男の子っぽい女の子のお名前でどーぞ!!
始まりからインターハイ予選途中まで
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攻略されていく。
追い詰められていく。
少しずつ息の根を止められていく。
「おい!いちいち凹んでらんねーぞ!次の一本取り返す!」
「絶対に止められないスパイクなんかないんだ。迷うなよ。」
「次は決めたれ日向!」
「…はい!!」
チームの雰囲気は悪くない。
翔陽はまだ折れてない。
2セット目開始。
2セット目は開始早々翔陽の速攻は犬岡に止められる。
「ああっ…また!」
「っし!!!ナイスブロック犬岡!!」
「高尾…」
「犬岡ですか?」
「あぁ。マグレじゃねぇな日向の動きに慣れて来てる。」
「そうっすね。今の翔陽の課題がやって来た。」
中学最初で最後の試合で完全にシャットアウトされて、高校でも月島の高さに全然勝てなくて…でも、やっと手に入れた自分よりもデカイ相手と戦う方法。
翔陽にとって唯一最強の攻撃。
それがたった1人のブロッカーに止められた。
「…日向…大丈夫か…」
「…すーさんは心配?」
「和樹…」
「私は全然ほら…見て見て…」
心配そうなスーさん。
でも大丈夫だよ。
「影山…もう一回。」
苦しいはずなのにほら諦めてないよ。
むしろ集中力上がってんじゃないかな?
3-1。
音駒の3点は翔陽のスパイクが止められて取られてる得点。
「大地さんナイスカバー!」
「西谷!」
「レフト!」
正直翔陽はバテバテ。
でも変えないよ。
ちらりと刺さる視線に目を向ければ蛍がこっちをもの言いたげに見て来ていた。
「なんで日向を変えないのかって言いてぇのか?」
「…別に…」
烏養コーチが答えてくれた。
どうやら考えは同じらしい。
「これが公式戦なら変えてるかもな。でも今なら解決策を探すチャンス…でも日向が戦意喪失してしまうなら一回下げたほうがいいかもな。」
「試合の中でしか気づけないこともある。まだバレーを始めたばかりの翔陽や新しいこのチームに足りないものは圧倒的な経験。今がその経験をするチャンス。」
コートでは旭先輩のスパイク。
夜久さんが拾うがあまりの威力にそのまま跳ね返ってくる。
烏野のチャンスボール。
翔陽がまた走る。
今度はうまく犬岡を交わすがやはり犬岡とのリーチの差は大きく遅れながら飛んだ犬岡が片手で叩き落とす。
「!くそっ」
「ダメか…」
「気力を挫く人の壁。打てば打っただけ心は折れていくのが普通だけど…あの子は違う。」
俯いていた翔陽が顔を上げた。
殺気にも似たプレッシャー。
翔陽は笑っていた。
「おい…」
「…なんか違うんだ。」
「あ?」
「ブロックで向こう側が全然見えなくてどうすればいいのか全然分かんなかった。あの頃の感じとは…なんか違う。むこうもギリギリでついて来てるのわかる…今までブロックは怖くて嫌なだけだったのにあいつが目の前に来るとワクワクするんだ。お前のトスとあと…なにか…何かの工夫で…撃ち抜けるんじゃないかって思うんだ。だからもう一回。俺にトス上げてくれ。」
「当たり前だ!」
7-5。
何度も何度もとぶ翔陽とトスを上げる飛雄。
先に飛ぶ翔陽に合わせてダイレクトデリバリーのトスが飛んでいく。
しかし、翔陽の様子がいつもと違った。
「ぇっ」
翔陽がボールとブロッカーの手を見た。
あまりに見過ぎでボールは翔陽を素通りしコート外に出てった。
「あっオアッぎゃっ」
ボールをからぶって自分でも驚いたのか着地もままならず背中から落ちた。
「今…日向トスを見た…!」
「え…でもそれって当然のことですよね」
「普通はそうだけど!日向の場合今までボールは完全に影山に任せてひたすらフルスイングだったのに!」
「先生!!タイムアウトとって!!」
「は「っ…たったたたタイム!!」
タイムアウト取ろうとした先生よりも素早くコーチが椅子から転げ落ちながらタイムアウトをとった。
「あっおっお前のトスを信用してないとかじゃなくてだな…なんだろ…」
「何焦ってんだお前」
「た、高尾さんたすけ…」
テンパる翔陽が困ったように助けを求めて来やがった。
「飛雄、翔陽にインダイレクトデリバリーやって。」
「イン?だいれ?な、なに?」
「いつものトスよりも少しだけ柔めのトスだ。いつものまっすぐ飛んてくのをダイレクトデリバリーっつてな…てか高尾!!おまっ…」
