男の子っぽい女の子のお名前でどーぞ!!
始まりからインターハイ予選途中まで
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「だからよーお前らよーサッと行ってスッとやってポンだよ。」
練習メニューが一通り終わってコート整備のためのモップがけを2年生の先輩達に混じってやりながら体育館の端に目を向ける。
そこでは西谷先輩によるレシーブ講座が開かれ影山以外の1年生3人が話を聞いていた。
普段はモップがけとか1年生中心にやっているが今回は西谷先輩が教えているのと、先ほどまでスパイク練習でずっとボールを上げていた影山は休憩中だ。
ボールを軽く上に放り上げ実際にやってみせるが西谷先輩。
本能で動く系のせいか、擬音語とかが多くてさっぱりわからない。
同じ本能系だろう日向でさえはてなを飛ばして首を傾げてる。
モップが終わり片付けてなんとなく影山と田中先輩の所に行く。
ま、ボトルの片付けもあるし…。
「そうですか?俺なんとなく分かりました。」
「あれって感覚が分からないと同じ系統の人でも理解できないと思う。その点トビオくんってばレシーブの感覚がもう既に分かってるから理解できるんだよ。レシーブド下手な翔陽はまだレシーブの感覚分かってないからそのせいだね、分かってないの。」
「成る程。高尾ちゃんの解説わかりやすいな。ちなみにお前が何か説明する時も周りは何言ってるか分かってねぇからな!」
「えっ?」
「バッとかグワッとかよー」
「確かに…ぷふっ」
ちょっと凹む影山を田中先輩と笑っていればついに月島が根を上げた。
まぁ月島はしっかり考えて見極める方だから相性も悪いのだろう。
あれは常人でも理解しがたいものだが…。
「高尾さん君が連れて来たんでしょ?なんとかならないの?」
「蛍くん頑張れ」
「そんなキリッとした顔で見捨てないで高尾ちゃん!!」
「私も技術面はからっきしだから、どーにもなんないよ。忠くん。その為に西谷先輩連れてきたんだもん!!」
「そんなーっ!!せめて通訳だけでもっ!!」
「なんだ?高尾ちゃんっ1年の事は名前で呼んでんのか!!?」
ん?
西谷先輩が変な所に食いついてきた。
ちなみに大地先輩も名前呼びですよー。
まぁそこはスーさんが仲が良くて中学の時からちょくちょく名前を聞いていたからってのがあるんだけど…。
「え?はい。同学年ですからね。それに蛍くんと忠くんは同じクラスですし。」
「そ、それならお、俺の事もななななまえで!!!」
「おぉ西谷が高尾ちゃんにグイグイいってる。」
「あんまり和樹を困らせるなよ?西谷ー」
「スガさんは名前呼び捨てだと!?」
「あれ?いってませんでした?私とスーさん従兄弟ですよ。」
「い、従兄弟!!」
「ちなみに高尾ちゃんをバレー部に誘ったのもスガだよ。」
「だべ!!」
「ナイスっすスガさん!!」
「た、高尾ちゃん俺も俺も龍先輩って呼ばれたいっ!!」
「え?あぁはい。龍先輩!!じゃ今度からそう呼ばせてもらいますね。」
「おっしゃぁぁぁぁぁぁあ!!!」
「お、俺は夕だ!!夕先輩って」
「分かりました。夕先輩ですね。改めて宜しくお願いします。」
「うぉぉぉおっ!!」
なんかさらにやかましくなった気もしなくでもない。
「高尾さんちょっといいですか?」
「はーい!!なんざんしょ?せーんせ。」
先生の元へ呼ばれていけばリベロの確認がしたいらしい。
「…リベロって確か特殊なポジションだよね?高尾さんのノートにもまとめてあるけど…」
リベロ。
守備専門選手。
スパイク、サーブなどの攻撃はできずブロック等ネットより高い位置からのボールの返球する事も禁じられている。
後衛にいる選手と入れ替わって守備を務める。
「随分と分かりやすいルールブック買ったんですね。先生」
「あ、いやコレは高尾さんのノートだよ。」
「うわすごい分かりやすいなこれ…流石…」
ノートのコピーをそのまま読む先生とそれを見てノートを褒める大地先輩。
恥ずかしいからやめて下さいっ。
「てめえさっきからデケェな何センチだ!」
「ツッキーは、」
「山口うるさい」
