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ひとりぼっちで始めた【世界創造】という遊戯

家に帰った私は、すぐに自室に入って制服を脱ぎ、濃いめの紫のギンガムチェックワンピに着替えた。

着替えて先ず最初に確認したことは、私が書いた(世にいう日記とは内容の規模が違う)日記がちゃんとベッドの下にあるかどうか。

「よし、今日もちゃんとある」

そこにあることを確認すると、とりあえずベッドに横になる。

しばらく何も考えず、ただぼーっとしたくて、2分くらい横になった、かな。

何となく喉が乾いたので、今居る2階から3階のリビングに移動。

冷蔵庫から栄養ドリンクを2本くらいとり、4本ぐらい残して2階に降りる。

自室に戻る途中、弟の様子が気になったのでこっそり部屋をドアの隙間越しに覗くと……、
ふぅん、テレビ見てると思えば、
あんた、お笑い好きなんだ?へぇ~。

今見てるのは、Wアクセルという2人組の芸人のコントらしい。

弟……地道のウケ具合からして、その芸人のコントはまさに自分たちの身の上話を面白おかしくしたようなものらしい。

自分たちの身の上話……。

そう、私たち蒼井鶴きょうだいは、世界創造主にしてこの世界の神なのです。

世界想像を先にスタートさせた私は、エリア分けしながら学校を建てたり、タワーマンションや一戸建て、長屋、農場やオフィスビル、商業施設……と、様々な建物を神智により建築していった。

私たちが住む廃タワーマンションも、私が建てたもの。
この廃タワーマンション、最初は廃墟なだけあって、
わざわざ肝試しに中学男子とかがよく来るから、この廃墟には来てはいけません的なセキュリティーID付きの重厚なドアを設けて、何とか私たちの居住空間を確保したの。

お金?世界創造主にして女神の私だもの、そんなものなくても神通力で何でも出来てしまうわ。


さて、私は私で次の授業の予習をしなきゃ。
まぁ、予習なんて、神智があればどうってことないんだけどね。
私は良いけど、弟は神智数値が私よりちょっと低めなので、後で優しく教えにいこうかな。

問題集30ページ中15ページを全問解いたところでノートを閉じ、椅子にもたれかかって、中空を見上げる。



不意に、教室で自分に絡んできた同じクラスの男子・闇街 繝(やみまち・かん)のことを思い出した。
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