「なんですか?今の見たらできると思いません?」
「そう言えば…和樹だったよね。あの超速攻の始まり…」
すーさんいらん情報今ブッ混まないで。
コーチのギラついた目が怖い。
「まぢでか。」
「え?ちょっと助言しただけで片鱗はあったし私は無茶振りなんかしませんよ。」
「えっ?なに?なんの話?ですか?」
「いつものスパッ!って言うまっすぐな軌道のトスじゃなくて少しだけふわっとしたトスで少しでも翔陽に余裕ができるようにして。普通の速攻をやろう。いきなり変えるのは正直難しいけど…」
「やります!」
「お前ほんと素人か?」
「だから勉強中ですって。」
「高尾さんどうしてトスを変えるんですか?」
「さっきも言ったように空中で翔陽に余裕ができるようにしたいんです。さっき翔陽は空中でブロックを避けようとしました。」
「アレだな1セットめの影山のストレートで間を撃ち抜いたやつを見よう見まねでやろうとしてんじゃねぇか。ブロックを避けようとして…まぁ全然できてなかったけどな。つーか俺ほぼ役不足じゃねぇか…。」
「なーに言ってんですか。私が資格取得できたのも自由に偵察に出かけられたのもコーチがいたから。コーチのおかげで仕事が減って睡眠時間これでも伸びたんすよ。まぁ黒澤先生からの無茶振りと鷲匠先生からの勧誘とか余計なものは増えましたけど…。」
「確かに高尾さん授業中に顔真っ青でたまに気絶していましたものね。」
「うげ、バレてら…」
「なまじ成績はいいので僕達も起こしませんでした。」
「マジかよ高尾。お前なにしてんだ。」
気がつくと授業中に気絶するように寝てるとか良くやらかしてたけど…誰も起こさないから気付かれてないのかと思ってた。
成績良くてよかった。
成績悪けりゃ普通に大目玉だっただろうから…。
もうこの話はしたくないとコートに目を向ければ何度も何度も挑戦するが失敗を繰り返していた。
今まで全然考えないで打ってたからいざ自分で合わせそうとするとわかんねぇ…。
「タイム!」
「あ、コーチダメだよ…」
「は?日向一回落ち着け!」
「はいっ」
あちゃーこのタイミングでタイムアウト。
もうタイムアウト残ってねぇのはマズイ。
嫌な予感バリバリで恨めしくコーチを睨みあげればびくりと少し引かれた。
引きながらも翔陽に指示を出すのは良しとしよう。
っとなればできることをやっておくべし!!
「か、影山はベストなところにトスくれっから」
「はい。す、すみません。おれ…沢山ミス。」
「なにを言うか!!俺はいつもお前のおかげでフリーで打ててるからな!」
「うんうん。」
「たまには俺の方がかっこいい試合があってもいいんだ。」
「いつも龍先輩はかっこいいですよ。あ、蛍ちょっと良い?旭先輩も」
「…なに?」
「あ、うん、」
「あっちの黒尾さんかなりの曲者で1人時間差やら引っ掛けやらやらかしてくるけど今日はまだやってないし福永さんバックアタックもまだ今日やっない。この意味わかるよね?元々音駒は後半調子を上げてくるスロースターターそろそろ反撃してくると私は思ってる。」
「すまん高尾。」
「あぁ、だから高尾さんはタイムアウト取らないように言ったんですね。」
「そ、むしろこっからが厳しくなる今まで粘りの守りで追い上げてきた向こうがこのあと攻撃を激しくやらかしてくれるだろうからね。多分タイミング的には黒尾さんが前衛に上がってきてる時。2人はマッチアップの多いからね。あの人も頭いいから音駒のもう1人の頭脳だから。つられないようにきっちり見てリードブロックお願いします。」
過去のデータから予測できるのはここまで。
あとは選手たちがどう対応していくかに賭けるしかない。
「高尾さんすげー」
「ありがと翔陽。翔陽はどんどんやりなさいな。後ろには先輩たち居るでしょ?」
「うん!!」
「点は俺たちが取り返す。」
「あんまりやらかしちゃうと替えられちゃうかもね」
「月島!!」
「大丈夫大丈夫。何かつかめそうならとことんやりなさい。飛んでる時は1人でも高尾ちゃんが言うように後ろにはちゃんと俺たちが居るし、点はエースがとってくれるらしいからな!頼もしいなオイ」
「旭先輩かーくいぃ!!」
「大地!和樹!プレッシャーかけんなよ!傷付いちゃったらどうすんだ!」
「そうっすよガラスのハートなんだから!」
「もうやめたげて!!」
「ぶふっ」
いつものコントのようなやり取りが面白くてお腹を抱えて笑う。
もーヤバい。
これだから大好き!!