「ごめんツッキー!」
視界の端に移った月島と山口のやりとり。
あれはもはや恒例だな。
なんて遠目に見る。
「彼が烏野の守護神かぁ。カッコいいねぇ」
「ノートにも簡単にまとめたけれどリベロの試合中の入れ替わりは普通のメンバーチェンジと違うので実際ゲームの時に見た方が早いですね。多分説明文よりも解説付きの映像の方がわかりやすいでしょう。」
「いつもすみません。ではその時は高尾さんの解説付きでお願いしましょうかね?」
「はい。喜んで」
「西谷が戻ってきてくれると本当…頼もしいです。あの小さい体で存在感がすごく大きい。西谷が居ると安心感が違うんです。少しやかましいですけどね…」
大地先輩が苦笑いで見つめる先ではレシーブミスした日向がレシーブしたボールを顎で受けて転がっていてそれを西谷先輩が笑っていた。
確かにやかましいけれどそういうのもいいと思う。
「にしても西谷全然鈍ってないなぁ」
スーさんのいう通りだ。
普通1ヶ月も部活から離れていれば鈍るが西谷先輩は全然そんなそぶりもなく動けて居る。
どこか別の場所で練習はしていたのだろう。
此処にもバレー馬鹿が1人追加だ。
「部活禁止中も秘密の特訓してたらしいっスよ。ママさんバレーとかに混じって」
「日向みたいだな!」
「ですね!」
スーさんの疑問に答えてくれたのは田中先輩だ。
「あの、西谷さん。」
「なんだ?」
「旭さんって誰ですか?」
「!不用意にその名を出すなっ!」
「…烏野の…エースだ。一応な」
日向の発言に田中先輩は慌てたが西谷先輩はだいぶ落ち着いて居るみたいだ。
「エース。」
「なんだよ?」
「…おれ…エースになりたいんです」
「あっ?」
「あいつまだあんな事っ!!」
日向のエース発言に影山は噛み付こうとしたが影山の袖を掴み一応止めておいた。
「何年か前の春高で烏野のエースの小さな巨人見て絶対あぁいう風になるって思って烏野に来ました!」
「その身長でエース?いいなお前!だよな!かっこいいからやりたいんだよな!いいぞいいぞなれなれエースになれ!」
西谷先輩は明るく笑って日向の肩を叩き背中を押す。
過去の自分と同じく低身長で烏野を勝利へと導いた小さな巨人は日向にとって日向の中で何時迄も色褪せることのない大エースで憧れのヒーローなのだろう。
日向は口を開けば小さな巨人ばかり出てくる。
日向がなりたい自分のために努力するのはいいことだ。
今日向の唯一の武器である目を瞑って全てを影山に任せる速攻は試合の回数やセットカウントを重ねるごとに威力は落ちるだろう。
囮としても一度攻略されて仕舞えばどうしようもなくなる。
それは今後必ずどこかで大きな壁にぶつかることになるだろう。
全国大会の優勝を目指すのなら遅かれ早かれ…。
小さい日向だからこそ技術を磨いて武器を増やす。
その大切さが影山にはまだ分からないのだろう。
影山は未だにセッターが主導権を握って居るのだと勘違いして居る節があるのがその証拠。
その時が来て思い悩みいずれ乗り越えていくであろう高い壁を私は私なりに乗り越えるためのサポートしてみんなと共に成長したいな…。
今はまだ気づかなくてもいいだろう近い先の事を考えて笑っていれば影山には首を傾げられてしまった。
「今のエースより断然頼もしいじゃねえか!わはは。けどやっぱ憧れと言えばエースかぁ」
「はい!!エースカッコいいです!」
「エースって響きがもうかっこいいもんなちくしょう。」
「エーススパイカーって花形に比べたらセッターとかリベロはぱっと見地味だもんな。」
「ムッ」
「まぁまぁ」
西谷先輩の言葉に反応してムッとする影山はスーさんになだめられていた。
「けどよ、試合中会場が1番ワッと盛り上がるのはどんなすげえスパイクよりもスーパーレシーブが出た時だぜ。」
高さ勝負のバレーボールでリベロはちっせぇ選手の生き残れる唯一のポジションかもしれねぇ。
けどおれはこの身長だからリベロやってるわけじゃねぇ。
例え身長が2メートルあったとしてもリベロをやる。
スパイクが打てなくてもブロックが出来なくてもボールが床に落ちさえしなければバレーボールは負けない。
