第15話 同居生活④ -秘密の箱-
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日もまた私は朝から掃除をしていた。もう色々と磨きつくしてしまったので、今日はリビングにある本棚の上を拭くことにする。ここは意外に埃がたまるから汚れるのだ。勿論ヤノくんには了解を得ている。
マスクをつけ、椅子の上に乗り、腕を伸ばして雑巾で拭きはじめる。
すると奥の方に硬い感触があった。なんだろう?引っ張り出すと、それは箱だ。結構重い。大切なものなのかなぁ、と思い、戻そうとしたが、そのとき突然リビングのドアが開いた。
「!」
またヤノくんが帰ってきたのだ。私はビックリして気が取られ、手元が狂い、その箱を落としてしまった。ドサッという音と、中身がガサガサと動く音。
大変だ!!壊れちゃった?!それに、床も傷ついたかも!!
「ごっ!ごめんなさい!!」
すぐに椅子から飛び降り、床は大丈夫だったので、ぶちまけてしまった中身を確認する。ところがそこで、私は固まった。
「おいおい。大丈夫かよ」
ヤノくんも近づいてきて、それらを見下ろした瞬間、一瞬にして固まってしまったのだった。
だってその箱の中身は大人の本とグッズだったからだ。本の方はナース服の美女の写真集で、雑貨の方は避妊具とローション。やばい……やばすぎる。私は本当に、大変な物を落としてしまったらしい……
「ヤノくん!ごめんなさい!!私、ヤノくんの大切なものを落としてしまって!!」
「ちっ、ちが……」
ヤノくんは小声で何か言ったが、私は全く聴こえなかった。
「すぐに壊れてないか確認して、戻します!!」
「おっ、おい……」
本をめくると、ナース服のセクシーな女性が色々なポーズを取っていた。途中からはどんどん露出が多くなり、最後は全裸だった。
「本の方は、傷ついてないようでした……」
ホッとして次を確認する。ヤノくんはさっきからわなわなと震えている。
恐る恐る手に取った避妊具とローションは未開封なので壊れていなかった。
「良かった……大丈夫そうです」
ヤノくんは何も言わない。
「あの……ほんとにすみませんでした。もしかして、怒ってますか?」
「……」
もう本当に色々といたたまれなくなってきて、間がもたなくて、私は震える声で口にした。
「……ヤ、ヤノくんって、看護師さんが好きなんですね」
ヤノくんは顔を真っ赤にして怒鳴った。
「違う!それは前にドブさんに無理矢理渡されたやつ!!俺のじゃねぇ!!」
「そうなんですか?でも、大事に保管してた物だから……」
「違ぇよ!捨てたらドブさんに殴られるから、ただ持ってただけだ!!そんなとこにあるのもすっかり忘れてたんだよ!!」
「そうだったんですか……」
私は時間遅れで突然、大量の羞恥心が込み上げてきた。だってこんな本もグッズも、これまでちゃんと見たことすらない。私の顔はもうめちゃくちゃ熱くて、多分真っ赤だろう。
「……な、なんだか今日は、朝から濃厚ですね……」
「……それ、もう捨ててくれ……いらねぇから」
「……ですが、それだとドブさんに怒られるのでは?」
「……」
本当にめちゃくちゃ恥ずかしくて俯く。私はなんで、こんな物を落としちゃったんだろう……
ヤノくんは震える声で言った。
「……もうなんでもいいから、それをどっかへ閉まってくれ……」
その後は物凄く気まずい雰囲気が流れて、私はこの空気をかえたくてヤノくんにチョコレートの箱を差し出した。ヤノくんは何も言わずに青の包み紙を取る。私は黄色を取って、お互い無言で食べた。
「美味しいですね……」
「あぁ……」
また仕事に出かけていくヤノくんを見送る。
1人になると、私は内心、とてもホッとしていた。だってあれはヤノくんの物ではなかったからだ。あのナース服の美女は私とは似ても似つかない。もしあんな女性がヤノくんのタイプだったら、私はすごくショックだったと思う。それが何故だかは良く分からないけれど。
それにヤノくんに彼女がいるわけじゃなくて本当に良かったと思った。
その夜、ベッドに入るとヤノくんが向こうを向いたまま言った。
「今朝本棚の上にあったやつだけど……あれはほんとに、ドブさんに無理矢理持たされただけで俺の趣味じゃねぇし、必要ねぇもんだから」
さっきのことを思い出して、また顔が熱くなってくる。
「はい……」
「……それにしてもお前、あれ見てもあんまり驚いてなかったけど、昔男がいたんか?」
「いえ。ずっといません。それに、内心ではめっちゃビックリしてました……あんなもの良く見たのは初めてでしたから……」
「……そう。俺もいっしょ」
私はその言葉を聞くと心の底から嬉しくなった。でももうこの話題を続けるのは恥ずかしすぎるので、ずっと気になっていたことを聞くことにした。
「ところでヤノくん。私のお布団って、まだ届かないんでしょうか?」
ヤノくんは答えない。すぐにすやすやと気持ち良さそうな寝息が聞こえてくる。
おかしいなぁ、そろそろ届いてもいいはずなのに、と首を傾げながら、私は目をつむった。
マスクをつけ、椅子の上に乗り、腕を伸ばして雑巾で拭きはじめる。
すると奥の方に硬い感触があった。なんだろう?引っ張り出すと、それは箱だ。結構重い。大切なものなのかなぁ、と思い、戻そうとしたが、そのとき突然リビングのドアが開いた。
「!」
またヤノくんが帰ってきたのだ。私はビックリして気が取られ、手元が狂い、その箱を落としてしまった。ドサッという音と、中身がガサガサと動く音。
大変だ!!壊れちゃった?!それに、床も傷ついたかも!!
