企画跡地




どうもこんにちは、降旗です。
今日はオレらも自慢のスーパールーキーズに迫ってみようと思います。


「誰に向かって言ってんの降旗」

「購買行こーぜ、福田~」

「降旗置いて行く」

「ちょっと!待てよオレも行くから!!福田、河原~!!」


そんなわけで購買に来ると、噂の二人を発見。
…正しくは、赤髪が見えたからわかったんだけど。
思った通り黒子も横にいた。


「火神、黒子~!」

「降旗君」

「よぉ」

「…相変わらずスゲー量だな火神は」

「そうですね…火神君、持ちましょうか?」

「ん?ああ、サンキュー」


ぐり、と火神が黒子の頭を一撫でして紙パックの牛乳を渡した。
……なんで撫でる必要性が?


「降旗…さっさと買えよ」

「え、あ、ごめん」


河原が降旗に一言。福田はまたもや置いてくぞー等と言っている。
そこそこの人波を避けて、パンを購入して戻ると福田が屋上に行くと言い出した。
どうやら火神と黒子も一緒らしいと言うので二つ返事でついていく。














「おー、いい風ー」


屋上に着いて、壁側の一部に円を書くようにして5人で座る。
時計周りで、火神・福田・オレ・河原・黒子といった順だ。
たわいのない会話。キャプテンとカントクは付き合ってるのかとか、今度の練習試合の相手に同じ中学だった奴がいるとか、今日の練習メニューはなんだとか、午後一で小テストがあるとか。
そして食事も一通り終えて、戻るかと用意をしていたら。


「火神君、ちょっと」

「口の横、ついてます」

「ん」


黒子が、火神の口元についていたらしいソースを指先で拭う。
そして、そのまま、さも当然というかごくごく自然に、その指を舐めた。


「………」

「次なんだっけ」

「化学、実験ですよ」


そろそろ行きましょうか、と黒子が立ち上がり火神もそのあとに続いた。
先に失礼しますね、と黒子が言って二人は屋上から出て行った。


「………」

「降旗~お前食うの遅ェ」

「………なあ」

「なんだよ」

「…あいつらって仲良しだな…」

「付き合ってんだから別に普通じゃね?なあ河原」

「ずっと一緒だし…なあ福田」

「……ハイ?」


今、目の前の二人はなんと言った?
付き合っ……え?


「…………………マジ?」

「気付いてないの降旗だけだと思う」

「…ええええ!!?」


降旗、寝耳に水とはこのことである。


「てゆーかあれで気付かないって…お前、鈍感だろ」

「…だってまさかそんなことになってるとは思わねぇよ!」

「降旗…世界は広いんだぜ…?」


肩にポンと手を置かれ、福田に諭されるように言われた。
そんな世界…オレまだ知りたくなかったよ…

ハハッと力なく降旗が笑うと同時に予鈴が鳴り、慌ててゴミを片付け教室へと走った。

それからというもの、あの二人を見る度になんだか恥ずかしくなるのは…オレだけだろうか…






さよならノーマル思考

(もう何がきても驚かないと思いました)






END

100215
サイト一周年&六万打記念企画

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