男の子っぽい女の子のお名前でどーぞ!!
始まりからインターハイ予選途中まで
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フッとスーさんがトスをあげれば滝ノ上さんが合わせて強烈なスパイクを決める。
「よっ。」
ドンっとコートに突き刺さった速攻は威力もさることながら前衛の翔陽も大地先輩もブロックを飛べなかったから流石に誰もさわれなかった。
「おーイイ感じイイ感じ。ナイストス!」
「あ有難うございます。」
流石OB。
経験値の差だろう、今日初めてスーさんと合わせるのに全然ミスがない。
多少のズレは大人達がカバーしてくれているって感じだ。
「!菅原さんの速攻っ…!」
「そらお前スガだって歴としたセッターなんだからなっ」
感心するように興奮気味の日向のつぶやきに当然のように返す大地先輩。
大地先輩も2年生の先輩方もなんだか嬉しそうだ。
ここ最近ずっと3対3のミニゲーム以外ゲームでセッターとしてコートに立っていないスーさんが6人制の練習試合でセッターとしてコートに立っているのだからそれもそうか…。
「スガさんナイストス!!」
「!おう!…つっても町内会チームの人たちが上手いこと合わせてくれてんだけどな。流石ベテランて感じだ。俺自身のトスはまだまだだよ。…でも」
「?」
「速攻もどんどん使って強気で攻撃組み立てていかないとまたエースに頼りきりの試合なっちゃうからな」
「スガさんカッチョ良くなったっスねっ」
「エッそお?!西谷に言われるとなんか嬉しいな」
いつもの如く和気藹々としながら喋ってるスーさんと夕先輩。
そんな2人を旭さんはなんとも言えない顔でじっと見ていた。
今旭さんが何を考えているのかなんて正直わからない…けど踏み出した一歩で確実に旭さんは前に進んでる。
旭さんの顔を見たらなんとなくそう思った。
不安なんてないな…。
静かに見守ろう。
「(スガちょっと見ないうちに頼もしくなった。西谷の頼もしさは相変わらずだ。なのに俺はフラフラ戻って来て成り行きだけでまたコートに立ってる。情けないと思う。…けどっ)」
サーバーがサーブを準備してダンダンとボールを床で跳ねさせる。
ポジションがローテーションして守備位置に着く。
ねぇ?
旭さん。
貴方今自分がどんな顔をしているか気づいてますか?
旭さん。
心底バレーが好きだってそういう顔をしていますよ?
「(けど…やっぱりここが好きだ。)」
視界の端で翔陽のポジションを飛雄が小突いて直すのが見えて苦笑いを漏らす。
「翔陽ーポジションしっかり覚えなー!!飛雄グッジョブ!」
「わ、分かってる!!」
「ウスッ」
内澤さんのサーブは龍先輩が拾った。
「行け日向!」
そこから翔陽、飛雄コンビの変則速攻。
流石に初見じゃ反応すらできなかったのか滝ノ上さんは真ん前だったが固まっていた。
「うぉお!?何だ!?」
「すげぇ跳んだなオイ!!」
「すげぇドンピシャなトス…」
当然初見のコーチもポカーンと固まっていてその周りをうろつきニヤニヤソワソワチラチラと先生が反応を伺うように落ち着きなくコーチを見ていた。
なんとなく先生の気持ちがわかり私もニヤニヤと口を緩める。
「よっしゃーっ!!」
「うしっ!!」
「ナイス日向影山!」
バレー以外凸凹で全く気が合わない二人組だけど…やっぱり
「ナイス~!!その調子でガンガン行け!!」
「高尾さんに褒められた!!」
「日向次サーブ!」
「……思うよ。」
「?」
盛り上がる烏野チームを横目にサーブ権の移動でコートに入って来たリベロの夕先輩とすれ違いざまに旭さんはポツリとつぶやいた。
「何回ブロックに捕まってももう1回打ちたいと思うよ。」
「…それならいいんです。それが聞ければ十分です。」
「??」
きっかけは沢山あったけど実際に戻って来たのは旭さん自身の意思でどんなきっかけがあったのかは私にはわからない。
けど旭さんと夕先輩は吹っ切れたようで清々しい良い顔をしていた。
日向のサーブはネットにカスり手前に落ちたから内澤さんも驚いたのかレシーブミス。
「おっとっ」
「ネットインだ!」
「スマンカバー頼む!」
「オーライ!そこのロン毛の兄ちゃんラスト頼む!」
カバーで入った森さんは最後アンダーで旭さんに託すが一瞬旭さんの顔が戸惑っていた。
そして過去を知るみんなも見ていた。
