「王様は大王様にビビっちゃいましたかね？」

「ふっふふ…」

「おっかしなこと言うネェ蛍。」

「大丈夫。影山はもう孤独な王様じゃないからね」



飛雄もチームも急速に進化していく。

頼もしい背中に期待をするがサーバーは及川さんだ。

油断はできない。

くるっと構えたが今度は軟打で手前に落として来やがった。



「前ェエー！！！」




なんとかフライングで飛び込んだ大地先輩が上げた。

上げたけど乱された。

速攻は使えないっ。

どうしても身構えて硬くなってしまうこの場面で僅かな穴を狙ったフェイント。

勝ちを?ぎ取る為の恐ろしい程の冷静さ…っ。




「レフトォォオ！」

「センタァァァァア」

「レフト！」




旭先輩がレフトに呼び翔陽がセンターに呼ぶが飛雄がアンダーで上げたのはレフト。




「旭行けえぇえ！！！」




ブロックは3枚につかれ真ん中の金田一くんの手を吹っ飛ばしたがカバーに入った渡さんが拾って繋ぐ。



「繋げ繋げェ！！」

「岩ちゃん！」




出て来たのは青城からもエースの岩ちゃん先輩だ。

うちも三枚ブロック揃えるがストレート大地先輩の腕に当てながらも売って来た。

ストレート正面に構えていた龍先輩が苦しそうにも上げてくれた。




「んぎっ」

「あがったぁ！！」



が、しかし向こうにダイレクトで戻ってしまう。




「くっそ。」

「やれ金田一！！」



ダイレクトを叩く金田一くんに翔陽がブロック飛ぶけど高さが足りないっ。

しかし後ろで夕先輩がスーパーレシーブを見せた。



「あがったァァァァア！！！」

「おらァァァァア！！」




少し乱れてセッターまで届かないが飛雄がカバーに走り翔陽が超速攻に走る。

[今、この位置、このタイミング。

この角度で！！

ドンピシャ！！]

しかし翔陽と飛雄の超速攻は読まれていたのか完全に3枚ブロックに阻まれた。

飛雄も夕先輩もフライングで飛び込み龍先輩も大地先輩も旭先輩もカバーに走ってくるけど…ボールはあまりにもあっけなく床に落ちた。

ピッピピー。

31-33

あんまりにもあっさりと試合終了のホイッスルが鳴った。

試合終了。

セットカウント2-1

25-15

23-25

33-31

勝者青葉城西高校