「それでは今日はよろしくお願いします。」

「こちらこそ宜しくお願い致します。」



おばんドゥースの撮影スタッフはインタビュア入れても5人と少なめだった。

体育館の端の方でADさんから一通りの撮影の流れを聞いて挨拶も済ませたのだが…うん。

なんかヤバそうだった。

トレーナーだけど普段はマネジに混ざって仕事もしくは選手に混ざって練習の補助をしているからその様子も取ると聞いた途端選手の方は何時もの単細胞四人組が、マネジの方はやっちゃんがそわそわし始めていた。

こんなんで大丈夫だろうか…。

と不安に思いつつもまずはサーブ練習が始まったのでコートの端に行きボール拾いに入った。

取材陣もボールが来ない場所から撮影し始めたのだが…なんかみんなちょこちょこボールを気にしてぎこちない。

特に忠…。



「忠ー！！」

「？はい。どうしたの？」

「緊張してる？」

「え、うんまぁ…まさか俺たちも映るとは思わなくて…」

「そっか。でも緊張してると筋肉強張って良いフローターにならないよ。」

「う、うん。そうだね。」

「ちょっと腕貸してみ？」

「？はい…」



素直に差し出された腕を両手で包み込んで軽く親指でツボを押さえながらマッサージする。




「緊張して強張った筋肉ほぐすわ…どんな？痛い？」

「んーん。気持ちいいです。ありがとうなんか腕があったまって来た。」

「血流とリンパも解したからね。ほらお終い。」

「ありがとう高尾さん！！」




礼を言ってコートに戻っていく忠。

ごめん忠。

今の一部始終めっちゃカメラに撮られてた…。