日常1
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
スコアをつけながら試合を見る。
集中しようとコートを行き来するボールを目で追うけれど、ついつい蛍くんを見てしまう。
試合に集中しなきゃっとスコアブックを付けるために持っていた鉛筆を握りしめてボールを追う。
キュキュッと床をバレーシューズが滑る音がしてボールが上がる。
「チャンスボール!」
「田中さん!」
「任せろ!」
ボールは日向くん影山くん田中先輩チームのチャンスボール。
田中先輩がちょうど正面でレシーブしたボールは綺麗に影山くんの上に帰る。
ブロックは蛍1人。
「「おれに上げろ!!」」
田中先輩はこいやー!ともうすでに準備万端で日向くんもハイハーイイエス!!と準備はできていて2人ともアピールしている。
影山くんはどっちに上げるのだろうかと見ていれば…。
「田中さ「影山!!!」
影山くんの声に助走に入った田中先輩だけれど日向くんの声に呼ばれた影山くんは…
「居るぞ!!!」
ギャリッと足を踏み込み体を捻る事で一瞬で体制を整え、すでに飛んでいた日向くんにトスを上げた。
え?
今…影山くんって日向くんに呼ばれるまで田中先輩に上げるモーションだったのに…。
「ふぐっ」
しかし日向くんは合わせられなかったのかぶんっと振り抜いた手はボールに当たる事なく掠ったのかヘロんっとネットの向こう側に落ちた。
澤村先輩が飛び込むがボール一つぶん届かずてんっとボールは落ちた。
「おおっ!?」
速…攻…?
い、今の日向くんが影山くんを引っ張った?
「!?」
「アッブねー…空ぶるところだった…」
「お前何をいきなり「でもちゃんと球来た!!!」
「中学のことなんかしらねぇ!!おれにとってはどんなトスだってありがたぁ~いトスなんだ!!おれは何処にだって飛ぶ!!どんなボールだって打つ!!だからおれにトス、持って来い!!」
日向くん…。
凄くかっこいい。
影山くんはなんだか怖いけど…不安そうに目が揺れて居るのを何度か見ていた。
それはいつも王様って呼ばれる時で本人が自覚して居るのかどうか分からないけれどとても辛いことがあったのだということだけは分かる。
でも今の…1球。
たった1球だけど日向くんを見た瞬間…何かが違った。
その何かは私もよく分からないけれどなんだかすごいことが起こって居るそんな気がするんだ。
「日向くんも影山くんもなんだか凄い…」
「葉ちゃん。寒いの?上着貸そうか?」
「あ、いえ、なんだか凄くてちょっと鳥肌が…。だ、大丈夫です。」
「そう?寒かったらすぐ言いな?」
「ありがとうございます。スガ先輩!!」
腕をさすっていればスガ先輩が声をかけてくださった。
スガ先輩やっぱり優しいです。
「おいお前ら速攻使えんのか?!」
「クイック??」
「今みたいな速い攻撃だよ!!」
「?全然おれぽーんて高く山なりに上がるトスしか打ったことないです。」
「でも今やったろ!?それにお前中学ん時素人セッターのミスったトス打ったろ!ああいう…」
「えっ?でもどつやったか覚えてないです「~っ」
「でもおれどんなトスでも打ちますよ!打つからな!!」
グリンっと影山くんにアピールする日向くん。
日向くん速攻を知らないらしい…。
日向くんはお世辞にも上手とは言えないけれど日向くんには日向くんにしかないものがあるんだね。
「合わせたこともないのに速攻なんてまだ無理だろ。」
「なんだお前変!そんな弱気なの気持ち悪い変!!」
「…うっせーな。」
「~っ」
「王様らしくないんじゃなぁーい?」
「今打ち抜いてやるから待ってろっ!!」
「まぁーたそんなムキになっちゃってさぁ。なんでもガムシャラにやればいいってモンじゃないデショ人には向き不向きがあるんだからさ」
蛍くんの煽りに田中先輩が怒っているがぐっと澤村先輩がネットの向こうから手を出して肩を掴み止めていた。
澤村先輩が止めて居なければ蛍くん今頃…と嫌な想像が浮かびさぁっと顔から血の気が引いていくのが自分でも分かる。
怖くてフルフルと小さく震えていれば大丈夫大丈夫と縁下先輩とスガ先輩が背中をさすってくれた。
「確かに中学ん時も今もおれ跳んでも跳んでもブロックに止められてばっかだ。だけどーあんな風になりたいって思っちゃったんだよ。だから不利とか不向きとか関係ないんだこの身体で戦って勝って勝ってもっといっぱいコートに居たい。」
「…だからその方法がないんでしょ。精神論じゃないんだって。気持ちで身長差が埋まんの?守備専門になるなら話は別だけど」
「…スパイカーの前の壁を切り開く…その為のセッターだ。」
影山くんがようやく言い返した。
その顔はさっきまで見え隠れして居た不安がなくなってスッキリしているような気がした。
集中しようとコートを行き来するボールを目で追うけれど、ついつい蛍くんを見てしまう。
試合に集中しなきゃっとスコアブックを付けるために持っていた鉛筆を握りしめてボールを追う。
キュキュッと床をバレーシューズが滑る音がしてボールが上がる。
「チャンスボール!」
「田中さん!」
「任せろ!」
ボールは日向くん影山くん田中先輩チームのチャンスボール。
田中先輩がちょうど正面でレシーブしたボールは綺麗に影山くんの上に帰る。
ブロックは蛍1人。
「「おれに上げろ!!」」
田中先輩はこいやー!ともうすでに準備万端で日向くんもハイハーイイエス!!と準備はできていて2人ともアピールしている。
影山くんはどっちに上げるのだろうかと見ていれば…。
「田中さ「影山!!!」
影山くんの声に助走に入った田中先輩だけれど日向くんの声に呼ばれた影山くんは…
「居るぞ!!!」
ギャリッと足を踏み込み体を捻る事で一瞬で体制を整え、すでに飛んでいた日向くんにトスを上げた。
え?
