17-13

現在のローテーションは前衛に犬岡、山本さん、海さん。

後衛に孤爪さん、福永さん、黒尾さんと交代で夜久さん。

孤爪さんからのサーブで威力はないがコントロール重視。

ピンポイントで前衛中央の翔陽を狙ってきた。




「うっ」



アンダーでとるには高い。

オーバーでとるには低い。

絶妙に嫌な高さで案の定、翔陽は迷っているのがこっちから見てもわかる。

結局アンダーでとることにした翔陽は胸で受けレシーブが乱れた。



「カバーカバー！」

「そいあっ！龍！！」

「っしゃあああ！ピンチの時に決めんのは旭さんだけじゃないんだゼェェェエ！！！」



ブロックは二枚。

きっちりストレートも山本さんが締めているが龍先輩は力強くでブロックの山本さんを吹き飛ばした。



「おおっ。」

「田中くんも凄いパワーですね。」

「ッチ」

「「ソイソイソイソォイ！！」」

「うぐぬー」




妙なポーズでシンクロして明らかに山本さんを煽る龍先輩と夕先輩。

山本さんイラついてんなー。

今の明らかに龍先輩は山本さんを狙ったしこれまでもちょこちょこ2人が激しく火花散らしてたからね…。

仕方がないかな。

ポイントは17-14。

龍先輩のサーブだ。

先ほどの龍先輩のプレーに感化されたのか犬岡とお互いに見つめ合う翔陽。

周り見えなくなってないか？と心配していればさすがに大地先輩。

気付いて声をかけていた。




「日向。影山にも力みすぎんなって言われたろ？視野を広くな。」

「！はい。」




田中ナイッサーと龍先輩のサーブは福永さんに処理され海さんが飛び出してきて一見速攻に見えるがその後ろで犬岡が動いてる。

瞬時に翔陽が気づきブロック。

ワンタッチで緩くなったボールは綺麗にアンダーで処理され飛雄に。

着地した途端翔陽はコートを走りブロード攻撃。

犬岡も反応速度は速かった。



「音駒の7番も反応早い…！」

「ギリギリの戦いの中でお互いに影響し合い時に実力以上の力を引き出す。まさに好敵手か」



翔陽の普通の速攻は犬岡を避けようとした結果やはりタイミングが合わずにペチリとなんとも拍子抜けな音がして意図せずフェイントのようにひょろっとコートに落ちた。




「ふんぬっ」

「うぉっ」



夜久さんが飛び込んだが間に合わず。



「抜いた！！」

「入った！！」

「よっしゃあ！！」

「「もう一本！！」」

「もう一本ー」

「俺らも負けらんないっす！！」

「うん。」



ほんと相性がいいなぁ。

お互いに…少し羨ましくも思う攻防を一瞬たりとも逃さないように記録を残す。




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