追い詰められていく。
少しずつ息の根を止められていく。
「おい!いちいち凹んでらんねーぞ!次の一本取り返す!」
「絶対に止められないスパイクなんかないんだ。迷うなよ。」
「次は決めたれ日向!」
「…はい!!」
チームの雰囲気は悪くない。
翔陽はまだ折れてない。
2セット目開始。
2セット目は開始早々翔陽の速攻は犬岡に止められる。
「ああっ…また!」
「っし!!!ナイスブロック犬岡!!」
「高尾…」
「犬岡ですか?」
「あぁ。マグレじゃねぇな日向の動きに慣れて来てる。」
「そうっすね。今の翔陽の課題がやって来た。」
中学最初で最後の試合で完全にシャットアウトされて、高校でも月島の高さに全然勝てなくて…でも、やっと手に入れた自分よりもデカイ相手と戦う方法。
翔陽にとって唯一最強の攻撃。
それがたった1人のブロッカーに止められた。
「…日向…大丈夫か…」
「…すーさんは心配?」
「和樹…」
「私は全然ほら…見て見て…」
心配そうなスーさん。
でも大丈夫だよ。
「影山…もう一回。」
苦しいはずなのにほら諦めてないよ。
むしろ集中力上がってんじゃないかな?
3-1。
音駒の3点は翔陽のスパイクが止められて取られてる得点。
「大地さんナイスカバー!」
「西谷!」
「レフト!」
正直翔陽はバテバテ。
でも変えないよ。
ちらりと刺さる視線に目を向ければ蛍がこっちをもの言いたげに見て来ていた。
「なんで日向を変えないのかって言いてぇのか?」
「…別に…」
烏養コーチが答えてくれた。
どうやら考えは同じらしい。
「これが公式戦なら変えてるかもな。でも今なら解決策を探すチャンス…でも日向が戦意喪失してしまうなら一回下げたほうがいいかもな。」
「試合の中でしか気づけないこともある。まだバレーを始めたばかりの翔陽や新しいこのチームに足りないものは圧倒的な経験。今がその経験をするチャンス。」
コートでは旭先輩のスパイク。
夜久さんが拾うがあまりの威力にそのまま跳ね返ってくる。
烏野のチャンスボール。
翔陽がまた走る。
今度はうまく犬岡を交わすがやはり犬岡とのリーチの差は大きく遅れながら飛んだ犬岡が片手で叩き落とす。
「!くそっ」
「ダメか…」
「気力を挫く人の壁。打てば打っただけ心は折れていくのが普通だけど…あの子は違う。」
俯いていた翔陽が顔を上げた。
殺気にも似たプレッシャー。
翔陽は笑っていた。
「おい…」
「…なんか違うんだ。」
「あ?」
「ブロックで向こう側が全然見えなくてどうすればいいのか全然分かんなかった。あの頃の感じとは…なんか違う。むこうもギリギリでついて来てるのわかる…今までブロックは怖くて嫌なだけだったのにあいつが目の前に来るとワクワクするんだ。お前のトスとあと…なにか…何かの工夫で…撃ち抜けるんじゃないかって思うんだ。だからもう一回。俺にトス上げてくれ。」
「当たり前だ!」
7-5。
何度も何度もとぶ翔陽とトスを上げる飛雄。
先に飛ぶ翔陽に合わせてダイレクトデリバリーのトスが飛んでいく。
しかし、翔陽の様子がいつもと違った。
「ぇっ」
翔陽がボールとブロッカーの手を見た。
あまりに見過ぎでボールは翔陽を素通りしコート外に出てった。
「あっオアッぎゃっ」
ボールをからぶって自分でも驚いたのか着地もままならず背中から落ちた。
「今…日向トスを見た…!」
「え…でもそれって当然のことですよね」
「普通はそうだけど!日向の場合今までボールは完全に影山に任せてひたすらフルスイングだったのに!」
「先生!!タイムアウトとって!!」
「は「っ…たったたたタイム!!」
タイムアウト取ろうとした先生よりも素早くコーチが椅子から転げ落ちながらタイムアウトをとった。
「あっおっお前のトスを信用してないとかじゃなくてだな…なんだろ…」
「何焦ってんだお前」
「た、高尾さんたすけ…」
テンパる翔陽が困ったように助けを求めて来やがった。
「飛雄、翔陽にインダイレクトデリバリーやって。」
「イン?だいれ?な、なに?」
「いつものトスよりも少しだけ柔めのトスだ。いつものまっすぐ飛んてくのをダイレクトデリバリーっつてな…てか高尾!!おまっ…」
「なんですか?今の見たらできると思いません?」
「そう言えば…和樹だったよね。あの超速攻の始まり…」
