Story.2 the fashion show
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翌週の土曜日。今日も私は三ツ谷さんの事務所に来ている。衣装のチェックや会場の準備に大忙しで、どんどん時間は過ぎていく。あっという間に夕方になり、いよいよショーまで1週間になった。
「有難う、苗字さん。君のお陰で業務が片付いたよ。うちのスタッフもビックリしてるんだ。君のお陰でいきなり、作業が進んだから」
「いえ。お役にたててほんとに良かったです」
まだ時刻は15時だけど、仕事はこれで終わりのようだ。私は内心、とても残念に思った。もう少しここで、彼と仕事をしていたかったなぁ。彼とは馬が合うし、本当に楽しく仕事をすることができた。それに私は、彼の人柄にも惹かれている。
「ところで苗字さん、このあとは予定あるの?」
「いえ、何もないです」
「そっか。あのさ、オレ今から、繁華街の方へ出かけるんだ。良かったら一緒に来る? すぐに用は済むんだけど」
「いいんですか! 是非行きたいです!」
私はウキウキしながら答えた。また彼に誘ってもらえるなんて、本当に嬉しい。
徒歩で繁華街へ向かい、用事を済ませると、私たちはお茶をすることになった。カフェのオープンテラス席に着き、2人ともアイスコーヒーを飲む。
「そういえば、苗字さんもゆくゆくは独立したかったりするのか?」
「いえ、私は実は、デザインよりも会社の中で雑務をこなす方が得意だし、好きなんです。だからずっと、今のところで働き続けたいと思ってます」
「確かに君はオールマイティになんでもこなすもんな。それにせっかくいい会社に入ったんだから、その方がいいよな」
彼は本当にいつも表情が柔らかくて優しげで、私の話もよく聞いてくれる。本当に素敵な人だなぁ、と改めて思っていたら、突然女の子の声がした。
「あー! お兄ちゃん、こんな所で何してるの?! もしかしてその人、彼女!?」
見ると、高校生くらいの女の子の2人組だ。2人とも制服を着ていて、すごい美少女だ。
「えっ! マナとルナ?!」
三ツ谷さんは青い顔をしている。
「お兄ちゃん! 良かったね! すっごい可愛い人じゃん!」
「今ショーの準備で大変なときなのに、それでもデートするってことは、よっぽど大切な人なんだね!」
2人はニヤニヤしながら三ツ谷さんを見ている。一方彼は、頭をかきながらきまり悪そうに言った。
「違うよ。彼女はうちに助っ人として来てくれてる、アルバイトの苗字さんだ」
「えー!! じゃああの、めちゃくちゃお世話になってる人だよね?!」
「そうだ」
「じゃあお兄ちゃん、こんなカフェなんかじゃなくて、もっと高級なお店でお礼しなくちゃダメじゃん!」
「そうだよ! お兄ちゃんお金ないけど、もっと頑張らないと!!」
三ツ谷さんは思い切り苦笑している。私は内心、思わずくすりと笑ってしまった。だって今のやりとりがすごく可愛いかったからだ。きっとすごく仲のいい兄妹に違いない。
2人はこのあとは友達と予定があるといい、すぐに立ち去っていった。ほんとに、すごく賑やかだったなぁ。
「はぁ。あいつらオレの妹なんだけど、ほんといつも喧しくて」
「兄妹っていいですね。私は一人っ子だから羨ましいです」
彼女達の後ろ姿を眺める彼の眼差しは、本当に穏やかだ。
「実はうち、母子家庭でさ。ずっとあいつらの面倒みて大変だったけど、手が離れちまったら、ちょっと寂しくて」
彼の横顔を見ると分かった。彼は本当にいい人だ。それにきっと、とてもあったかい家庭に育ったんだろう。私と同じように。
「そうなんですね。実は私も母子家庭だったんです。もうその母も、この春に亡くしてしまったんですが」
三ツ谷さんはそれを聞くと、眉を下げて私を見た。
