Innovative 序章
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灰谷蘭はその日、珍しく正午に出勤した。彼は六本木の一等地で弟の竜胆とクラブを経営していて、普段の出社時刻は夜だ。けれども今日は違う。何故なら今日は彼のクラブで、'étoile(エトワール)'という女性向けファッション雑誌の撮影が入っている。
その雑誌の編集長と蘭は古くからの馴染みで、その彼にどうしてもと頼み込まれたために、撮影場所として提供する事を了承したのだった。でも蘭は最初、この話には気が乗らなかった。確かにその雑誌は女性向けカテゴリーとしては日本で最多の売り上げを誇っているし、その撮影現場にうちが使われるとなれば、いい宣伝にもなるはずだ。日本で最も美しい、見目麗しいモデル達とも出会えるだろう。
けれども蘭はもうそのような女達には興味が無い。寧ろそんな女達に会ったらまた言い寄られるのではないかと、内心辟易していた。
確かに10代の頃は彼女達のような、美しく活発な女子とばかり付き合っていた。彼女達は外向的で、意見をはっきり言い、しっかりと自己主張をする。何処に居ても存在感があるし、生き生きとして華がある。そんな女子達との逢瀬は、確かに楽しかった。彼女達は一様に派手なメイクで、豪華な衣服やバッグを好み、リッチな食事や旅行を強請る。セックスも常に積極的だし、男に完璧な享楽を与えてくれる。蘭はそういう女子達が大好きだったし、彼女達が最も合うタイプの異性だと思っていた。
蘭もまた弟と共に'"六本木のカリスマ"と呼ばれる程の美貌を持ち、この界隈を取り仕切る支配者だったからだ。10代後半の頃は"東京卍會"の隊員として活躍したし、仲間と共に"不良の時代"を創り上げた。この東京で、自分の名を知らない者などいないのではないだろうか? 自分はその名の通り、大輪の'胡蝶蘭'だ。'蘭'の花は手入れが非常に難しい、高価で貴重な花だ。その辺りに咲いている雑草とは、ワケが違うのだ。そんな風に自負していた。
その雑誌の編集長と蘭は古くからの馴染みで、その彼にどうしてもと頼み込まれたために、撮影場所として提供する事を了承したのだった。でも蘭は最初、この話には気が乗らなかった。確かにその雑誌は女性向けカテゴリーとしては日本で最多の売り上げを誇っているし、その撮影現場にうちが使われるとなれば、いい宣伝にもなるはずだ。日本で最も美しい、見目麗しいモデル達とも出会えるだろう。
けれども蘭はもうそのような女達には興味が無い。寧ろそんな女達に会ったらまた言い寄られるのではないかと、内心辟易していた。
確かに10代の頃は彼女達のような、美しく活発な女子とばかり付き合っていた。彼女達は外向的で、意見をはっきり言い、しっかりと自己主張をする。何処に居ても存在感があるし、生き生きとして華がある。そんな女子達との逢瀬は、確かに楽しかった。彼女達は一様に派手なメイクで、豪華な衣服やバッグを好み、リッチな食事や旅行を強請る。セックスも常に積極的だし、男に完璧な享楽を与えてくれる。蘭はそういう女子達が大好きだったし、彼女達が最も合うタイプの異性だと思っていた。
蘭もまた弟と共に'"六本木のカリスマ"と呼ばれる程の美貌を持ち、この界隈を取り仕切る支配者だったからだ。10代後半の頃は"東京卍會"の隊員として活躍したし、仲間と共に"不良の時代"を創り上げた。この東京で、自分の名を知らない者などいないのではないだろうか? 自分はその名の通り、大輪の'胡蝶蘭'だ。'蘭'の花は手入れが非常に難しい、高価で貴重な花だ。その辺りに咲いている雑草とは、ワケが違うのだ。そんな風に自負していた。
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