すーさんいらん情報今ブッ混まないで。
コーチのギラついた目が怖い。
「まぢでか。」
「え?ちょっと助言しただけで片鱗はあったし私は無茶振りなんかしませんよ。」
「えっ?なに?なんの話?ですか?」
「いつものスパッ!って言うまっすぐな軌道のトスじゃなくて少しだけふわっとしたトスで少しでも翔陽に余裕ができるようにして。普通の速攻をやろう。いきなり変えるのは正直難しいけど…」
「やります!」
「お前ほんと素人か?」
「だから勉強中ですって。」
「高尾さんどうしてトスを変えるんですか?」
「さっきも言ったように空中で翔陽に余裕ができるようにしたいんです。さっき翔陽は空中でブロックを避けようとしました。」
「アレだな1セットめの影山のストレートで間を撃ち抜いたやつを見よう見まねでやろうとしてんじゃねぇか。ブロックを避けようとして…まぁ全然できてなかったけどな。つーか俺ほぼ役不足じゃねぇか…。」
「なーに言ってんですか。私が資格取得できたのも自由に偵察に出かけられたのもコーチがいたから。コーチのおかげで仕事が減って睡眠時間これでも伸びたんすよ。まぁ黒澤先生からの無茶振りと鷲匠先生からの勧誘とか余計なものは増えましたけど…。」
「確かに高尾さん授業中に顔真っ青でたまに気絶していましたものね。」
「うげ、バレてら…」
「なまじ成績はいいので僕達も起こしませんでした。」
「マジかよ高尾。お前なにしてんだ。」
気がつくと授業中に気絶するように寝てるとか良くやらかしてたけど…誰も起こさないから気付かれてないのかと思ってた。
成績良くてよかった。
成績悪けりゃ普通に大目玉だっただろうから…。
もうこの話はしたくないとコートに目を向ければ何度も何度も挑戦するが失敗を繰り返していた。
今まで全然考えないで打ってたからいざ自分で合わせそうとするとわかんねぇ…。
「タイム!」
「あ、コーチダメだよ…」
「は?日向一回落ち着け!」
「はいっ」
あちゃーこのタイミングでタイムアウト。
もうタイムアウト残ってねぇのはマズイ。
嫌な予感バリバリで恨めしくコーチを睨みあげればびくりと少し引かれた。
引きながらも翔陽に指示を出すのは良しとしよう。
っとなればできることをやっておくべし!!
「か、影山はベストなところにトスくれっから」
「はい。す、すみません。おれ…沢山ミス。」
「なにを言うか!!俺はいつもお前のおかげでフリーで打ててるからな!」
「うんうん。」
「たまには俺の方がかっこいい試合があってもいいんだ。」
「いつも龍先輩はかっこいいですよ。あ、蛍ちょっと良い?旭先輩も」
「…なに?」
「あ、うん、」
「あっちの黒尾さんかなりの曲者で1人時間差やら引っ掛けやらやらかしてくるけど今日はまだやってないし福永さんバックアタックもまだ今日やっない。この意味わかるよね?元々音駒は後半調子を上げてくるスロースターターそろそろ反撃してくると私は思ってる。」
「すまん高尾。」
「あぁ、だから高尾さんはタイムアウト取らないように言ったんですね。」
「そ、むしろこっからが厳しくなる今まで粘りの守りで追い上げてきた向こうがこのあと攻撃を激しくやらかしてくれるだろうからね。多分タイミング的には黒尾さんが前衛に上がってきてる時。2人はマッチアップの多いからね。あの人も頭いいから音駒のもう1人の頭脳だから。つられないようにきっちり見てリードブロックお願いします。」
過去のデータから予測できるのはここまで。
あとは選手たちがどう対応していくかに賭けるしかない。
「高尾さんすげー」
「ありがと翔陽。翔陽はどんどんやりなさいな。後ろには先輩たち居るでしょ?」
「うん!!」
「点は俺たちが取り返す。」
「あんまりやらかしちゃうと替えられちゃうかもね」
「月島!!」
「大丈夫大丈夫。何かつかめそうならとことんやりなさい。飛んでる時は1人でも高尾ちゃんが言うように後ろにはちゃんと俺たちが居るし、点はエースがとってくれるらしいからな!頼もしいなオイ」
「旭先輩かーくいぃ!!」
「大地!和樹!プレッシャーかけんなよ!傷付いちゃったらどうすんだ!」
「そうっすよガラスのハートなんだから!」
「もうやめたげて!!」
「ぶふっ」
いつものコントのようなやり取りが面白くてお腹を抱えて笑う。
もーヤバい。
これだから大好き!!