「そうだったのか。それは寂しいな」
「はい。でもすごく優しい母だったので、沢山思い出があるんです。だからすぐに元気になりました」
私は満面の笑みで答えた。
「有難う、苗字さん。君のお陰で業務が片付いたよ。うちのスタッフもビックリしてるんだ。君のお陰でいきなり、作業が進んだから」
「いえ。お役にたててほんとに良かったです」
まだ時刻は15時だけど、仕事はこれで終わりのようだ。私は内心、とても残念に思った。もう少しここで、彼と仕事をしていたかったなぁ。彼とは馬が合うし、本当に楽しく仕事をすることができた。それに私は、彼の人柄にも惹かれている。
「ところで苗字さん、このあとは予定あるの?」
「いえ、何もないです」
「そっか。あのさ、オレ今から、繁華街の方へ出かけるんだ。良かったら一緒に来る? すぐに用は済むんだけど」
「いいんですか! 是非行きたいです!」
私はウキウキしながら答えた。また彼に誘ってもらえるなんて、本当に嬉しい。
徒歩で繁華街へ向かい、用事を済ませると、私たちはお茶をすることになった。カフェのオープンテラス席に着き、2人ともアイスコーヒーを飲む。
「そういえば、苗字さんもゆくゆくは独立したかったりするのか?」
「いえ、私は実は、デザインよりも会社の中で雑務をこなす方が得意だし、好きなんです。だからずっと、今のところで働き続けたいと思ってます」
「確かに君はオールマイティになんでもこなすもんな。それにせっかくいい会社に入ったんだから、その方がいいよな」
彼は本当にいつも表情が柔らかくて優しげで、私の話もよく聞いてくれる。本当に素敵な人だなぁ、と改めて思っていたら、突然女の子の声がした。
「あー! お兄ちゃん、こんな所で何してるの?! もしかしてその人、彼女!?」
見ると、高校生くらいの女の子の2人組だ。2人とも制服を着ていて、すごい美少女だ。
「えっ! マナとルナ?!」
三ツ谷さんは青い顔をしている。
「お兄ちゃん! 良かったね! すっごい可愛い人じゃん!」
「今ショーの準備で大変なときなのに、それでもデートするってことは、よっぽど大切な人なんだね!」
2人はニヤニヤしながら三ツ谷さんを見ている。一方彼は、頭をかきながらきまり悪そうに言った。
「違うよ。彼女はうちに助っ人として来てくれてる、アルバイトの苗字さんだ」
「えー!! じゃああの、めちゃくちゃお世話になってる人だよね?!」
「そうだ」
「じゃあお兄ちゃん、こんなカフェなんかじゃなくて、もっと高級なお店でお礼しなくちゃダメじゃん!」
「そうだよ! お兄ちゃんお金ないけど、もっと頑張らないと!!」
三ツ谷さんは思い切り苦笑している。私は内心、思わずくすりと笑ってしまった。だって今のやりとりがすごく可愛いかったからだ。きっとすごく仲のいい兄妹に違いない。
2人はこのあとは友達と予定があるといい、すぐに立ち去っていった。ほんとに、すごく賑やかだったなぁ。
「はぁ。あいつらオレの妹なんだけど、ほんといつも喧しくて」
「兄妹っていいですね。私は一人っ子だから羨ましいです」
彼女達の後ろ姿を眺める彼の眼差しは、本当に穏やかだ。
「実はうち、母子家庭でさ。ずっとあいつらの面倒みて大変だったけど、手が離れちまったら、ちょっと寂しくて」
彼の横顔を見ると分かった。彼は本当にいい人だ。それにきっと、とてもあったかい家庭に育ったんだろう。私と同じように。
「そうなんですね。実は私も母子家庭だったんです。もうその母も、この春に亡くしてしまったんですが」
三ツ谷さんはそれを聞くと、眉を下げて私を見た。
「そうだったのか。それは寂しいな」
「はい。でもすごく優しい母だったので、沢山思い出があるんです。だからすぐに元気になりました」
私は満面の笑みで答えた。