男の子っぽい女の子のお名前でどーぞ!!
合宿遠征埼玉編途中から
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8月11日。
春高一次予選当日。
烏野(うち)は第4・5組で今回の会場は加持高等学校の体育館。
うちの初戦の相手は扇南高校。
25-22と25-21の2-0で出羽に買った高校だ。
うんなんというかまぁ心配することはないけど油断して足元すくわれたらたまらん…という事でアップがてら荷物を置いてる二階席の端っこで選手の軽いマッサージとストレッチをしたんだけれど…インターハイ予選の影響かインターハイ予選の時よりめっちゃ見られてる。
選手達はというと見られているのを気にするそぶりもなく普段どおりでホッとした。
「日向大丈夫?」
「大丈夫大丈夫。来る途中で吐いたしスッキリした。お腹空っぽだけど…」
「ほいよ。ゼリーでいいならこれ飲みなさい。」
「ありがとー高尾さん」
「朝からカツ丼大量に食べて来るとかウケる。そら酔うわ」
「このボゲェ日向くそボゲェ!」
「影山の罵倒のボキャブラリーボケェだけだな。」
「だ、大地先輩www確かにwww」
「なっ!?がっ頑張って増やします!!」
「果たしてそれは頑張る事なのかwww」
流石飛雄ちゃんwww
大地先輩の着眼点も面白過ぎでしょwww
「勝負の日はカツ食うだろ普通!!」
「普通とは一体…」
「んな重たいもの食べるなら前日の夜でしょ?それか祝杯でその日の夜?」
「おぉ成る程!!」
「日向のゲロ思い出したら…もらいゲロしそう…」
「っ!?早くトイレ行きなよ!!」
「吐き気どめ飲む?それともツボ針入れる?」
吐きそうになってる忠の吐き気と酔いに効く首の後ろのツボと腕のツボを押す。
「あ、ありがと高尾さん。ちょっとマシになった…」
「おぉ流石高尾ちゃん。」
「ツボ押しは神経に直接作用するからね。下手したら薬より即効性があるよ。」
「お…俺も緊張と合間って…」
「集中してんなと思ったらゲロ我慢してたのかよ!!?」
「あ、旭先輩もっすか…ちょーっと待ってくださいねっと。」
とりあえず忠に針の処方をして顔色が戻ったところで次は旭先輩を処置する。
「ありがとー高尾ちゃん。マシになった。」
「そりゃ良かった。」
「旭予防接種の注射とか苦手なくせに針治療は平気なんだな。」
「これ全然痛くないから怖くないんだ。むしろ気持ちいい。」
「そう言えばすーさんにやったことなかったね。スーさんもする?」
「いや、いいべ。」
顔色もだいぶ戻って来た。
使い終わった道具をしまっておしまい。
ゼリーを飲み終わった翔陽は夕先輩に「翔陽バスでゲロるの二回めって本当か?」と龍先輩から「他人の股間にリバースせずバスが止まるまで我慢するなんて成長したな日向」とからかわれてトイレに行った。
翔陽が戻って来ればみんなTシャツからユニフォームに着替えて準備。
「高尾さん今回は腕章と名札です。名札は前回同様カードを入れて首から下げてください。」
「あーい。」
白に赤の十字マーク。
いかにも病院とか医療者っぽい腕章。
烏野の黒Tシャツだと目立つなーと思いながらも腕に通して安全ピンで肩のところに止める…が片腕じゃどーにも止めにくい…。
「あ、私やろうか?」
「頼むー。」
「うっす!はい出来たよ!!」
「ありがとーやっちゃーん」
「それにしても資格のカードいっぱいだね。」
「そう?まだまだこれでも足りないぐらいじゃない?」
ぎっちりと入っているカードを見て感心するようにいうやっちゃん。
正直まだやりたいこととか興味がある使えそうな資格は沢山なんだよね。
そんな話をしながらドリンクやら荷物やらを準備して入口のところで待機して居れば前の試合が終わる。
「前の試合終わった行くぞ」
「「「オォース!!」」」
素早くベンチに移動して…と思ったら何故か龍先輩が扇南とメンチ切ってた。
「扇南ってヤンキーみたいな奴ばっかっスね」
「お前が言うか?その顔やめろ」
「はいはい。龍先輩行きましょ行きましょう」
龍先輩の背中を押してベンチに行けば先に先攻後攻を決めに行っていた大地先輩が戻って来て公式のアップが始まった。
一応うちがサーブ先らしい。
龍先輩何を言われたのか菩薩顔で合掌しながらコートに入ったかと思えばスパイクを打つ瞬間だけいつも通りに戻ったけどまた菩薩顔になっていた。
ほんと何があったの?
