日常1
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「さ、いくよ。」
「急だったけど着替えある?今日体育なかったよね」
荷物をまとめて鞄にしまい準備が終わったところで2人から声をかけてもらいました。
改めて並ぶと2人とも大きいですね。
羨ましいです。
「はい。実はずっと毎日体操服は体育がなくても持って来ていまして。」
「そうだったの。」
「あれ?先輩への連絡は?」
「マネージャーの先輩には一応」
「あの美人な人だよね」
「潔子先輩とても良い人です。」
3年生のマネージャーの先輩は清水潔子先輩と言ってみんなが振り向くぐらいの美人な人です。
とても優しくて兄の事で申し訳なくって謝っていた私に謝らなくて良いよ大丈夫と優しく対応してくださったのです。
因みに私のスマートフォンにアプリとアドレスと両方入ってます。
3人でおしゃべりしながら体育館に行く途中ボトルの準備をしていた潔子先輩に出くわし部室の場所に案内してもらった。
マネージャーの更衣室は女子バレー部と共同らしく部室棟の1階で男子バレー部の部室は2階だった。
着替え終わったら男子バレー部の部室に行くように言われ潔子先輩は自分の仕事に戻っていった。
蛍くんと忠くんとは階段の前で別れ部室に入りさっさと着替えた。
4月といってもまだ寒いから体操服の長袖長ズボンを来て脱いだ制服は畳んで鞄に詰め込む。
ロッカーはどこを使えば良いのかわからないからとりあえず邪魔にならないようにはじに置かせてもらった。
長い髪を1本のポニーテールにシュシュで結んで少し長い袖を手首のところで折れば準備完了。
えっと男子バレー部の部室だよね。
入部届けを持ってカンカンと鉄の外階段を登り左から2番目の部室。
プレートは男子バレー部。
コンコンコンと3回ノックすれば蛍くんと忠くんではない声が聞こえた。
「はーい。」
「あの、マネージャー志望の東峰です。」
「あぁ清水から聞いてるよ。入りなさい。」
ドアを開けてひょっこり出て来たのは黒髪のなんだかがっしりした爽やかそうな男の人。
多分この人がお兄ちゃんから聞いていた主将の澤村先輩なんだろう。
よく来たなと笑い頭を少し撫でてくれた。
お兄ちゃんと同じ大きな手。
暖かい手に癒されるなと思いながら大人しく撫でられた。
部室にはいれば中にはもう着替え終わって居る2人がこちらを見ていた。
「君は旭の妹なんだって?」
「はい。でも兄が申し訳ありません。」
「大丈夫だ。あいつはそのうち戻ってくる。そういう奴だ。君は気にしなくて良いからな。」
「ありがとうございます。」
入部届けを手渡せばニコニコとまた頭をなでられる。
良い人です。
「あらためてオレは主将の澤村大地だ。」
「東峰葉です。よろしくお願いします。」
「あぁ。よろしくな。」
部員に紹介するから一緒においでと言われ澤村先輩を先頭に3人並んで体育館まで付いて行った。
なんか緊張する。
ちょっと心臓が痛い。
モジモジと手元の袖をいじって居ると蛍くんに見られてしまった。
「何やってるの?」
うわ。
恥ずかしい。
「なんかちょっと緊張してしまって…」
「そう。でもあんまりいじってるとヨレヨレになるよそれ。」
不安なら手繋ぐ?と手を差し伸べでくれたので遠慮なく握らせてもらった。
蛍くんの手は細くてでも大きかった。
「俺とも繋ぐ?」
忠くんも差し出してくれたので嬉しくて大きな2人と手を繋ぐと連行されるグレイマンみたいになるかもしれないけど遠慮なく繋がせてもらった。
不安なんてもうなかった。
心の中があったかくて顔もゆるゆる緩んだ。
「お前ら仲がいいな」
「同じクラスですから。」
「2人はとても優しくて良い人です」
「そうか。」
また頭をなでられた。
なんだか澤村先輩はお父さんみたいだ。
4人で話しながら体育館に行くと2人の先輩が丁度大きなあくびをしていた。
「ふ」
「「あーあ」」
「眠そうだなお前ら」
澤村先輩が後ろから声をかけると大きく体を跳ねさせてびっくりしていた。
どうやら後から来た澤村先輩含め私達に気が付いていなかったみたいだ。
「えっそぉ!?勉強のしすぎかなァ~?」
「おっ俺も勉強のっ」
寝不足なのかな…随分と眠そうだよ。
朝練習とか早いのかな?厳しいのかな…?
