ポートマフィアの重力遣い生誕祭2022

 中原が宝石の卸業者をボコしたのが6月18日であり、あの話は中原のポートマフィア加入1年後なので、おそらくSTORM BRINGERの舞台は夏とかなのだろうと思うが、それはそれとして、中原に初めて「誕生日おめでとう」を言ったのは旗会だったんだな……と思っています。(概念の話)
 「誕生日おめでとう」は「君の生誕おめでとう」「君と出会えて良かった」の意味なので、彼らがくれた「中也、マフィア加入1周年、おめでとう!」とあの写真とは、紛れもなく「誕生日おめでとう」なんです。
 もちろん、蘭堂さんの「生きよ」「すべての人生は、物質世界の美しき模様に、過ぎないのだから」も祝福であり愛なんですけど、それは中原の生は彼が望むようにありふれたものなのだという肯定であり、「誕生日おめでとう」はその肯定からさらに踏み込んで、そんなありふれた生がかけがえのないものだとして歓迎することなんですよね。ランボオからヴェルレエヌへの「誕生日おめでとう」は、まずその"肯定"が上手くいかなかったからちゃんと伝わらなかったんじゃないかな。大前提として「君の生はごくありふれている」があるからこそ、「でもそんな君の生が、私にとっては特別なのだ」が通じるんだけど、その前提がヴェルレエヌには上手く伝わらなかった。たぶん、ランボオにとって、ヴェルレエヌが本当に特別すぎたから……。
 旗会は、「お前は俺たちにとって特別だ」を表明するために「お前はありふれた少年だ」と証明してみせた+前述の蘭堂さんの「すべての人生は、物理世界の美しき模様に過ぎない」があったから、中原に「誕生日おめでとう」を伝えられたのだろうな。

 ……というのをあーしてこーしてどーなったのが、このSSになります。
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