
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ところがある日、彼の人生を大きく変える出来事があった。佐野真一郎という若い男が、施設を訪ねてきたからだ。真一郎はきりりとした目元が印象的な美男子で、なんとイザナとは腹違いの兄なのだという。イザナは飛び上がって喜んだ。まさか自分に、こんなにカッコいい兄が居ただなんて!
真一郎と出会ってから、イザナはみるみる変わった。表情が明るくなり、よく笑うようになった。本来の無邪気で天真爛漫な性格が引き出され、神経質で苛烈な部分は少し鳴りを潜めた。でも1番の変化は、未来に希望が持てるようになった事だ。真一郎はイザナにとってはまさに理想の"お兄ちゃん"で、優しく頼り甲斐があり、いつもバイクで連れ出してくれる。楽しい遊びも教えてくれるし、何をやっても受け止めてくれる。
相変わらず勉強や周りの人間達にはほぼ無関心なままだったけれど、その頃のイザナには、ある"夢"ができた。それは自分の"国"を創る事。自分と同じように、身寄りのない人間達に生きる"居場所”を与えてやりたい。それがイザナの目標になった。イザナはその頃、人生で唯一'真一郎という家族の愛'に包まれていた時期だったから、そんな優しい気持ちになれたのかもしれない。
少しすると施設に新たな仲間も加わった。年下だけど、イザナのように気も腕っ節も強靭で、"いい目"をした奴。でもソイツは親を亡くしたショックから、一日中メソメソしていた。だから周りの子供達にずっと小馬鹿にされている。イザナは思った。よし、アイツを"オレの国"の住人の、第1号にしてやろう。つまりは"下僕"だ。その少年の名前は鶴蝶といい、彼はすぐにイザナに懐くようになった。鶴蝶はイザナの言う事はなんでも聞くし、従順で信用の出来る、"使える奴"だ。そんな弟分ができたので、イザナの心は益々安定するようになった。きっといつの日か、自分達は"いい時代を創れる"。雪の日に鶴蝶と誓ったその夢は、その後もイザナの人生をずっと明るく照らす筈だった。
真一郎と出会ってから、イザナはみるみる変わった。表情が明るくなり、よく笑うようになった。本来の無邪気で天真爛漫な性格が引き出され、神経質で苛烈な部分は少し鳴りを潜めた。でも1番の変化は、未来に希望が持てるようになった事だ。真一郎はイザナにとってはまさに理想の"お兄ちゃん"で、優しく頼り甲斐があり、いつもバイクで連れ出してくれる。楽しい遊びも教えてくれるし、何をやっても受け止めてくれる。
相変わらず勉強や周りの人間達にはほぼ無関心なままだったけれど、その頃のイザナには、ある"夢"ができた。それは自分の"国"を創る事。自分と同じように、身寄りのない人間達に生きる"居場所”を与えてやりたい。それがイザナの目標になった。イザナはその頃、人生で唯一'真一郎という家族の愛'に包まれていた時期だったから、そんな優しい気持ちになれたのかもしれない。
少しすると施設に新たな仲間も加わった。年下だけど、イザナのように気も腕っ節も強靭で、"いい目"をした奴。でもソイツは親を亡くしたショックから、一日中メソメソしていた。だから周りの子供達にずっと小馬鹿にされている。イザナは思った。よし、アイツを"オレの国"の住人の、第1号にしてやろう。つまりは"下僕"だ。その少年の名前は鶴蝶といい、彼はすぐにイザナに懐くようになった。鶴蝶はイザナの言う事はなんでも聞くし、従順で信用の出来る、"使える奴"だ。そんな弟分ができたので、イザナの心は益々安定するようになった。きっといつの日か、自分達は"いい時代を創れる"。雪の日に鶴蝶と誓ったその夢は、その後もイザナの人生をずっと明るく照らす筈だった。