そう言えばお兄ちゃんも前までは朝早く行ってたな…。
先輩たち目が泳いで居るしなんか冷や汗かいてるし何か誤魔化そうとしてる?
小声で
お前に限ってそれはないだろ!
なんて言ってるのも聞こえる。
何かあったのかな…?
「まぁ良いや今日から入部の1年紹介するよ。」
「「?」」
若干挙動不審な先輩たち2人組をジト目で見ていた澤村先輩は話を変えるのかこちらを振り向いた。
蛍くんも忠くんも1歩前に出たので手をつないで居る私もつられて2歩前に。
2人と足の長さが違うから2歩になった。
「「宜しくお願いしまぁーす。」」
「宜しくお願いします。」
3人で声は揃わなかったけど挨拶をすれば先輩たちに凄い見られた。
な、なんか丸刈りの先輩が少し怖くて蛍くんと忠くんの手を強く握れば2人とも寄り添う様にそばに寄ってくれた。
「(女子!!美少女!!)」
「(小動物。小さくて可愛いなぁ…)」
「ほら3人自己紹介。」
「1年4組山口忠です。」
「月島蛍です。」
「あ、東峰葉…です。」
「「東峰!?」」
「ひっ!!?」
ずいっと寄って来た丸刈りの先輩顔があまりにも怖くて2人から手を離し蛍くんの後ろに慌てて隠れしがみ付けばじんわりと涙が出てしまった。
怖い。
あの人怖い。
なんとか涙を流れない様に押しとどめて居ると忠くんが後ろから背中をさすってくれた。
あぁごめんね迷惑をかけて。
「葉ちゃんが泣きそうだからやめなさい田中!!」
「(これは罪悪感がやばい。小さい子泣かした時と同じくらいやばい。本当に高校生?)ご、ごめんね。驚かせちゃったべ?」
ゆっくりと目線を合わせる様に近づいて来たもう1人の先輩は困った様に顔を覗き込んで来た。
「び、びっくりしただけなので大丈夫です。こちらこそすみません。」
「良かった。葉ちゃんって呼んでも良い?」
「はい。」
「俺は菅原孝支。3年であっちの坊主が2年の田中」
「田中龍之介だ!!驚かせて悪い…」
「だだだ大丈夫です。」
菅原先輩も優しそうな先輩。
ゆっくりと蛍くんの背中…というか腰から離れる。
それでもジャージを握る手は離せないけど…恐る恐る見上げれば困った様に笑われた。
顔は怖いけど田中先輩も悪い人じゃなさそう…。
「葉ちゃん…東峰って…」
「あ、あの兄がいつも…お世話になっております…。東峰旭の妹です。」
「そっかー旭の…全然似てないね。」
「よ、よく言われます。」
「いや性格はよく似てるだろ。」
「いやーあの性格は女の子だから許されるんっすよ。葉ちゃんは可愛いっす。天使っす」
「か、可愛い?!そそそんなことないれふ…」
か、噛んでしまった。
恥ずかしさで多分今顔は真っ赤だろう。
見られたくなくて俯けば何故か澤村先輩に撫でられた。
「「「(あぁ可愛いなぁ。癒される。)」」」
戸惑って居ると潔子先輩が呼んでくれた。
ありがたく駆け寄れば体育館の端っこで普段の仕事を一通りとスコアのつけ方とかバレーの細かいルールを教えてもらい練習の見学であっという間に部活が終わってしまった。
タオルやボトル配りを手伝わせてもらって他の2年の先輩達とも自己紹介をしたので部員は全員覚えた!!