めっちゃ鋭角であまりのスパイクの威力に向こうさん心なしかビビってるんですけど…www
味方の蛍ややっちゃんまでビクってしてたし。
龍先輩以外のみんなも調子は上々。
一応スカウティングノートを武ちゃん先生に預けてアップが終了すればやっちゃんと一緒に二回の観覧席に上がる。
今回が初めての公式戦で観客席に一人だと心細いだろうと言うことで私がこっちに来た。
ノートは預けてるし何かあれば直ぐに向かう。
ミーティングもバッチリだし多分大丈夫でしょ。
「ご、ごめんね高尾ちゃん。」
「いーのいーの。でも次からは一人だからごめんけど慣れてね」
「は、はひっ。」
ドギマギしてるやっちゃんの背を撫でてしばらく見て居れば試合開始。
挨拶してるところで知っている人が来た。
「あれー?八百屋のおじさんじゃないっすか見に来て来れたんすね!!」
「おー紫の婆ちゃんとこの…烏野だったのかー」
「高尾ちゃん?」
「あ、この人近所の八百屋さん。うちの婆ちゃんの知り合いなんだ。」
「こんにちわ。」
「こっち同級生のマネージャーの」
「谷地仁花です。」
「おー今年はマネージャーが多いんだな!!お、あんたも見に来たのか!烏養先生」
「おー」
「お、烏養監督お久しぶりです」
「久しぶりってこないだぶりじゃねーか。」
「かわいい孫のチームだもんな」
「そんなんじゃねーよっ。」
こそっと聞いて来たやっちゃんに簡単に烏養監督が前任の監督でコーチのおじいちゃんと説明。
八百屋のおっちゃんのちゃかしをはねのける烏養監督をニヤニヤと見ていれば教え子なのか烏養監督のうちのコートにいた子供達も付いて来たのか居た。
「あ、高尾せんせーだ」
「せんせーは何でここにいるの?」
「お、おチビチャンズ残念ながら私はせんせーじゃないんだよー?」
「えーでも先生の治療してたでしょ?」
「あーでもまぁまだ学生だからねぇ」
「あ、翔ちゃんだー!!」
「ところでオメェさん何でここにいるんだ?」
「やっちゃん初試合で一人だと心細いかなーと。」
「それで良いのかよトレーナー様よ」
「試合前のケアはバッチリだしノートも渡してるから平気しょ。医務室行くようなやつ来たらすっ飛んでいきますわぁ。」
「トレーナー?紫のばあちゃんの孫はトレーナーなのか」
「取材が来るぐらいの敏腕トレーナーっす。」
「ハードルあげないやっちゃん。」
「ほーなら今年の烏野意見じゃねーか?すげぇ一年コンビも居るぞ!!まぁ今まで一次はいつも突破してるし今日も大丈夫だろ」
「絶対勝てない試合はねぇし絶対勝てる試合もねぇんだよ。ちょっとした調子の違い、緊張、焦り…どんな強豪校だって選手は人間なんだほんの些細な乱れでいともあっさり転ぶこともある。」
「言いますねー烏養監督。さて、今日の烏野はどうでしょうね?」
烏野先行スタート。
一番初めのサーバーは旭先輩。
ぴーとサーブのコールが鳴って旭先輩が強烈なジャンプサーブを打つ。
ズドンっと凄まじい勢いで決まる。
「初っ端からノータッチエース…!!」
「ナイッサー」
「やるじゃねーの。」
「さぁ…行くよ。」
好調な出だし。
コレで烏野アクセル全開で踏み込めた。
ニヤニヤしながら試合を見ながらやっちゃんと声出ししていればあっという間に11-16烏野リード。
順調順調。
扇南のレフトからの攻撃は前衛の飛雄と蛍が2枚でリードブロック。
一瞬でフェイントを見抜いた大地先輩が前に出て構えて綺麗に拾った。
「!?速ぁっ」
「大地さんナイス!」
「待ってたみたいに…!」
うひゃあ良い動き。
前よりも反応早いし読みのキレもイイ。
こりゃあ思った以上に東京遠征の効果が出てんなwww
大地先輩があげたボールを烏野のエース旭先輩がスパイクで決める。
相変わらず凄まじい威力。
ブロックは2枚いたけど腕の締めが甘い万歳ブロックだったから腕の間を抜いたけれど後ろでカバーにいた人が腕に当ててあげてた。
うへぇ腕痛そう。
「上がった!カバー!!」
レシーブは乱れた。
扇南は少しでもレシーブが乱れれば速攻は使ってこない。
その情報が蛍も頭に入って居るのかトスを見てレフトに構えていた飛雄ときっちり2枚ブロック揃えてドシャット決めた。
「ナイス月島!!」
「ナイスキー!!」
何というか東京遠征のおかげで試合の慣れ感が違うわ。
インハイ予選では場の空気とか試合とかに振り回されてる感があったけど、東京遠征でサーブの威力、スパイクの威力、攻撃の多彩さ、守備力…全てのハイレベルさに前よりずっと慣れたのかな…。
まぁ新しい技ばかり練習して来たわけじゃないしね。
あれだけみっちり関東のタイプの違う強豪と連戦して来たわけだし。
負けてばっかだったけれど。
龍先輩が決めて13-18。
それにしても扇南。
組み合わせ見る前からどっかで名前を見たようなー?
