His faults
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「獅音、もう不良辞めたら? 私もう面倒見切れないよ」
また喧嘩で傷だらけになった彼氏の手当てをしながら、私は愚痴った。獅音は今日もボロボロだ。イザナ君にやられたらしい。
「辞めるワケねぇだろ! オレの夢はイザナの右腕になることだぞ」
「でも獅音がうまくやらないから、いつも殴られるんじゃない。獅音にはそんな器ないから、きっと"黒龍9代目"もうまくいかないよ」
「うっせぇ!」
とりあえず応急処置はしたけど、絆創膏が貼りきれないほど傷だらけだし、まだ血も乾ききっていない。
「……ねぇ、もう私たち別れようか? 獅音、黒龍の9代目継いでからますます私と会ってくれないし……実はこの前街でさ、獅音が女の人と歩いてるの見ちゃったんだ」
私が俯いたまま言うと、獅音はそっぽを向いて溜息をついた。何も答えない。
「すっごい綺麗で、スタイルのいい人だった。やっぱり獅音は私のこと好きじゃないんでしょ?」
「……別にそうじゃねぇけど、オマエはオレには細すぎるし、なんつーか、身体がタイプじゃねぇ」
彼は小声でボソボソと言ったので、それが余計に尺にさわって、私はキレそうになった。
「ナニよそれ! ほんとに最悪! 私じゃ物足りないなら、最初から付き合わなかったら良かったじゃん!!」
「ほんとのことだから仕方ないだろ! けどオマエのことは好きだから」
「好きだったら浮気する必要ないじゃん!」
「それとこれとは別なんだよ!! オマエは女だから分かんねぇんだ!!」
思い切り叫んで私を睨み付けた獅音に、私はもう完全にキレた。もうマジで最低だ、ほんとに!!
そうして私は彼を部屋から追い出して、彼とはキッパリと別れた。本当はまだ好きだったけど、もうどうしてもムリだったからだ。
彼はその後、黒龍が潰れてからは"天竺"に入り、2度目の逮捕をされ、次は"六破羅単代"、その次は"関東卍會"に入ったと聞いた。いつまでも不良を辞めない彼に、私は心底呆れている。でも諦めが悪いのも、実は彼のいいところなんだよなぁ。
たしかに中学では1番強かったし、地元で彼に敵う人はいなかった。けれども世間は広い。本当の猛者たちが集まる不良の世界では、彼は常に雑魚だった。まぁ一応、いつも幹部にはなれたけど、その中では格段に弱かったからだ。
いつまでもお山の大将なんてやってないで、不良の世界から身をひいたら良かったのに。そしたらきっと、今も付き合えてたのになぁ……何年経っても彼のことが忘れられなくて、私は新しい彼氏も出来なかった。
はぁ、ほんとに、やり直したい……全部全部、獅音とやり直したいよぉ……
情け無いことにまだ涙が出る。もうあれから何年も経ってるのに。私は文字通り、枕を濡らしながら眠った。
ーーー
時計のアラーム音が鳴っている。すごくけたたましい。なんだか物凄く寝た気がして、私はぼんやりする頭をムリヤリ覚醒させた。時刻は6時。今日も出勤だから、起きないと。
あれ? けれどもなんだか、違和感がある。隣に誰かいる? うそ……
慌てて起き上がると、獅音が寝ていた。
「し、獅音? なんでここにいるの?」
獅音はパチリと目を覚ました。私を見ると、すぐにいきなり、私のことを思い切り抱き締めた。
「名前!今日も朝からヤッていいか?」
「えぇっ?!」
そのまま私は押し倒されて、すぐに濃厚なシーンに突入することになった。
また喧嘩で傷だらけになった彼氏の手当てをしながら、私は愚痴った。獅音は今日もボロボロだ。イザナ君にやられたらしい。
「辞めるワケねぇだろ! オレの夢はイザナの右腕になることだぞ」
「でも獅音がうまくやらないから、いつも殴られるんじゃない。獅音にはそんな器ないから、きっと"黒龍9代目"もうまくいかないよ」
「うっせぇ!」
とりあえず応急処置はしたけど、絆創膏が貼りきれないほど傷だらけだし、まだ血も乾ききっていない。
「……ねぇ、もう私たち別れようか? 獅音、黒龍の9代目継いでからますます私と会ってくれないし……実はこの前街でさ、獅音が女の人と歩いてるの見ちゃったんだ」
私が俯いたまま言うと、獅音はそっぽを向いて溜息をついた。何も答えない。
「すっごい綺麗で、スタイルのいい人だった。やっぱり獅音は私のこと好きじゃないんでしょ?」
「……別にそうじゃねぇけど、オマエはオレには細すぎるし、なんつーか、身体がタイプじゃねぇ」
彼は小声でボソボソと言ったので、それが余計に尺にさわって、私はキレそうになった。
「ナニよそれ! ほんとに最悪! 私じゃ物足りないなら、最初から付き合わなかったら良かったじゃん!!」
「ほんとのことだから仕方ないだろ! けどオマエのことは好きだから」
「好きだったら浮気する必要ないじゃん!」
「それとこれとは別なんだよ!! オマエは女だから分かんねぇんだ!!」
思い切り叫んで私を睨み付けた獅音に、私はもう完全にキレた。もうマジで最低だ、ほんとに!!
そうして私は彼を部屋から追い出して、彼とはキッパリと別れた。本当はまだ好きだったけど、もうどうしてもムリだったからだ。
彼はその後、黒龍が潰れてからは"天竺"に入り、2度目の逮捕をされ、次は"六破羅単代"、その次は"関東卍會"に入ったと聞いた。いつまでも不良を辞めない彼に、私は心底呆れている。でも諦めが悪いのも、実は彼のいいところなんだよなぁ。
たしかに中学では1番強かったし、地元で彼に敵う人はいなかった。けれども世間は広い。本当の猛者たちが集まる不良の世界では、彼は常に雑魚だった。まぁ一応、いつも幹部にはなれたけど、その中では格段に弱かったからだ。
いつまでもお山の大将なんてやってないで、不良の世界から身をひいたら良かったのに。そしたらきっと、今も付き合えてたのになぁ……何年経っても彼のことが忘れられなくて、私は新しい彼氏も出来なかった。
はぁ、ほんとに、やり直したい……全部全部、獅音とやり直したいよぉ……
情け無いことにまだ涙が出る。もうあれから何年も経ってるのに。私は文字通り、枕を濡らしながら眠った。
ーーー
時計のアラーム音が鳴っている。すごくけたたましい。なんだか物凄く寝た気がして、私はぼんやりする頭をムリヤリ覚醒させた。時刻は6時。今日も出勤だから、起きないと。
あれ? けれどもなんだか、違和感がある。隣に誰かいる? うそ……
慌てて起き上がると、獅音が寝ていた。
「し、獅音? なんでここにいるの?」
獅音はパチリと目を覚ました。私を見ると、すぐにいきなり、私のことを思い切り抱き締めた。
「名前!今日も朝からヤッていいか?」
「えぇっ?!」
そのまま私は押し倒されて、すぐに濃厚なシーンに突入することになった。
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