しかしまだ戸惑いはあるのだろうけれど旭さんはキュッと床を蹴り助走に入る。
「止めんぞ!!」
「命令しないでくんない?」
「本気で行くっす旭さん!!」
真ん中に蛍右側に飛雄。
1年長身コンビはいつも通りだが左側の龍先輩は戸惑いながらもそれでも本気で止める気なのだろう。
一番ブロックの硬いこのローテーション。
大きな体で飛び上がった旭さんは力一杯体を逸らし、全身のバネを使ってフルスイング。
旭さんの全力のスパイクはタイミングよく跳んだ飛雄と蛍の手二枚に阻まれたが威力は強烈。
蛍はドシャットだったが飛雄の方は跳ね飛ばされかけていた。
一月のブランクでコレって流石エースと言ったところだ。
コートに落ちかけた強烈なブロックアウトをフライングで夕先輩が拾った。
「うぉぉお!!」
「上がった!ナイスフォロー!」
龍先輩は先ほどの会話を思い出したのだろう再びブワッと男泣きし隣の蛍はギョッとした目で龍先輩を見てびっくりしていた。
「壁に跳ね返されたボールも俺が繋いで見せるからだから、だから、もう1回トスを呼んでくれ!!エース!!!」
掌一枚厚さ約2センチ。
多分同年代の男子たちと比べて一回り小さい夕先輩の手。
このボールと床の間2センチがエースの命を、繋ぐ。
それは凄いことだと思うしバレーの本質。
夕先輩のポジションは一番そういう仕事なのだ。
「カバー!!」
「オーライ。」
カバーのセットアップに入ったのはセッターのスーさん。
スパイクの威力に比例するようにボールが上がりボールの滞空時間は十分。
如何するのだろう。
外から見てもわかるほどスーさんは迷ってる。
でも、今は…
「スーさん!!もう一回!決まるまで!!!」
「うわぁドSだな高尾さん。」
動かない旭さんに嶋田さんがバックアタックを呼んでいる。
だけど…。
「苦しいときや辛いときむすがしいラストボールを託されるのがエースだ!!!旭さん!!怖がらないで!!!貴方には頼れる仲間がいるでしょ?」
「嶋田さ「菅原ァーッ!!!もう一本!!!」
動かない旭さんに叫ぶように睨みつければ旭さんは一瞬弾かれたようにこちらを見た。
目が合った瞬間少し笑えば笑い返してくれた。
もう…大丈夫。
飛べ、飛べ、飛べ!!!
「旭!!!」
ネットから少し離れた高めのトスが上がった。
きっと何本も上げて来たのだろう旭さんの得意なトス。
キュッとネットについたのは先ほどの1年高身長コンビプラス龍先輩。
「高尾さん向こうのチームに肩入れしてんの?悪いけどまた止めるよ?」
「当然だてなんか抜いたら何の意味もねぇよ」
「うぉお!!」
キュッと旭さんが飛ぶ瞬間に合わせて夕先輩もブロックフォロー体制に入る。
旭さんが打ったアタックはさっきよりも強い力で蛍と飛雄の手2枚を弾き飛ばして決まった。
「うっひゃあ…すんごい音っ!!どごごって」
「ありゃ腕もげますね。あははは。」
先生と笑っていればコーチもこちらを見た。
話入りたいのかな?
いやそれとも先生の天然ぶりに驚いたのか…。
「ナイス!!ナイス旭っ!西谷もっ!」
「…お前らも…ナイストススガ…西谷も…ナイスレシーブ」
嬉しそうに笑う3人を見ていればこちらを振り向いた旭さんが寄って来た。
「えっと…高尾…さんっだよね。…ありがとう。背中を押してくれて。」
「高尾和樹です。生意気を言ってすみませんでした。」
「いや、あの…凄く勇気を貰ったから。君にもありがとう。」
「っ!!どういたしまして!!!」
町内会チーム対烏野高校。
ゲーム得点は3対2。
「いやぁ…すごいっボールがブロックに当たった!って認識した時には西谷君はもうボールの下にっ!いやぁ…たまげますねーっブロックされたボールが拾えるなら怖いもの無しですねっ」
「何言ってんだ」
「あははは。せんせぇそれは流石に毎回は無理っすよ。」
「高尾の言う通りだ。あんなもん毎回拾えるわけねぇだろ。疲労つもりでいてもな」
「えっ」
「100キロかそれ以上のスピードのボールがほんの2、3メートルの近距離から予測不可能の方向に落ちてくるんですよ。」
「そんなもん全部拾えるわけねぇ」
「おお…」
「ただ、ブロックされたらそこでおしまい…ではないって分かっていることが大事なんですよ。後ろにはちゃんと仲間がいるのだと分かっているかどうかでメンタルは全然違います。」
「成る程…」
「つか高尾お前ほんとに素人か?」