今…影山くんって日向くんに呼ばれるまで田中先輩に上げるモーションだったのに…。
「ふぐっ」
しかし日向くんは合わせられなかったのかぶんっと振り抜いた手はボールに当たる事なく掠ったのかヘロんっとネットの向こう側に落ちた。
澤村先輩が飛び込むがボール一つぶん届かずてんっとボールは落ちた。
「おおっ!?」
速…攻…?
い、今の日向くんが影山くんを引っ張った?
「!?」
「アッブねー…空ぶるところだった…」
「お前何をいきなり「でもちゃんと球来た!!!」
「中学のことなんかしらねぇ!!おれにとってはどんなトスだってありがたぁ~いトスなんだ!!おれは何処にだって飛ぶ!!どんなボールだって打つ!!だからおれにトス、持って来い!!」
日向くん…。
凄くかっこいい。
影山くんはなんだか怖いけど…不安そうに目が揺れて居るのを何度か見ていた。
それはいつも王様って呼ばれる時で本人が自覚して居るのかどうか分からないけれどとても辛いことがあったのだということだけは分かる。
でも今の…1球。
たった1球だけど日向くんを見た瞬間…何かが違った。
その何かは私もよく分からないけれどなんだかすごいことが起こって居るそんな気がするんだ。
「日向くんも影山くんもなんだか凄い…」
「葉ちゃん。寒いの?上着貸そうか?」
「あ、いえ、なんだか凄くてちょっと鳥肌が…。だ、大丈夫です。」
「そう?寒かったらすぐ言いな?」
「ありがとうございます。スガ先輩!!」
腕をさすっていればスガ先輩が声をかけてくださった。
スガ先輩やっぱり優しいです。
「おいお前ら速攻使えんのか?!」
「クイック??」
「今みたいな速い攻撃だよ!!」
「?全然おれぽーんて高く山なりに上がるトスしか打ったことないです。」
「でも今やったろ!?それにお前中学ん時素人セッターのミスったトス打ったろ!ああいう…」
「えっ?でもどつやったか覚えてないです「~っ」
「でもおれどんなトスでも打ちますよ!打つからな!!」
グリンっと影山くんにアピールする日向くん。
日向くん速攻を知らないらしい…。
日向くんはお世辞にも上手とは言えないけれど日向くんには日向くんにしかないものがあるんだね。
「合わせたこともないのに速攻なんてまだ無理だろ。」
「なんだお前変!そんな弱気なの気持ち悪い変!!」
「…うっせーな。」
「~っ」
「王様らしくないんじゃなぁーい?」
「今打ち抜いてやるから待ってろっ!!」
「まぁーたそんなムキになっちゃってさぁ。なんでもガムシャラにやればいいってモンじゃないデショ人には向き不向きがあるんだからさ」
蛍くんの煽りに田中先輩が怒っているがぐっと澤村先輩がネットの向こうから手を出して肩を掴み止めていた。
澤村先輩が止めて居なければ蛍くん今頃…と嫌な想像が浮かびさぁっと顔から血の気が引いていくのが自分でも分かる。
怖くてフルフルと小さく震えていれば大丈夫大丈夫と縁下先輩とスガ先輩が背中をさすってくれた。
「確かに中学ん時も今もおれ跳んでも跳んでもブロックに止められてばっかだ。だけどーあんな風になりたいって思っちゃったんだよ。だから不利とか不向きとか関係ないんだこの身体で戦って勝って勝ってもっといっぱいコートに居たい。」
「…だからその方法がないんでしょ。精神論じゃないんだって。気持ちで身長差が埋まんの?守備専門になるなら話は別だけど」
「…スパイカーの前の壁を切り開く…その為のセッターだ。」
影山くんがようやく言い返した。
その顔はさっきまで見え隠れして居た不安がなくなってスッキリしているような気がした。