んー?
「ど、どうしたの?高尾ちゃん。」
「いや…なんか思い出せないことがあって…うーん?」
「?」
「あ、そっか、あれだ。インターハイ予選1日目の終わった後のテレビだ!!」
「?」
「宮城ってローカルニュースで小さい大会も注目チームが中継されんだけど確か白鳥沢の1回戦の相手が扇南だったんだよ。」
「白鳥沢…ってウシワカさん?の所?」
「そ、あーだから見た事あったのか…」
正直これといった印象がない。
言っちゃー悪いが小柄な3年の元主将以外はカッコつけてるだけのすぐに諦めるクソ根性ってぐらい。
考え方変えてもっとやりゃーやりようがあるような所なのに…勿体無いチーム。
まぁ他人の私がそこまで言うつもりはないんだけれど…。
コートでは飛雄のサーブが決まり16-24。
二本目のサーブは向こうのリベロがあげたけど烏野コートに戻ってった。
「チャンスボール!!」
「寄越せ!!!」
翔陽のブロードで16-25
第1セット終了。
「うぉー翔ちゃんスゲーっ横に飛んだ!!」
「でもあの変な速攻はまだやんないね!」
柵のところにへばりついて跳ねる小学生が可愛くてぐしゃぐしゃと頭を撫でる。
きゃーと喜ぶ小学生可愛い。
そんなことをして癒されていれば何故か烏野ベンチから視線が…。
とりあえず手を振って笑っとこ。
蛍には顔をそらされ翔陽には手をブンブンと振られた。
春高一次予選当日。
烏野(うち)は第4・5組で今回の会場は加持高等学校の体育館。
うちの初戦の相手は扇南高校。
25-22と25-21の2-0で出羽に買った高校だ。
うんなんというかまぁ心配することはないけど油断して足元すくわれたらたまらん…という事でアップがてら荷物を置いてる二階席の端っこで選手の軽いマッサージとストレッチをしたんだけれど…インターハイ予選の影響かインターハイ予選の時よりめっちゃ見られてる。
選手達はというと見られているのを気にするそぶりもなく普段どおりでホッとした。
「日向大丈夫?」
「大丈夫大丈夫。来る途中で吐いたしスッキリした。お腹空っぽだけど…」
「ほいよ。ゼリーでいいならこれ飲みなさい。」
「ありがとー高尾さん」
「朝からカツ丼大量に食べて来るとかウケる。そら酔うわ」
「このボゲェ日向くそボゲェ!」
「影山の罵倒のボキャブラリーボケェだけだな。」
「だ、大地先輩www確かにwww」
「なっ!?がっ頑張って増やします!!」
「果たしてそれは頑張る事なのかwww」
流石飛雄ちゃんwww
大地先輩の着眼点も面白過ぎでしょwww
「勝負の日はカツ食うだろ普通!!」
「普通とは一体…」
「んな重たいもの食べるなら前日の夜でしょ?それか祝杯でその日の夜?」
「おぉ成る程!!」
「日向のゲロ思い出したら…もらいゲロしそう…」
「っ!?早くトイレ行きなよ!!」
「吐き気どめ飲む?それともツボ針入れる?」
吐きそうになってる忠の吐き気と酔いに効く首の後ろのツボと腕のツボを押す。
「あ、ありがと高尾さん。ちょっとマシになった…」
「おぉ流石高尾ちゃん。」
「ツボ押しは神経に直接作用するからね。下手したら薬より即効性があるよ。」
「お…俺も緊張と合間って…」
「集中してんなと思ったらゲロ我慢してたのかよ!!?」
「あ、旭先輩もっすか…ちょーっと待ってくださいねっと。」
とりあえず忠に針の処方をして顔色が戻ったところで次は旭先輩を処置する。
「ありがとー高尾ちゃん。マシになった。」
「そりゃ良かった。」
「旭予防接種の注射とか苦手なくせに針治療は平気なんだな。」
「これ全然痛くないから怖くないんだ。むしろ気持ちいい。」
「そう言えばすーさんにやったことなかったね。スーさんもする?」
「いや、いいべ。」
顔色もだいぶ戻って来た。
使い終わった道具をしまっておしまい。
ゼリーを飲み終わった翔陽は夕先輩に「翔陽バスでゲロるの二回めって本当か?」と龍先輩から「他人の股間にリバースせずバスが止まるまで我慢するなんて成長したな日向」とからかわれてトイレに行った。