「元バスケ選手っスからチームプレーとか共通するんですよ。私にはPGでセッターと同じ立ち位置でしたしねー。」
,
「よっ。」
ドンっとコートに突き刺さった速攻は威力もさることながら前衛の翔陽も大地先輩もブロックを飛べなかったから流石に誰もさわれなかった。
「おーイイ感じイイ感じ。ナイストス!」
「あ有難うございます。」
流石OB。
経験値の差だろう、今日初めてスーさんと合わせるのに全然ミスがない。
多少のズレは大人達がカバーしてくれているって感じだ。
「!菅原さんの速攻っ…!」
「そらお前スガだって歴としたセッターなんだからなっ」
感心するように興奮気味の日向のつぶやきに当然のように返す大地先輩。
大地先輩も2年生の先輩方もなんだか嬉しそうだ。
ここ最近ずっと3対3のミニゲーム以外ゲームでセッターとしてコートに立っていないスーさんが6人制の練習試合でセッターとしてコートに立っているのだからそれもそうか…。
「スガさんナイストス!!」
「!おう!…つっても町内会チームの人たちが上手いこと合わせてくれてんだけどな。流石ベテランて感じだ。俺自身のトスはまだまだだよ。…でも」
「?」
「速攻もどんどん使って強気で攻撃組み立てていかないとまたエースに頼りきりの試合なっちゃうからな」
「スガさんカッチョ良くなったっスねっ」
「エッそお?!西谷に言われるとなんか嬉しいな」
いつもの如く和気藹々としながら喋ってるスーさんと夕先輩。
そんな2人を旭さんはなんとも言えない顔でじっと見ていた。
今旭さんが何を考えているのかなんて正直わからない…けど踏み出した一歩で確実に旭さんは前に進んでる。
旭さんの顔を見たらなんとなくそう思った。
不安なんてないな…。
静かに見守ろう。
「(スガちょっと見ないうちに頼もしくなった。西谷の頼もしさは相変わらずだ。なのに俺はフラフラ戻って来て成り行きだけでまたコートに立ってる。情けないと思う。…けどっ)」
サーバーがサーブを準備してダンダンとボールを床で跳ねさせる。
ポジションがローテーションして守備位置に着く。
ねぇ?
旭さん。
貴方今自分がどんな顔をしているか気づいてますか?
旭さん。
心底バレーが好きだってそういう顔をしていますよ?
「(けど…やっぱりここが好きだ。)」
視界の端で翔陽のポジションを飛雄が小突いて直すのが見えて苦笑いを漏らす。
「翔陽ーポジションしっかり覚えなー!!飛雄グッジョブ!」
「わ、分かってる!!」
「ウスッ」
内澤さんのサーブは龍先輩が拾った。
「行け日向!」
そこから翔陽、飛雄コンビの変則速攻。
流石に初見じゃ反応すらできなかったのか滝ノ上さんは真ん前だったが固まっていた。
「うぉお!?何だ!?」
「すげぇ跳んだなオイ!!」
「すげぇドンピシャなトス…」
当然初見のコーチもポカーンと固まっていてその周りをうろつきニヤニヤソワソワチラチラと先生が反応を伺うように落ち着きなくコーチを見ていた。
なんとなく先生の気持ちがわかり私もニヤニヤと口を緩める。
「よっしゃーっ!!」
「うしっ!!」
「ナイス日向影山!」
バレー以外凸凹で全く気が合わない二人組だけど…やっぱり
「ナイス~!!その調子でガンガン行け!!」
「高尾さんに褒められた!!」
「日向次サーブ!」
「……思うよ。」
「?」
盛り上がる烏野チームを横目にサーブ権の移動でコートに入って来たリベロの夕先輩とすれ違いざまに旭さんはポツリとつぶやいた。
「何回ブロックに捕まってももう1回打ちたいと思うよ。」
「…それならいいんです。それが聞ければ十分です。」
「??」
きっかけは沢山あったけど実際に戻って来たのは旭さん自身の意思でどんなきっかけがあったのかは私にはわからない。
けど旭さんと夕先輩は吹っ切れたようで清々しい良い顔をしていた。
日向のサーブはネットにカスり手前に落ちたから内澤さんも驚いたのかレシーブミス。
「おっとっ」
「ネットインだ!」
「スマンカバー頼む!」
「オーライ!そこのロン毛の兄ちゃんラスト頼む!」
カバーで入った森さんは最後アンダーで旭さんに託すが一瞬旭さんの顔が戸惑っていた。
そして過去を知るみんなも見ていた。
しかしまだ戸惑いはあるのだろうけれど旭さんはキュッと床を蹴り助走に入る。
「止めんぞ!!」
「命令しないでくんない?」
「本気で行くっす旭さん!!」
真ん中に蛍右側に飛雄。
