Story.5 a promise
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7月最初の土曜日。皆んなのお陰で穏やかな日常が戻った初めての週末。私は今日、三ツ谷さんに誘われて繁華街に来ている。
これまではストーカーに怯えるばかりだったけど、もうそんな日々は終わった。今日はお気に入りのスカートを履いて、ヒールも履き、メイクもばっちりだ。髪もアップにして巻き、ピアスもつけている。こんなに開放的な気持ちになれるのは3ヶ月ぶりだった。これも全て、三ツ谷さんと皆んなのお陰だ。
三ツ谷さんはそんな私を見ると、目を丸くしている。
「……オマエ、別人みたいだな。前にショーに出たときもそうだったけど、今日はその何倍も輝いてんぞ」
私はその言葉が嬉しくて、内心飛び上がりそうになった。
「全部三ツ谷さんと皆さんのお陰です。本当に有難うございました」
それから私たちはレストランに向かって歩き出した。あぁ、本当に夢みたいだ。またこうやって、生き生きと街を歩けるなんて。それも三ツ谷さんと一緒だから、喜びもひとしおだ!
ところが彼は先ほどから何かが気になるようだ。チラチラと後ろを伺いながら、大きな溜息をついた。
「どうかしたんですか?」
「……あぁ、あのさ、新たなストーカーが出現したみたいだ。オレらの」
「えぇっ?!」
またストーカー!? 私は焦ってしまうけど、彼は笑った。
「いや、大丈夫。悪い奴等じゃねぇから。けど最悪なのは間違いねぇ」
レストランに入ると、私達は窓際のテーブルに通された。メニューを見ていると、三ツ谷さんが近寄ってきて耳打ちした。
「なぁ、向こうのベンチにいる奴等、アレ分かるか?」
え? そちらを見ると……なんとそこには、マイキーさん、場地さん、一虎さんがいた。マイキーさんは帽子を目深に被り、扇子で顔を隠している。場地さんは眼鏡をかけて新聞を読み、一虎さんはサングラスをかけて雑誌を見ている。けれども3人とも慎重に顔を隠しつつ、チラチラとこちらを伺っていた。
「えっと……あの3人は、もしかして変装をしているんでしょうか?」
三ツ谷さんは呆れた顔で頬杖をついた。
「あぁ。アイツら、オレらを尾行して面白がってんだよ。場地と一虎はまた仕事サボってるし、マイキーも確か明日は大事なレースがあるはずなのに。ったく」
「そ、そうなんですか……」
それは大丈夫かなぁと思いつつ、ちょっと面白い。でも注目されていると思うと緊張しそうだ。
美味しいランチをいただいたあとは、商業施設へ向かった。洋服屋さんや書店を見たり、カフェに立ち寄ったり。彼とは会話もはずむし、波長も合うからどこへ行っても楽しい。でも相変わらず3人がついてくるので、三ツ谷さんは遂にキレた。
「一体いつまでついてくる気だよ、アイツらは?!」
三ツ谷さんはまたドスのきいた声を出した。眉間に皺を寄せているから、本気みたいだ。
「苗字さん、ちょっとここで待ってて。アイツらに言ってくる。いい加減にしろって!」
三ツ谷さんは3人の方へずんずんと向かっていった。彼等は今、スマホショップの前に飾られた、巨大なネコの看板の後ろに隠れている。
「オイ! テメェらはいつまでついて来るつもりだよ! 一体歳はいくつだ!! 早く帰れよ!!」
3人は一様にヘラリと笑い、悪びれもなく出てきた。マイキーさんは帽子をひょい、と軽やかに取った。
「だって三ツ谷、全然告らねぇから、オレ達心配になっちゃって」
「お前らが見てるのに言えるワケねぇだろ! 早く帰れ!!」
場地さんは怒鳴った三ツ谷さんの肩をポンと叩き、満面の笑みになった。
「なぁ三ツ谷。お前、意外に奥手か?」
「お前に言われたかねぇよ!」
一虎さんはあくびをしている。
「はぁ。マジでお前、普通過ぎてつまんねー。早くこの裏のラブホに誘えよ。男らしくさ」
「オレはテメェみてぇに下品なことはしねぇんだよ!!」
皆んなが言っていることは良く分からなかったけど、やっぱり皆んな、本当に仲がいい。信頼関係があるからこそ、こんな状況になっているんだろう。私は思わず、また心の中でくすりと笑ってしまった。
これまではストーカーに怯えるばかりだったけど、もうそんな日々は終わった。今日はお気に入りのスカートを履いて、ヒールも履き、メイクもばっちりだ。髪もアップにして巻き、ピアスもつけている。こんなに開放的な気持ちになれるのは3ヶ月ぶりだった。これも全て、三ツ谷さんと皆んなのお陰だ。
三ツ谷さんはそんな私を見ると、目を丸くしている。
「……オマエ、別人みたいだな。前にショーに出たときもそうだったけど、今日はその何倍も輝いてんぞ」
私はその言葉が嬉しくて、内心飛び上がりそうになった。
「全部三ツ谷さんと皆さんのお陰です。本当に有難うございました」
それから私たちはレストランに向かって歩き出した。あぁ、本当に夢みたいだ。またこうやって、生き生きと街を歩けるなんて。それも三ツ谷さんと一緒だから、喜びもひとしおだ!