翔陽が戻って来ればみんなTシャツからユニフォームに着替えて準備。
「高尾さん今回は腕章と名札です。名札は前回同様カードを入れて首から下げてください。」
「あーい。」
白に赤の十字マーク。
いかにも病院とか医療者っぽい腕章。
烏野の黒Tシャツだと目立つなーと思いながらも腕に通して安全ピンで肩のところに止める…が片腕じゃどーにも止めにくい…。
「あ、私やろうか?」
「頼むー。」
「うっす!はい出来たよ!!」
「ありがとーやっちゃーん」
「それにしても資格のカードいっぱいだね。」
「そう?まだまだこれでも足りないぐらいじゃない?」
ぎっちりと入っているカードを見て感心するようにいうやっちゃん。
正直まだやりたいこととか興味がある使えそうな資格は沢山なんだよね。
そんな話をしながらドリンクやら荷物やらを準備して入口のところで待機して居れば前の試合が終わる。
「前の試合終わった行くぞ」
「「「オォース!!」」」
素早くベンチに移動して…と思ったら何故か龍先輩が扇南とメンチ切ってた。
「扇南ってヤンキーみたいな奴ばっかっスね」
「お前が言うか?その顔やめろ」
「はいはい。龍先輩行きましょ行きましょう」
龍先輩の背中を押してベンチに行けば先に先攻後攻を決めに行っていた大地先輩が戻って来て公式のアップが始まった。
一応うちがサーブ先らしい。
龍先輩何を言われたのか菩薩顔で合掌しながらコートに入ったかと思えばスパイクを打つ瞬間だけいつも通りに戻ったけどまた菩薩顔になっていた。
ほんと何があったの?
めっちゃ鋭角であまりのスパイクの威力に向こうさん心なしかビビってるんですけど…www
味方の蛍ややっちゃんまでビクってしてたし。
龍先輩以外のみんなも調子は上々。
一応スカウティングノートを武ちゃん先生に預けてアップが終了すればやっちゃんと一緒に二回の観覧席に上がる。
今回が初めての公式戦で観客席に一人だと心細いだろうと言うことで私がこっちに来た。
ノートは預けてるし何かあれば直ぐに向かう。
ミーティングもバッチリだし多分大丈夫でしょ。
「ご、ごめんね高尾ちゃん。」
「いーのいーの。でも次からは一人だからごめんけど慣れてね」
「は、はひっ。」
ドギマギしてるやっちゃんの背を撫でてしばらく見て居れば試合開始。
挨拶してるところで知っている人が来た。
「あれー?八百屋のおじさんじゃないっすか見に来て来れたんすね!!」
「おー紫の婆ちゃんとこの…烏野だったのかー」
「高尾ちゃん?」
「あ、この人近所の八百屋さん。うちの婆ちゃんの知り合いなんだ。」
「こんにちわ。」
「こっち同級生のマネージャーの」
「谷地仁花です。」
「おー今年はマネージャーが多いんだな!!お、あんたも見に来たのか!烏養先生」
「おー」
「お、烏養監督お久しぶりです」
「久しぶりってこないだぶりじゃねーか。」
「かわいい孫のチームだもんな」
「そんなんじゃねーよっ。」
こそっと聞いて来たやっちゃんに簡単に烏養監督が前任の監督でコーチのおじいちゃんと説明。
八百屋のおっちゃんのちゃかしをはねのける烏養監督をニヤニヤと見ていれば教え子なのか烏養監督のうちのコートにいた子供達も付いて来たのか居た。
「あ、高尾せんせーだ」
「せんせーは何でここにいるの?」
「お、おチビチャンズ残念ながら私はせんせーじゃないんだよー?」
「えーでも先生の治療してたでしょ?」
「あーでもまぁまだ学生だからねぇ」
「あ、翔ちゃんだー!!」
「ところでオメェさん何でここにいるんだ?」
「やっちゃん初試合で一人だと心細いかなーと。」
「それで良いのかよトレーナー様よ」
「試合前のケアはバッチリだしノートも渡してるから平気しょ。医務室行くようなやつ来たらすっ飛んでいきますわぁ。」
「トレーナー?紫のばあちゃんの孫はトレーナーなのか」