1年長身コンビはいつも通りだが左側の龍先輩は戸惑いながらもそれでも本気で止める気なのだろう。
一番ブロックの硬いこのローテーション。
大きな体で飛び上がった旭さんは力一杯体を逸らし、全身のバネを使ってフルスイング。
旭さんの全力のスパイクはタイミングよく跳んだ飛雄と蛍の手二枚に阻まれたが威力は強烈。
蛍はドシャットだったが飛雄の方は跳ね飛ばされかけていた。
一月のブランクでコレって流石エースと言ったところだ。
コートに落ちかけた強烈なブロックアウトをフライングで夕先輩が拾った。
「うぉぉお!!」
「上がった!ナイスフォロー!」
龍先輩は先ほどの会話を思い出したのだろう再びブワッと男泣きし隣の蛍はギョッとした目で龍先輩を見てびっくりしていた。
「壁に跳ね返されたボールも俺が繋いで見せるからだから、だから、もう1回トスを呼んでくれ!!エース!!!」
掌一枚厚さ約2センチ。
多分同年代の男子たちと比べて一回り小さい夕先輩の手。
このボールと床の間2センチがエースの命を、繋ぐ。
それは凄いことだと思うしバレーの本質。
夕先輩のポジションは一番そういう仕事なのだ。
「カバー!!」
「オーライ。」
カバーのセットアップに入ったのはセッターのスーさん。
スパイクの威力に比例するようにボールが上がりボールの滞空時間は十分。
如何するのだろう。
外から見てもわかるほどスーさんは迷ってる。
でも、今は…
「スーさん!!もう一回!決まるまで!!!」
「うわぁドSだな高尾さん。」
動かない旭さんに嶋田さんがバックアタックを呼んでいる。
だけど…。
「苦しいときや辛いときむすがしいラストボールを託されるのがエースだ!!!旭さん!!怖がらないで!!!貴方には頼れる仲間がいるでしょ?」
「嶋田さ「菅原ァーッ!!!もう一本!!!」
動かない旭さんに叫ぶように睨みつければ旭さんは一瞬弾かれたようにこちらを見た。
目が合った瞬間少し笑えば笑い返してくれた。
もう…大丈夫。
飛べ、飛べ、飛べ!!!
「旭!!!」
ネットから少し離れた高めのトスが上がった。
きっと何本も上げて来たのだろう旭さんの得意なトス。
キュッとネットについたのは先ほどの1年高身長コンビプラス龍先輩。
「高尾さん向こうのチームに肩入れしてんの?悪いけどまた止めるよ?」
「当然だてなんか抜いたら何の意味もねぇよ」
「うぉお!!」
キュッと旭さんが飛ぶ瞬間に合わせて夕先輩もブロックフォロー体制に入る。
旭さんが打ったアタックはさっきよりも強い力で蛍と飛雄の手2枚を弾き飛ばして決まった。
「うっひゃあ…すんごい音っ!!どごごって」
「ありゃ腕もげますね。あははは。」
先生と笑っていればコーチもこちらを見た。
話入りたいのかな?
いやそれとも先生の天然ぶりに驚いたのか…。
「ナイス!!ナイス旭っ!西谷もっ!」
「…お前らも…ナイストススガ…西谷も…ナイスレシーブ」
嬉しそうに笑う3人を見ていればこちらを振り向いた旭さんが寄って来た。
「えっと…高尾…さんっだよね。…ありがとう。背中を押してくれて。」
「高尾和樹です。生意気を言ってすみませんでした。」
「いや、あの…凄く勇気を貰ったから。君にもありがとう。」
「っ!!どういたしまして!!!」
町内会チーム対烏野高校。
ゲーム得点は3対2。
「いやぁ…すごいっボールがブロックに当たった!って認識した時には西谷君はもうボールの下にっ!いやぁ…たまげますねーっブロックされたボールが拾えるなら怖いもの無しですねっ」
「何言ってんだ」
「あははは。せんせぇそれは流石に毎回は無理っすよ。」
「高尾の言う通りだ。あんなもん毎回拾えるわけねぇだろ。疲労つもりでいてもな」
「えっ」
「100キロかそれ以上のスピードのボールがほんの2、3メートルの近距離から予測不可能の方向に落ちてくるんですよ。」
「そんなもん全部拾えるわけねぇ」
「おお…」
「ただ、ブロックされたらそこでおしまい…ではないって分かっていることが大事なんですよ。後ろにはちゃんと仲間がいるのだと分かっているかどうかでメンタルは全然違います。」
「成る程…」
「つか高尾お前ほんとに素人か?」
「元バスケ選手っスからチームプレーとか共通するんですよ。私にはPGでセッターと同じ立ち位置でしたしねー。」
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