ところが彼は先ほどから何かが気になるようだ。チラチラと後ろを伺いながら、大きな溜息をついた。
「どうかしたんですか?」
「……あぁ、あのさ、新たなストーカーが出現したみたいだ。オレらの」
「えぇっ?!」
またストーカー!? 私は焦ってしまうけど、彼は笑った。
「いや、大丈夫。悪い奴等じゃねぇから。けど最悪なのは間違いねぇ」
レストランに入ると、私達は窓際のテーブルに通された。メニューを見ていると、三ツ谷さんが近寄ってきて耳打ちした。
「なぁ、向こうのベンチにいる奴等、アレ分かるか?」
え? そちらを見ると……なんとそこには、マイキーさん、場地さん、一虎さんがいた。マイキーさんは帽子を目深に被り、扇子で顔を隠している。場地さんは眼鏡をかけて新聞を読み、一虎さんはサングラスをかけて雑誌を見ている。けれども3人とも慎重に顔を隠しつつ、チラチラとこちらを伺っていた。
「えっと……あの3人は、もしかして変装をしているんでしょうか?」
三ツ谷さんは呆れた顔で頬杖をついた。
「あぁ。アイツら、オレらを尾行して面白がってんだよ。場地と一虎はまた仕事サボってるし、マイキーも確か明日は大事なレースがあるはずなのに。ったく」
「そ、そうなんですか……」
それは大丈夫かなぁと思いつつ、ちょっと面白い。でも注目されていると思うと緊張しそうだ。
美味しいランチをいただいたあとは、商業施設へ向かった。洋服屋さんや書店を見たり、カフェに立ち寄ったり。彼とは会話もはずむし、波長も合うからどこへ行っても楽しい。でも相変わらず3人がついてくるので、三ツ谷さんは遂にキレた。
「一体いつまでついてくる気だよ、アイツらは?!」
三ツ谷さんはまたドスのきいた声を出した。眉間に皺を寄せているから、本気みたいだ。
「苗字さん、ちょっとここで待ってて。アイツらに言ってくる。いい加減にしろって!」
三ツ谷さんは3人の方へずんずんと向かっていった。彼等は今、スマホショップの前に飾られた、巨大なネコの看板の後ろに隠れている。
「オイ! テメェらはいつまでついて来るつもりだよ! 一体歳はいくつだ!! 早く帰れよ!!」
3人は一様にヘラリと笑い、悪びれもなく出てきた。マイキーさんは帽子をひょい、と軽やかに取った。
「だって三ツ谷、全然告らねぇから、オレ達心配になっちゃって」
「お前らが見てるのに言えるワケねぇだろ! 早く帰れ!!」
場地さんは怒鳴った三ツ谷さんの肩をポンと叩き、満面の笑みになった。
「なぁ三ツ谷。お前、意外に奥手か?」
「お前に言われたかねぇよ!」
一虎さんはあくびをしている。
「はぁ。マジでお前、普通過ぎてつまんねー。早くこの裏のラブホに誘えよ。男らしくさ」
「オレはテメェみてぇに下品なことはしねぇんだよ!!」
皆んなが言っていることは良く分からなかったけど、やっぱり皆んな、本当に仲がいい。信頼関係があるからこそ、こんな状況になっているんだろう。私は思わず、また心の中でくすりと笑ってしまった。