水金SS
すきだよ、って言うと恥ずかしげにわらうかおを見るのが好きだ。
あたまに手を置かれるのはほんとはあんま好きじゃないんだ。
でも、みとべならいいや、って思う。
なんでかな、すげぇ安心すんの。
ふーってやさしい風が吹いたみたいに。
「みとべ」
「?」
すすす、と、となりに近づいて、ぴたりとくっついてみる。
どうした?って不思議そうに見るみとべを見上げて、オレは特に言うこともなく。
「…へへへ」
うーん、しあわせだ。
ことんとあたまを預けてぐりぐりーって押し付ける。
そのあたまをでかい手がくしゃくしゃと撫でていく。
きっとみとべはハテナマークを飛ばしているにちがいない。
それを想像すると自然と口がにやけた。
「みとべ、」
「?」
ほらやっぱり、ハテナ。
よくわかんないけど、なに?ってかおしてる。
なんだか今日はあまえたい気分なので、水戸部の耳に口を近づけてこしょこしょと小さく一言。
…あ、照れた。
そういうのもなんかうれしいんだよなぁ、真剣なときは誰よりもかっこいい。
男のオレから見たってかっこいいんだから、もう…ずるいな、うらやましい!
改まって言われるのははずかしいようで、一瞬動きがとまったみとべだったけど。
でもほら、やさしい温度がオレを包むまであと3秒。
(キスも一緒にしてくれた、ああもうみとべ大好き!)
END
091217