企画跡地
※クソギャグ
誠凛高校体育館にて、懲りもせずまたあの男がやって来る。
「黒子っちー!遊びに来たっスよー!」
「火神君、汗ちゃんと拭かないと風邪引きますよ」
「あ、サンキュー」
「無視っスかァァァァ黒子っちィィィ!!?」
「黄瀬ウルサイ黙れ」
「火神っちに用はないっス」
「ボクも君に用はありません」
もはや2年生たちは黄瀬に関しては当然のようにスルーだ。
めんどくさい・どうでもいい・もう慣れたと口を揃える彼らの目は荒んでいた…
「てかお前モデルとかやってんだろ!?なんでこんなちょくちょく来るんだよ!」
「黒子っちのためならオレに時間や距離は関係ないっス!」
「星つけんな気持ち悪いです」
「最近敬語崩れ過ぎっスよ黒子っち…!でも好き!」
火神の後ろに隠れながら黒子はいつもの冷静さやその他諸々を忘れたように暴言を吐きまくる。
因みに火神には何故か…聞こえてないようで、ちょこんと隠れる黒子を可愛いとか思ったりして。
「というわけで帰れ。そして笠松さんに滅されて下さい」
「用が!まだ済んでないっス!!!…滅されるって何スか!?」
「え、お前用事あんの」
「どんだけオレのことバカにしてんスか」
「そういうことは漢字で書けるようになってから言って下さい」
ひー!と泣きながら抱き着こうとする黄瀬に黒子のイグナイトパンチがバキュアッという効果音を出しながら鳩尾に直撃した。
ぐふぉっ…とイケメンらしからぬ声を発しながらそこに倒れこむ。
「残念ですがイケメンは火神君しかいませんよ」
「黒子誰に向かって言ってんだよ」
「火神君…何でもないです。ごめんなさい、火神君から目を逸らしてしまって…」
「いや、別に…んな顔すんなよ」
一瞬にして二人だけの世界を作り上げた黒子(無意識)恐るべし…!
そんな二人を引きはがすように黄瀬の声が響く。
「煩いです」
「黒子っち…!もうオレ泣きそう…」
「知りません」
「くっ…!でもでも今日はこれをプレゼントしに来たんスよ!!」
黄瀬はジャジャーンと口で言いながらどこからともなく一冊の本を取り出した。
「前言ってたオレの写真集っス!し・か・も!通常版には収録されていない未公開写真付き!!」
「…そんな貴重なもの、ボクが貰っていいんですか?」
「へっ!?…貰ってくれるの黒子っち!?」
「黒子!どうしたんだよ!?」
「せっかくですから」
まぁまぁ火神君。と上目遣いで火神を見上げる黒子に火神は一瞬おとなしくなる。
跳びはねて喜ぶ黄瀬から写真集を受け取り、黒子はパラリと表紙をめくった。
と、次の瞬間。
ビリィッ
…と素敵な音が響いた。
「―――っ!?」
音に気付いた黄瀬が振り向けば、黒子に渡したはずの写真集は絶賛ビリビリと破かれ裂かれ、原形などわからない程に粉々になり黒子の足元に散っていた。
その状況を理解するまで黄瀬が要した時間は数秒。
「くくく黒子っちィィィ!?」
一際大きな叫びになんだと他の部員が振り向けば、そこには黄瀬ムンクがいた。
興味がなかったのですぐ練習を再開する。
「用は済みましたね、さようなら黄瀬君。二度と来ないで下さい」
「そ、そんな黒子っち…」
「二度と来ないで下さい。」
完全に負けて放心状態の黄瀬を隅っこに投げ、火神と黒子は練習に戻っていった。
「……何やってんだテメェ」
その後、引き取りに来た笠松の言葉にも応じることなく黄瀬は海常へと戻った。
少しは懲りたかと黒子が上機嫌で火神といちゃいちゃし続けて一週間、黄瀬が体育館に現れるのはまた別の話である。
What a pest you are!
(だって諦められないっスもん!)
END
100215
サイト一周年&六万打記念企画