罰ゲーム
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戌の刻
一日の仕事の妨害を耳栓の使用で何とか切り抜けることができた私は自室に戻り
早めの湯浴みを済ませるともう一度、死覇装を着直していた
外へ出れば まだ微かに湿り気を残した髪を冷たく静かな風が撫でる
「今夜、私の部屋に来い…」
二度目のじゃんけんに負けた私に局長が近付き、耳元でそう囁いた
恐らく局長の自室で罰ゲームが告げられるのだろう
ということは何かの実験の手伝いを朝までか…
それとも実験体…?
どちらにしろ覚悟は必要だ
厚い雲が青白い光を遮り
足元の影が薄く 灰色になる
『…』
今思えば局長の自室へ来るのは初めてで
緊張のあまり障子を開けようとする手に躊躇いが生じる
いくら局長から呼び出されたとはいえ、
一応想い人である異性の部屋に夜中足を踏み入れるのだ
しかし呼ばれたからには行かないわけにはいかない 行かないと殺される
でも…恥ずかしい…
『ど、どうしたら…』
「…何をしているんだネ お前は」
『ひいっ!!?』
入るか逃げるかを悩んでいれば
部屋の中にいるとばかり思っていた局長の声が背後から聴こえ、思わず飛び上がる
「全く、さっきから見ていれば本当にお前は
仕事は出来るが薄鈍だネ」
さっきから見てらっしゃってたのですか…
それならそうと早々に声を掛けていただきたいです
声色からして呆れているだろう局長と向かい合うべく、恐る恐る振り返れば
それと同時に 雲が風に吹かれ
月が淡く 私と局長を照らした
『あ、れ…局長…?』
白い素肌が青い短髪をより美しく魅せ
闇に浮かぶ金色の瞳が私を捕らえる
「何を呆けているんだネ、
さっさと部屋に入るんだヨ」
『えっ…ぁ…』
声を聴けばこの男性が局長だということが理解出来て
しかし落ち着かせる間もなく局長の手が私の腕を掴み
部屋の中へと導いた
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