そんでそれが1番できるのは…
「リベロだ。」
「~かっ!!カッコいい!!」
「!!!バッバカヤロウ!そんなはっきり言うんじゃねーよこんにゃろう!!ガリガリ君2本食うか?」
「おす!!!」
「ソーダ味と梨味な!」
「オッス!!!」
バレーボーラーさんはみんなそれぞれその役目が好きで自分の役目が1番かっこいいと思ってやってる。
バスケをしていた私にも覚えがあるそれはひどく懐かしい。
ちなみに私は大地先輩や縁下先輩みたいに目立たないけど安定感と安心感のあるレシーブのでくる人がバレーボーラーさんとして好きかな。
此処ぞって時にいてくれると安心するタイプ。
なんて独り言を声に出さないで呟く。
「で?お前の特技は?エース志望」
「え?」
「レシーブは下手くそだしな。」
「うっ」
「なんかあんだろ?」
「お…とり…。」
「あ?とり?」
「おっ囮…」
「?なんでそんな自信なさげに言うんだ?」
「エースとか守護神とか司令塔とかに比べてパッとしないって言うか…」
「呼び方なんて関係ないだろ」
「でも…」
「お前の囮のおかげで誰かのスパイクが決まるならお前のポジションだって重要さはかわんねぇよ。エースとも守護神とも司令塔ともな。」
「…はい。」
「まあ俺はお前の出てる試合見てねぇしその囮がショボかったら意味ねぇけどな。」
西谷先輩。
ほんとオブラートって言葉知らないなー。
ひどく落ち込んだ様子の日向。
「日向はエースへの憧れは捨てきれないね。でもいつかはそれを捨てないとエースにはなれないんだよ?」
「あの…高尾さんそれってどういう…」
「そのうちわかるよ。」
ついて口を出た言葉を影山に拾われてしまった。
笑って濁してなかったことにしよう。
「今の烏野には最強の囮が居るんだよな…今まで決まらなかったスパイクでも日向影山のコンビがいればきっと決まるようになる!」
「うん。」
「武田先生の言っていた化学変化で俺たちはもっと変われる気がする。」
「高尾ちゃんだってコートの外にベンチにいるしな!!でもいい方向に変わればいいけどなぁ…なんな色々心配。」
「弱気やめろよ。」
「そうですよ。大地先輩。相談なら乗りますからね?」
「ありがとう。高尾ちゃん。」
,
練習メニューが一通り終わってコート整備のためのモップがけを2年生の先輩達に混じってやりながら体育館の端に目を向ける。
そこでは西谷先輩によるレシーブ講座が開かれ影山以外の1年生3人が話を聞いていた。
普段はモップがけとか1年生中心にやっているが今回は西谷先輩が教えているのと、先ほどまでスパイク練習でずっとボールを上げていた影山は休憩中だ。
ボールを軽く上に放り上げ実際にやってみせるが西谷先輩。
本能で動く系のせいか、擬音語とかが多くてさっぱりわからない。
同じ本能系だろう日向でさえはてなを飛ばして首を傾げてる。
モップが終わり片付けてなんとなく影山と田中先輩の所に行く。
ま、ボトルの片付けもあるし…。
「そうですか?俺なんとなく分かりました。」
「あれって感覚が分からないと同じ系統の人でも理解できないと思う。その点トビオくんってばレシーブの感覚がもう既に分かってるから理解できるんだよ。レシーブド下手な翔陽はまだレシーブの感覚分かってないからそのせいだね、分かってないの。」
「成る程。高尾ちゃんの解説わかりやすいな。ちなみにお前が何か説明する時も周りは何言ってるか分かってねぇからな!」
「えっ?」
「バッとかグワッとかよー」
「確かに…ぷふっ」
ちょっと凹む影山を田中先輩と笑っていればついに月島が根を上げた。
まぁ月島はしっかり考えて見極める方だから相性も悪いのだろう。
あれは常人でも理解しがたいものだが…。
「高尾さん君が連れて来たんでしょ?なんとかならないの?」
「蛍くん頑張れ」
「そんなキリッとした顔で見捨てないで高尾ちゃん!!」
「私も技術面はからっきしだから、どーにもなんないよ。忠くん。その為に西谷先輩連れてきたんだもん!!」
「そんなーっ!!せめて通訳だけでもっ!!」
「なんだ?高尾ちゃんっ1年の事は名前で呼んでんのか!!?」
ん?