潔子先輩はできるたびに頭をなで褒めてくれるのですごく嬉しい。
ホクホクと頬を緩ませ着替え終わり部室を出れば外で蛍くんと忠くんが待っていてくれた。
「一緒に帰ろう葉ちゃん」
「もう夜も遅いでしょ?送ってあげる。」
「え、送ってもらうなんて悪いよ。」
「良いから。どうせ道一緒でしょ?」
「うん。ありがとう蛍くん忠くん」
「さすがツッキー」
「うるさい山口」
3人で帰って居ると体育館脇の街頭のあるところで2人の男の子がバレー?をしていた。
ジャージの色から同じ1年生らしい。
どうしたんだろうなんて思いながら見て居ると蛍くんが後ろから背の小さい方の男の子が打ち返そうとしたボールを長い腕を伸ばしてキャッチしてしまった。
「?!」
「へーっ本当に外でやってる!」
蛍くんと忠くんは何か知って居るみたいだ。
蛍くんの顔を見上げればニヤニヤニコニコと御伽噺に出てくる意地悪な猫みたいに笑っていた。
「むっ?!」
「君らが初日から問題起こしたっていう1年?」
ゲッTシャツ!?寒っと小さく言った忠くんに激しく同意する。
4月とは言えまだまだ朝晩は冷え込むのに半袖とか見て居るこっちが寒くなる。
首を亀みたいに縮め首に巻いたマフラーに鼻まで埋める。
男の子私よりは当然大きいけど忠くんと蛍くんと並ぶとそれほど大きくないのがよく分かる。
本人も蛍くんの大きさに驚いて居るのか飛び上がっていた。
「かっ返せよっ」
「小学生は帰宅の時間じゃないの」
懸命にボールを取り返そうとするけど蛍くんが腕を上げて届かない様にする。
意地が悪いな…蛍くん。
普段私や忠くんに対しては優しいのに…。
「だれなんだお前っ」
「入部予定の他の1年…か?」
少し4人から遠くで成り行きを見ようと忠くんと蛍くんから少し離れた。
うー寒い。
ここでも4人の声は十分大きいので聞こえる。
縮こまって見ても暖まらない。
あそこの自動販売機でココアでも買おう。
ポケットからお気に入りの黒柴犬のシリコンでできた小銭入れを出してココアを買う。
ついでに蛍くんと忠くんにコーヒーでいいかな?ホットを2本と何と無く男の子2人にもスポーツドリンクを2つ買う。
コーヒー2本はそれぞれ左右のポケットに入れてスポーツドリンクとココアを抱えて戻ればなんか話が終わったみたいだけど蛍くんの機嫌が悪そうだった。
「あの。」
「君は?」
「葉ちゃん…」
「良かったらこれ飲んでください。マネージャー予定の東峰です。」
背の低い方の男の子に押し付ける様にペットボトル2本渡した。
「あざーすっ!!」
「1年4組月島蛍今日から君らのチームメイトだよ」
「同じく4組の山口忠。宜しく」
「あ、明日は敵か。王様のトス見られるの楽しみにしてるよ」
蛍くんと忠くんもどうぞとコーヒーを渡せば少し殺伐とした空気が緩んだ気がした。
寒さで赤くなった指先を温める様にココアの缶を握り締めればホッコリする。
歩き始めた2人に合わせて歩けば後ろの方で男の子が騒ぐ声が聞こえるが蛍くんの歩くスピードが速くて…なんとなく喧嘩したのかな?なんておもう。
「…ま待ってツッキー!葉ちゃん付いてくるの大変そうだよ。」
忠くんがそう言えば1人足早に歩いていた蛍くんが少しゆっくりと歩くスピードを緩めてくれた。
「葉ちゃん早く言えばよかったのに…」
「ううん。いつも私に合わせてくれてたんだよね?いつもごめんね。」
「…。」
「葉ちゃんに気付かないなんてど…どうかしたの!?」
「イライラすんだよ無駄にアツい奴って…王様も…さっきのチビも」
蛍くん基本的に意地悪そうに笑って居るか優しく笑って居るかクールにすましているかのどれかしか見たことがない。
初めて怒っているところ見た。
悪く言えば冷めてる。
そんな蛍くんが初めて怒ってるとこをみた。
あれは怒ってる?っていうより拗ねているみたいだ。
なんだか蛍くんが大きな子供に見えてそんな彼の後ろを忠くんと2人で静かに帰った。
。
「急だったけど着替えある?今日体育なかったよね」
荷物をまとめて鞄にしまい準備が終わったところで2人から声をかけてもらいました。
