罰ゲーム
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
薄暗い中 私の後ろで局長が障子を閉める
局長の部屋は香りの良い畳の匂いが広がり
部屋の隅に机と行灯
それ以外は特に物はなく、しかしどこか品があり広々としていた
「無名、此方へ来い」
『はい…』
ぼんやりとしていれば
部屋の真ん中に敷かれた白い布団の上に腰を降ろした局長が手招きをし
私はそれに従う
手を引かれた拍子に布団の上へ座り込めば
局長は妖しく口角を吊り上げた
化粧のない 隊長羽織もない
藍色の着流しを身に纏った一人の男性
もう一人の 涅局長
「サテ、罰ゲームを実行しようかネ」
『えっ…』
戸惑いや 高鳴る鼓動を感じる暇も与えず
局長は白い傷だらけの腕を私に伸ばし
広い、引き締まった胸の中へと抱き寄せる
局長の体温が 吐息が 近い
そのまま私の体は優しい温もりと共に柔らかい敷布の上へ倒れ
視界には見慣れない天井が映った
『き、局長?これは…一体…』
私はただ 罰ゲームを受けに此処に来た
でも何故こんな 局長と添い寝をするような状態になっているのだろうか
理解が 出来ない
緊張で抵抗すら出来ず震える唇で問えば
局長はむくりと起き上がり、私の体の上に跨がった
「言っただろう?罰ゲームを実行すると
…お前には私の抱き枕となってもらうヨ」
『だ 抱き枕!!?』
「湯浴みを済ませてこいと言ったのに死覇装で来るとは…
全く、色気のない奴だネ…」
混乱する私を見下ろす局長はニタリと笑い
細長い指で死覇装の襟を開いていく
慌ててその行動を阻止しようと胸元を隠せば、腕を捕らえられ頭上で拘束された
逃げ場はない 局長の中
耳を這う舌先が
私を更に困惑させる
「…名無し、勝負をしないかネ?」
『また…じゃんけん、ですか…?』
下の名前を呼ばれた驚きよりも
私は 局長の瞳に引き込まれる
「今度は違うものにしようか…そうだネ
先に唇を離したほうが負け、というのはどうだネ?」
冷たい指先がそっと 私の唇を撫でる
『罰ゲームは…あるんですか?』
「勿論だ…名無し、お前が負けたら
…私の女になってもらうヨ」
…それ 罰ゲームじゃないです
なんて言葉を言う暇なんてあるはずもなく
もっと感じていたいけど
それよりももっと
温もりを与えられると解っているから
私が 唇を離して
最高の罰ゲームを受けるまで
あと 三秒
end
5/5ページ