「た、高尾さん。ちょっとお話し良いですか？」

「？はい？」



春高の1次予選まであと1週間。

毎日バタバタと偵察に行ったり私の技術向上の為に黒澤先生のところに行ったり部活に顔出したりとせわしなく過ごしていれば…武ちゃん先生に呼ばれた。

武ちゃん先生めっちゃ深刻そうな顔してんですけど…どしたんだろ？




「コーチ、大地先輩ちょっと抜けます！！」

「おー行ってこい！」

「あぁ。」



とりあえず潔子先輩に球出し代わってもらって体育館の外へ。

他に聞かれちゃまずい話なのか？と念の為に扉も閉めるとようやく武ちゃん先生が話し始めた。




「実は高尾さんに取材の話が来ていまして…。」

「取材？」

「えぇ。１つは月刊バレーボールです。」

「１つは…って？」

「２つ目はおばんドゥースみやぎです。」

「って、テレビ番組！？」

「はい。月刊バレーボールの方は牛島くんと全日本ユースの監督さんの口から高尾さんの話が出たらしくそれで取材の話が出たそうです。おばんドゥースの方も似たような感じで強豪校から複数名前が出たので…との事です。」

「まぁ選手じゃないんでそらーそうっすわ…。」

「あの…全日本ユースの監督とはどういった知り合いなんですか？」

「師匠の黒澤先生が元々全日本男子バレーのトレーナーやっていたのでその紹介と牛島さんからの紹介で黒澤先生の医院でお会いしました。」

「それはすごいですね！！それで…どうしますか？」

「お断りして下さい…「勿体無いじゃないか！！是非受けるべきだよ！！」

「きょ、教頭先生！！？」

「話は聞かせてもらったよ！！是非受けるべきだろう！！我が校の優秀な生徒が取材を受けるのだからね！！」

「いえ、しかし本人が拒否していますし…」

「…申し訳ありませんが私ごときが取材などおこがましいと思います。私はそれよりも烏野バレー部の功績で取材が来るべきだと思います。」

「いや、しかしだね！！…とにかく受けるべきだろう！！」




こっちの意見聞いちゃいねーよこの人。

つーかどっから現れた？

なんか意味のわからない押し問答だし

教頭相手じゃタケちゃん先生も強く出れないので結局教頭に押し切られる形で取材を受ける事になった。