改めて並ぶと2人とも大きいですね。
羨ましいです。
「はい。実はずっと毎日体操服は体育がなくても持って来ていまして。」
「そうだったの。」
「あれ?先輩への連絡は?」
「マネージャーの先輩には一応」
「あの美人な人だよね」
「潔子先輩とても良い人です。」
3年生のマネージャーの先輩は清水潔子先輩と言ってみんなが振り向くぐらいの美人な人です。
とても優しくて兄の事で申し訳なくって謝っていた私に謝らなくて良いよ大丈夫と優しく対応してくださったのです。
因みに私のスマートフォンにアプリとアドレスと両方入ってます。
3人でおしゃべりしながら体育館に行く途中ボトルの準備をしていた潔子先輩に出くわし部室の場所に案内してもらった。
マネージャーの更衣室は女子バレー部と共同らしく部室棟の1階で男子バレー部の部室は2階だった。
着替え終わったら男子バレー部の部室に行くように言われ潔子先輩は自分の仕事に戻っていった。
蛍くんと忠くんとは階段の前で別れ部室に入りさっさと着替えた。
4月といってもまだ寒いから体操服の長袖長ズボンを来て脱いだ制服は畳んで鞄に詰め込む。
ロッカーはどこを使えば良いのかわからないからとりあえず邪魔にならないようにはじに置かせてもらった。
長い髪を1本のポニーテールにシュシュで結んで少し長い袖を手首のところで折れば準備完了。
えっと男子バレー部の部室だよね。
入部届けを持ってカンカンと鉄の外階段を登り左から2番目の部室。
プレートは男子バレー部。
コンコンコンと3回ノックすれば蛍くんと忠くんではない声が聞こえた。
「はーい。」
「あの、マネージャー志望の東峰です。」
「あぁ清水から聞いてるよ。入りなさい。」
ドアを開けてひょっこり出て来たのは黒髪のなんだかがっしりした爽やかそうな男の人。
多分この人がお兄ちゃんから聞いていた主将の澤村先輩なんだろう。
よく来たなと笑い頭を少し撫でてくれた。
お兄ちゃんと同じ大きな手。
暖かい手に癒されるなと思いながら大人しく撫でられた。
部室にはいれば中にはもう着替え終わって居る2人がこちらを見ていた。
「君は旭の妹なんだって?」
「はい。でも兄が申し訳ありません。」
「大丈夫だ。あいつはそのうち戻ってくる。そういう奴だ。君は気にしなくて良いからな。」
「ありがとうございます。」
入部届けを手渡せばニコニコとまた頭をなでられる。
良い人です。
「あらためてオレは主将の澤村大地だ。」
「東峰葉です。よろしくお願いします。」
「あぁ。よろしくな。」
部員に紹介するから一緒においでと言われ澤村先輩を先頭に3人並んで体育館まで付いて行った。
なんか緊張する。
ちょっと心臓が痛い。
モジモジと手元の袖をいじって居ると蛍くんに見られてしまった。
「何やってるの?」
うわ。
恥ずかしい。
「なんかちょっと緊張してしまって…」
「そう。でもあんまりいじってるとヨレヨレになるよそれ。」
不安なら手繋ぐ?と手を差し伸べでくれたので遠慮なく握らせてもらった。
蛍くんの手は細くてでも大きかった。
「俺とも繋ぐ?」
忠くんも差し出してくれたので嬉しくて大きな2人と手を繋ぐと連行されるグレイマンみたいになるかもしれないけど遠慮なく繋がせてもらった。
不安なんてもうなかった。
心の中があったかくて顔もゆるゆる緩んだ。
「お前ら仲がいいな」
「同じクラスですから。」
「2人はとても優しくて良い人です」
「そうか。」
また頭をなでられた。
なんだか澤村先輩はお父さんみたいだ。
4人で話しながら体育館に行くと2人の先輩が丁度大きなあくびをしていた。
「ふ」
「「あーあ」」
「眠そうだなお前ら」
澤村先輩が後ろから声をかけると大きく体を跳ねさせてびっくりしていた。
どうやら後から来た澤村先輩含め私達に気が付いていなかったみたいだ。
「えっそぉ!?勉強のしすぎかなァ~?」
「おっ俺も勉強のっ」
寝不足なのかな…随分と眠そうだよ。
朝練習とか早いのかな?厳しいのかな…?