西谷先輩が変な所に食いついてきた。
ちなみに大地先輩も名前呼びですよー。
まぁそこはスーさんが仲が良くて中学の時からちょくちょく名前を聞いていたからってのがあるんだけど…。
「え?はい。同学年ですからね。それに蛍くんと忠くんは同じクラスですし。」
「そ、それならお、俺の事もななななまえで!!!」
「おぉ西谷が高尾ちゃんにグイグイいってる。」
「あんまり和樹を困らせるなよ?西谷ー」
「スガさんは名前呼び捨てだと!?」
「あれ?いってませんでした?私とスーさん従兄弟ですよ。」
「い、従兄弟!!」
「ちなみに高尾ちゃんをバレー部に誘ったのもスガだよ。」
「だべ!!」
「ナイスっすスガさん!!」
「た、高尾ちゃん俺も俺も龍先輩って呼ばれたいっ!!」
「え?あぁはい。龍先輩!!じゃ今度からそう呼ばせてもらいますね。」
「おっしゃぁぁぁぁぁぁあ!!!」
「お、俺は夕だ!!夕先輩って」
「分かりました。夕先輩ですね。改めて宜しくお願いします。」
「うぉぉぉおっ!!」
なんかさらにやかましくなった気もしなくでもない。
「高尾さんちょっといいですか?」
「はーい!!なんざんしょ?せーんせ。」
先生の元へ呼ばれていけばリベロの確認がしたいらしい。
「…リベロって確か特殊なポジションだよね?高尾さんのノートにもまとめてあるけど…」
リベロ。
守備専門選手。
スパイク、サーブなどの攻撃はできずブロック等ネットより高い位置からのボールの返球する事も禁じられている。
後衛にいる選手と入れ替わって守備を務める。
「随分と分かりやすいルールブック買ったんですね。先生」
「あ、いやコレは高尾さんのノートだよ。」
「うわすごい分かりやすいなこれ…流石…」
ノートのコピーをそのまま読む先生とそれを見てノートを褒める大地先輩。
恥ずかしいからやめて下さいっ。
「てめえさっきからデケェな何センチだ!」
「ツッキーは、」
「山口うるさい」
「ごめんツッキー!」
視界の端に移った月島と山口のやりとり。
あれはもはや恒例だな。
なんて遠目に見る。
「彼が烏野の守護神かぁ。カッコいいねぇ」
「ノートにも簡単にまとめたけれどリベロの試合中の入れ替わりは普通のメンバーチェンジと違うので実際ゲームの時に見た方が早いですね。多分説明文よりも解説付きの映像の方がわかりやすいでしょう。」
「いつもすみません。ではその時は高尾さんの解説付きでお願いしましょうかね?」
「はい。喜んで」
「西谷が戻ってきてくれると本当…頼もしいです。あの小さい体で存在感がすごく大きい。西谷が居ると安心感が違うんです。少しやかましいですけどね…」
大地先輩が苦笑いで見つめる先ではレシーブミスした日向がレシーブしたボールを顎で受けて転がっていてそれを西谷先輩が笑っていた。
確かにやかましいけれどそういうのもいいと思う。
「にしても西谷全然鈍ってないなぁ」
スーさんのいう通りだ。
普通1ヶ月も部活から離れていれば鈍るが西谷先輩は全然そんなそぶりもなく動けて居る。
どこか別の場所で練習はしていたのだろう。
此処にもバレー馬鹿が1人追加だ。
「部活禁止中も秘密の特訓してたらしいっスよ。ママさんバレーとかに混じって」
「日向みたいだな!」
「ですね!」
スーさんの疑問に答えてくれたのは田中先輩だ。
「あの、西谷さん。」
「なんだ?」
「旭さんって誰ですか?」
「!不用意にその名を出すなっ!」
「…烏野の…エースだ。一応な」
日向の発言に田中先輩は慌てたが西谷先輩はだいぶ落ち着いて居るみたいだ。
「エース。」
「なんだよ?」
「…おれ…エースになりたいんです」
「あっ?」
「あいつまだあんな事っ!!」
日向のエース発言に影山は噛み付こうとしたが影山の袖を掴み一応止めておいた。
「何年か前の春高で烏野のエースの小さな巨人見て絶対あぁいう風になるって思って烏野に来ました!」
「その身長でエース?いいなお前!だよな!かっこいいからやりたいんだよな!いいぞいいぞなれなれエースになれ!」
西谷先輩は明るく笑って日向の肩を叩き背中を押す。
