「－いいのか？田中入れて。戦力になるだろ」

「－有力な第３者が居る方があいつらが如何に連携できていないかが浮き彫りになるさ」




気が付けば体育館の片づけはほぼほぼ終わっていた。

明日の朝まで他の部が使う予定もないのでネットはたるませるだけでいいらしい。




「・・・繋ぎが命のバレーでバラバラなチームは弱い。ましてやまだまだ力不足の日向を抱えて個人主義は致命的だ。」

「・・・・・。」

「なんかさーあいつらにキツイんじゃねー？大地」

「確かにいつもより厳しいっすね大地さん」

「・・・・・・。」

「なんか特別な理由でもあんの？」

「・・・・・。」




普段からあんな感じではないんだな。

私としてはいいと思うんだけれど流石部活の大黒柱。

主将は主将として考えていることがたくさんあるらしい。

澤村先輩はため息をつくとゆっくりと話し始めた。




「「？」」

「お前らも去年のあいつらの試合見たろ。影山は中学生としてはズバ抜けた実力を持ってたはずなのにいまいち結果は残せていない。そんであの個人主義じゃ中学のリピートだ。チームの足を引っ張りかねない。でも、中学と違うのは今影山と同じチームに、日向がいる。」

「日向？」

「うん。実力派まだまだだよな。でも、たぐいまれなスピードと反射神経を持ってて加えてあのばねだ。でも中学では満足なトスを上げられるセッターに恵まれなかった。対して影山は高い技術を持ったセッターで自分のトスを打てる速いスパイカーを求めてる。」

「あいつら単体じゃ不完全だけれど才能を合わせたらー。連携攻撃が使えたら、烏野は劇的に進化する。そう思わないか」





確信にも似た澤村先輩の言葉。

澤村先輩には世界はどんな風に見えているんだろうか？

私はきれいな瞳でチームのために考えた理想を語る澤村先輩の後ろに飛び立つ黒いカラスが見えた気がした。





「澤村先輩。これからは田中先輩みたいに大地先輩って呼んでもいいっすか？」

「ん？どうしたんだ急に？」

「・・・私決めました。これ。」

「仮入部届？って・・・」

「はい！！マネジとして支えさせてください。」

「うぉおまじか！！？？？」

「本当にいいのか？和樹」

「うん。こんな私でもいいのならこのチームに入れてください！！」

「大歓迎だ和樹これからよろしくな。」

「はい！！大地先輩」

「うぉお！！喜べみんな！！美人１年マネージャーが入部したぞぉ！！？？？？」

「「「うぉっしゃー！！」」」





何故か予想以上に喜ばれて２年生が暴れまわり３年生３人組はにこにことほほ笑んでいた。















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