そう言えばお兄ちゃんも前までは朝早く行ってたな…。
先輩たち目が泳いで居るしなんか冷や汗かいてるし何か誤魔化そうとしてる?
小声で
お前に限ってそれはないだろ!
なんて言ってるのも聞こえる。
何かあったのかな…?
「まぁ良いや今日から入部の1年紹介するよ。」
「「?」」
若干挙動不審な先輩たち2人組をジト目で見ていた澤村先輩は話を変えるのかこちらを振り向いた。
蛍くんも忠くんも1歩前に出たので手をつないで居る私もつられて2歩前に。
2人と足の長さが違うから2歩になった。
「「宜しくお願いしまぁーす。」」
「宜しくお願いします。」
3人で声は揃わなかったけど挨拶をすれば先輩たちに凄い見られた。
な、なんか丸刈りの先輩が少し怖くて蛍くんと忠くんの手を強く握れば2人とも寄り添う様にそばに寄ってくれた。
「(女子!!美少女!!)」
「(小動物。小さくて可愛いなぁ…)」
「ほら3人自己紹介。」
「1年4組山口忠です。」
「月島蛍です。」
「あ、東峰葉…です。」
「「東峰!?」」
「ひっ!!?」
ずいっと寄って来た丸刈りの先輩顔があまりにも怖くて2人から手を離し蛍くんの後ろに慌てて隠れしがみ付けばじんわりと涙が出てしまった。
怖い。
あの人怖い。
なんとか涙を流れない様に押しとどめて居ると忠くんが後ろから背中をさすってくれた。
あぁごめんね迷惑をかけて。
「葉ちゃんが泣きそうだからやめなさい田中!!」
「(これは罪悪感がやばい。小さい子泣かした時と同じくらいやばい。本当に高校生?)ご、ごめんね。驚かせちゃったべ?」
ゆっくりと目線を合わせる様に近づいて来たもう1人の先輩は困った様に顔を覗き込んで来た。
「び、びっくりしただけなので大丈夫です。こちらこそすみません。」
「良かった。葉ちゃんって呼んでも良い?」
「はい。」
「俺は菅原孝支。3年であっちの坊主が2年の田中」
「田中龍之介だ!!驚かせて悪い…」
「だだだ大丈夫です。」
菅原先輩も優しそうな先輩。
ゆっくりと蛍くんの背中…というか腰から離れる。
それでもジャージを握る手は離せないけど…恐る恐る見上げれば困った様に笑われた。
顔は怖いけど田中先輩も悪い人じゃなさそう…。
「葉ちゃん…東峰って…」
「あ、あの兄がいつも…お世話になっております…。東峰旭の妹です。」
「そっかー旭の…全然似てないね。」
「よ、よく言われます。」
「いや性格はよく似てるだろ。」
「いやーあの性格は女の子だから許されるんっすよ。葉ちゃんは可愛いっす。天使っす」
「か、可愛い?!そそそんなことないれふ…」
か、噛んでしまった。
恥ずかしさで多分今顔は真っ赤だろう。
見られたくなくて俯けば何故か澤村先輩に撫でられた。
「「「(あぁ可愛いなぁ。癒される。)」」」
戸惑って居ると潔子先輩が呼んでくれた。
ありがたく駆け寄れば体育館の端っこで普段の仕事を一通りとスコアのつけ方とかバレーの細かいルールを教えてもらい練習の見学であっという間に部活が終わってしまった。
タオルやボトル配りを手伝わせてもらって他の2年の先輩達とも自己紹介をしたので部員は全員覚えた!!