過去の自分と同じく低身長で烏野を勝利へと導いた小さな巨人は日向にとって日向の中で何時迄も色褪せることのない大エースで憧れのヒーローなのだろう。
日向は口を開けば小さな巨人ばかり出てくる。
日向がなりたい自分のために努力するのはいいことだ。
今日向の唯一の武器である目を瞑って全てを影山に任せる速攻は試合の回数やセットカウントを重ねるごとに威力は落ちるだろう。
囮としても一度攻略されて仕舞えばどうしようもなくなる。
それは今後必ずどこかで大きな壁にぶつかることになるだろう。
全国大会の優勝を目指すのなら遅かれ早かれ…。
小さい日向だからこそ技術を磨いて武器を増やす。
その大切さが影山にはまだ分からないのだろう。
影山は未だにセッターが主導権を握って居るのだと勘違いして居る節があるのがその証拠。
その時が来て思い悩みいずれ乗り越えていくであろう高い壁を私は私なりに乗り越えるためのサポートしてみんなと共に成長したいな…。
今はまだ気づかなくてもいいだろう近い先の事を考えて笑っていれば影山には首を傾げられてしまった。
「今のエースより断然頼もしいじゃねえか!わはは。けどやっぱ憧れと言えばエースかぁ」
「はい!!エースカッコいいです!」
「エースって響きがもうかっこいいもんなちくしょう。」
「エーススパイカーって花形に比べたらセッターとかリベロはぱっと見地味だもんな。」
「ムッ」
「まぁまぁ」
西谷先輩の言葉に反応してムッとする影山はスーさんになだめられていた。
「けどよ、試合中会場が1番ワッと盛り上がるのはどんなすげえスパイクよりもスーパーレシーブが出た時だぜ。」
高さ勝負のバレーボールでリベロはちっせぇ選手の生き残れる唯一のポジションかもしれねぇ。
けどおれはこの身長だからリベロやってるわけじゃねぇ。
例え身長が2メートルあったとしてもリベロをやる。
スパイクが打てなくてもブロックが出来なくてもボールが床に落ちさえしなければバレーボールは負けない。
そんでそれが1番できるのは…
「リベロだ。」
「~かっ!!カッコいい!!」
「!!!バッバカヤロウ!そんなはっきり言うんじゃねーよこんにゃろう!!ガリガリ君2本食うか?」
「おす!!!」
「ソーダ味と梨味な!」
「オッス!!!」
バレーボーラーさんはみんなそれぞれその役目が好きで自分の役目が1番かっこいいと思ってやってる。
バスケをしていた私にも覚えがあるそれはひどく懐かしい。
ちなみに私は大地先輩や縁下先輩みたいに目立たないけど安定感と安心感のあるレシーブのでくる人がバレーボーラーさんとして好きかな。
此処ぞって時にいてくれると安心するタイプ。
なんて独り言を声に出さないで呟く。
「で?お前の特技は?エース志望」
「え?」
「レシーブは下手くそだしな。」
「うっ」
「なんかあんだろ?」
「お…とり…。」
「あ?とり?」
「おっ囮…」
「?なんでそんな自信なさげに言うんだ?」
「エースとか守護神とか司令塔とかに比べてパッとしないって言うか…」
「呼び方なんて関係ないだろ」
「でも…」
「お前の囮のおかげで誰かのスパイクが決まるならお前のポジションだって重要さはかわんねぇよ。エースとも守護神とも司令塔ともな。」
「…はい。」
「まあ俺はお前の出てる試合見てねぇしその囮がショボかったら意味ねぇけどな。」
西谷先輩。
ほんとオブラートって言葉知らないなー。
ひどく落ち込んだ様子の日向。
「日向はエースへの憧れは捨てきれないね。でもいつかはそれを捨てないとエースにはなれないんだよ?」
「あの…高尾さんそれってどういう…」
「そのうちわかるよ。」
ついて口を出た言葉を影山に拾われてしまった。
笑って濁してなかったことにしよう。
「今の烏野には最強の囮が居るんだよな…今まで決まらなかったスパイクでも日向影山のコンビがいればきっと決まるようになる!」
「うん。」
「武田先生の言っていた化学変化で俺たちはもっと変われる気がする。」
「高尾ちゃんだってコートの外にベンチにいるしな!!でもいい方向に変わればいいけどなぁ…なんな色々心配。」
「弱気やめろよ。」
「そうですよ。大地先輩。相談なら乗りますからね?」
「ありがとう。高尾ちゃん。」
,