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少し乱暴に 研究室の扉が開かれた
普段、局員の皆は一度声を掛けてから入室してくるのだが
そんな前触れも無く
開け放たれた扉の向こう側に
私はただ 目を見開く
『涅隊長…』
「無名…お前…ッ」
そこには涅隊長がいて
私と同様、
驚愕に満ちた表情を浮かべていた
何故、涅隊長が此処に…
理由を考えれば
私が阿近三席から借りた資料が目に入る
明日の実験に使うと聞いていたから
恐らく返却を催促しにいらしたのだろう
人体の武器化
両腕改造の参考にしようとしていたのに…
私は涅隊長へ向き直るべく
皮膚を薄く裂いていたメスを離して血液を拭おうとした
… だが
『っ…く、涅隊長!? 何を…』
「それは私の台詞だヨ!!
お前は一体何をしているんだネ!!?」
物凄い剣幕で近付いてきた涅隊長は私の左腕を掴むと
未だ血液が流れ出る傷口に
羽織の袖を強く押し当ててきた
当然、血液は羽織に滲み
真っ白な袖が次第に赤く染まっていく
それと同時に私は酷く慌てた
何を思っての行為なのか
その意図は全く理解出来ない
しかし
隊長羽織が私の血液で汚れていくことを
私はどうしても堪えられなかった
涅隊長の手から逃れようと
強く抵抗を試みたのだが
途端に
涅隊長は大声で私に怒鳴り付けてきた
「早まった事をするんじゃあないヨ!!!」
… 要するに
私が自殺をすると思ったから止めた
驚きの余り、
握ったままだったメスを床に落としてしまった
.