「ごっ!ごめんなさい!!」
すぐに椅子から飛び降り、床は大丈夫だったので、ぶちまけてしまった中身を確認する。ところがそこで、私は固まった。
「おいおい。大丈夫かよ」
ヤノくんも近づいてきて、それらを見下ろした瞬間、一瞬にして固まってしまったのだった。
だってその箱の中身は大人の本とグッズだったからだ。本の方はナース服の美女の写真集で、雑貨の方は避妊具とローション。やばい……やばすぎる。私は本当に、大変な物を落としてしまったらしい……
「ヤノくん!ごめんなさい!!私、ヤノくんの大切なものを落としてしまって!!」
「ちっ、ちが……」
ヤノくんは小声で何か言ったが、私は全く聴こえなかった。
「すぐに壊れてないか確認して、戻します!!」
「おっ、おい……」
本をめくると、ナース服のセクシーな女性が色々なポーズを取っていた。途中からはどんどん露出が多くなり、最後は全裸だった。
「本の方は、傷ついてないようでした……」
ホッとして次を確認する。ヤノくんはさっきからわなわなと震えている。
恐る恐る手に取った避妊具とローションは未開封なので壊れていなかった。
「良かった……大丈夫そうです」
ヤノくんは何も言わない。
「あの……ほんとにすみませんでした。もしかして、怒ってますか?」
「……」
もう本当に色々といたたまれなくなってきて、間がもたなくて、私は震える声で口にした。
「……ヤ、ヤノくんって、看護師さんが好きなんですね」
ヤノくんは顔を真っ赤にして怒鳴った。
「違う!それは前にドブさんに無理矢理渡されたやつ!!俺のじゃねぇ!!」
「そうなんですか?でも、大事に保管してた物だから……」
「違ぇよ!捨てたらドブさんに殴られるから、ただ持ってただけだ!!そんなとこにあるのもすっかり忘れてたんだよ!!」
「そうだったんですか……」
私は時間遅れで突然、大量の羞恥心が込み上げてきた。だってこんな本もグッズも、これまでちゃんと見たことすらない。私の顔はもうめちゃくちゃ熱くて、多分真っ赤だろう。
「……な、なんだか今日は、朝から濃厚ですね……」
「……それ、もう捨ててくれ……いらねぇから」
「……ですが、それだとドブさんに怒られるのでは?」
「……」
本当にめちゃくちゃ恥ずかしくて俯く。私はなんで、こんな物を落としちゃったんだろう……
ヤノくんは震える声で言った。
「……もうなんでもいいから、それをどっかへ閉まってくれ……」
その後は物凄く気まずい雰囲気が流れて、私はこの空気をかえたくてヤノくんにチョコレートの箱を差し出した。ヤノくんは何も言わずに青の包み紙を取る。私は黄色を取って、お互い無言で食べた。
「美味しいですね……」
「あぁ……」
また仕事に出かけていくヤノくんを見送る。
1人になると、私は内心、とてもホッとしていた。だってあれはヤノくんの物ではなかったからだ。あのナース服の美女は私とは似ても似つかない。もしあんな女性がヤノくんのタイプだったら、私はすごくショックだったと思う。それが何故だかは良く分からないけれど。
それにヤノくんに彼女がいるわけじゃなくて本当に良かったと思った。
その夜、ベッドに入るとヤノくんが向こうを向いたまま言った。
「今朝本棚の上にあったやつだけど……あれはほんとに、ドブさんに無理矢理持たされただけで俺の趣味じゃねぇし、必要ねぇもんだから」
さっきのことを思い出して、また顔が熱くなってくる。
「はい……」
「……それにしてもお前、あれ見てもあんまり驚いてなかったけど、昔男がいたんか?」
「いえ。ずっといません。それに、内心ではめっちゃビックリしてました……あんなもの良く見たのは初めてでしたから……」
「……そう。俺もいっしょ」
私はその言葉を聞くと心の底から嬉しくなった。でももうこの話題を続けるのは恥ずかしすぎるので、ずっと気になっていたことを聞くことにした。
「ところでヤノくん。私のお布団って、まだ届かないんでしょうか?」
ヤノくんは答えない。すぐにすやすやと気持ち良さそうな寝息が聞こえてくる。
おかしいなぁ、そろそろ届いてもいいはずなのに、と首を傾げながら、私は目をつむった。