「取材が来るぐらいの敏腕トレーナーっす。」
「ハードルあげないやっちゃん。」
「ほーなら今年の烏野意見じゃねーか?すげぇ一年コンビも居るぞ!!まぁ今まで一次はいつも突破してるし今日も大丈夫だろ」
「絶対勝てない試合はねぇし絶対勝てる試合もねぇんだよ。ちょっとした調子の違い、緊張、焦り…どんな強豪校だって選手は人間なんだほんの些細な乱れでいともあっさり転ぶこともある。」
「言いますねー烏養監督。さて、今日の烏野はどうでしょうね?」
烏野先行スタート。
一番初めのサーバーは旭先輩。
ぴーとサーブのコールが鳴って旭先輩が強烈なジャンプサーブを打つ。
ズドンっと凄まじい勢いで決まる。
「初っ端からノータッチエース…!!」
「ナイッサー」
「やるじゃねーの。」
「さぁ…行くよ。」
好調な出だし。
コレで烏野アクセル全開で踏み込めた。
ニヤニヤしながら試合を見ながらやっちゃんと声出ししていればあっという間に11-16烏野リード。
順調順調。
扇南のレフトからの攻撃は前衛の飛雄と蛍が2枚でリードブロック。
一瞬でフェイントを見抜いた大地先輩が前に出て構えて綺麗に拾った。
「!?速ぁっ」
「大地さんナイス!」
「待ってたみたいに…!」
うひゃあ良い動き。
前よりも反応早いし読みのキレもイイ。
こりゃあ思った以上に東京遠征の効果が出てんなwww
大地先輩があげたボールを烏野のエース旭先輩がスパイクで決める。
相変わらず凄まじい威力。
ブロックは2枚いたけど腕の締めが甘い万歳ブロックだったから腕の間を抜いたけれど後ろでカバーにいた人が腕に当ててあげてた。
うへぇ腕痛そう。
「上がった!カバー!!」
レシーブは乱れた。
扇南は少しでもレシーブが乱れれば速攻は使ってこない。
その情報が蛍も頭に入って居るのかトスを見てレフトに構えていた飛雄ときっちり2枚ブロック揃えてドシャット決めた。
「ナイス月島!!」
「ナイスキー!!」
何というか東京遠征のおかげで試合の慣れ感が違うわ。
インハイ予選では場の空気とか試合とかに振り回されてる感があったけど、東京遠征でサーブの威力、スパイクの威力、攻撃の多彩さ、守備力…全てのハイレベルさに前よりずっと慣れたのかな…。
まぁ新しい技ばかり練習して来たわけじゃないしね。
あれだけみっちり関東のタイプの違う強豪と連戦して来たわけだし。
負けてばっかだったけれど。
龍先輩が決めて13-18。
それにしても扇南。
組み合わせ見る前からどっかで名前を見たようなー?
んー?
「ど、どうしたの?高尾ちゃん。」
「いや…なんか思い出せないことがあって…うーん?」
「?」
「あ、そっか、あれだ。インターハイ予選1日目の終わった後のテレビだ!!」
「?」
「宮城ってローカルニュースで小さい大会も注目チームが中継されんだけど確か白鳥沢の1回戦の相手が扇南だったんだよ。」
「白鳥沢…ってウシワカさん?の所?」
「そ、あーだから見た事あったのか…」
正直これといった印象がない。
言っちゃー悪いが小柄な3年の元主将以外はカッコつけてるだけのすぐに諦めるクソ根性ってぐらい。
考え方変えてもっとやりゃーやりようがあるような所なのに…勿体無いチーム。
まぁ他人の私がそこまで言うつもりはないんだけれど…。
コートでは飛雄のサーブが決まり16-24。
二本目のサーブは向こうのリベロがあげたけど烏野コートに戻ってった。
「チャンスボール!!」
「寄越せ!!!」
翔陽のブロードで16-25
第1セット終了。
「うぉー翔ちゃんスゲーっ横に飛んだ!!」
「でもあの変な速攻はまだやんないね!」
柵のところにへばりついて跳ねる小学生が可愛くてぐしゃぐしゃと頭を撫でる。
きゃーと喜ぶ小学生可愛い。
そんなことをして癒されていれば何故か烏野ベンチから視線が…。
とりあえず手を振って笑っとこ。
蛍には顔をそらされ翔陽には手をブンブンと振られた。