春も麗。

入学早々窓際の真ん中らへんの席になるなんてラッキーだ。

ここは宮城県。

春先でまだまだ肌寒い・・・ってか寧ろ東京に比べてかなり寒いので窓際で日光に当たれるのは本当に助かる。

夏場になると暑さでしんどくなるんだけれど・・・。

ホームルームで先生から校内案内とガイダンスを聞き流しつつ手元は兄とのソーシャルアプリで会話し続ける。

スポーツ推薦で都内のそれなりに頭のいい高校へ行った兄。

私が家を出ておばあちゃん家のある宮城県に引っ越してからというもののまあお互いが悪友と言う名の双子という事もありそれなりに頻繁に連絡は取り合っていた。

なんとなくそのままだらだらと兄と雑談していればガイダンスも終わり手元には仮入部届。

まだ出せていないんだよね―これ。

バスケはもうやめちまったし従兄にはゆっくり決めればいいべなんていい笑顔で言われちまったし・・・どうするべきかなーなんてのんきに考えていればその従兄からメッセージが入った。




スーさん「暇なら参考までにバレー部見に来ないか？」

スーさん「男子でやるならマネジだけど（笑）」




すんごいタイミング。

あの人エスパーか何かだろうか・・・。

少し背中がすっとした気がする。

あぁ今頃あの兄貴にそっくりないい笑顔を浮かべていることだろう。

まあ確かに暇だし。

バスケ以外の部活なら入ってみてもいいかな・・・。





高尾妹「スーさん見学だけしに行ってもいい？」

スーさん「もちろんだべ。待ってるな。主将とマネージャーには言っておくから。」

高尾妹「あざまーす。」




そんな軽い気持ちでバレー部男子が使っている体育館に顔を出すことにした。






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