潔子先輩はできるたびに頭をなで褒めてくれるのですごく嬉しい。
ホクホクと頬を緩ませ着替え終わり部室を出れば外で蛍くんと忠くんが待っていてくれた。
「一緒に帰ろう葉ちゃん」
「もう夜も遅いでしょ?送ってあげる。」
「え、送ってもらうなんて悪いよ。」
「良いから。どうせ道一緒でしょ?」
「うん。ありがとう蛍くん忠くん」
「さすがツッキー」
「うるさい山口」
3人で帰って居ると体育館脇の街頭のあるところで2人の男の子がバレー?をしていた。
ジャージの色から同じ1年生らしい。
どうしたんだろうなんて思いながら見て居ると蛍くんが後ろから背の小さい方の男の子が打ち返そうとしたボールを長い腕を伸ばしてキャッチしてしまった。
「?!」
「へーっ本当に外でやってる!」
蛍くんと忠くんは何か知って居るみたいだ。
蛍くんの顔を見上げればニヤニヤニコニコと御伽噺に出てくる意地悪な猫みたいに笑っていた。
「むっ?!」
「君らが初日から問題起こしたっていう1年?」
ゲッTシャツ!?寒っと小さく言った忠くんに激しく同意する。
4月とは言えまだまだ朝晩は冷え込むのに半袖とか見て居るこっちが寒くなる。
首を亀みたいに縮め首に巻いたマフラーに鼻まで埋める。
男の子私よりは当然大きいけど忠くんと蛍くんと並ぶとそれほど大きくないのがよく分かる。
本人も蛍くんの大きさに驚いて居るのか飛び上がっていた。
「かっ返せよっ」
「小学生は帰宅の時間じゃないの」
懸命にボールを取り返そうとするけど蛍くんが腕を上げて届かない様にする。
意地が悪いな…蛍くん。
普段私や忠くんに対しては優しいのに…。
「だれなんだお前っ」
「入部予定の他の1年…か?」
少し4人から遠くで成り行きを見ようと忠くんと蛍くんから少し離れた。
うー寒い。
ここでも4人の声は十分大きいので聞こえる。
縮こまって見ても暖まらない。
あそこの自動販売機でココアでも買おう。
ポケットからお気に入りの黒柴犬のシリコンでできた小銭入れを出してココアを買う。
ついでに蛍くんと忠くんにコーヒーでいいかな?ホットを2本と何と無く男の子2人にもスポーツドリンクを2つ買う。
コーヒー2本はそれぞれ左右のポケットに入れてスポーツドリンクとココアを抱えて戻ればなんか話が終わったみたいだけど蛍くんの機嫌が悪そうだった。
「あの。」
「君は?」
「葉ちゃん…」
「良かったらこれ飲んでください。マネージャー予定の東峰です。」
背の低い方の男の子に押し付ける様にペットボトル2本渡した。
「あざーすっ!!」
「1年4組月島蛍今日から君らのチームメイトだよ」
「同じく4組の山口忠。宜しく」
「あ、明日は敵か。王様のトス見られるの楽しみにしてるよ」
蛍くんと忠くんもどうぞとコーヒーを渡せば少し殺伐とした空気が緩んだ気がした。
寒さで赤くなった指先を温める様にココアの缶を握り締めればホッコリする。
歩き始めた2人に合わせて歩けば後ろの方で男の子が騒ぐ声が聞こえるが蛍くんの歩くスピードが速くて…なんとなく喧嘩したのかな?なんておもう。
「…ま待ってツッキー!葉ちゃん付いてくるの大変そうだよ。」
忠くんがそう言えば1人足早に歩いていた蛍くんが少しゆっくりと歩くスピードを緩めてくれた。
「葉ちゃん早く言えばよかったのに…」
「ううん。いつも私に合わせてくれてたんだよね?いつもごめんね。」
「…。」
「葉ちゃんに気付かないなんてど…どうかしたの!?」
「イライラすんだよ無駄にアツい奴って…王様も…さっきのチビも」
蛍くん基本的に意地悪そうに笑って居るか優しく笑って居るかクールにすましているかのどれかしか見たことがない。
初めて怒っているところ見た。
悪く言えば冷めてる。
そんな蛍くんが初めて怒ってるとこをみた。
あれは怒ってる?っていうより拗ねているみたいだ。
なんだか蛍くんが大きな子供に見えてそんな彼の後ろを忠くんと2人で静かに帰った。
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