不死鳥の騎士団
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グリモールド・プレイス十二番地に来てから一週間、ナマエはほとんどずっとシリウスと共に屋敷の除染に励んでいた。
「前世は屋敷しもべだったんじゃないか?」
「クリーチャーに聞いてみれば」
ナマエは戸棚の隙間で朽ちていたパフスケインの死骸をゴミ袋に入れた。
毎日、この調子でナマエはシリウスと軽口を叩きながらブラック家の大掃除に励んでいた。
不死鳥の騎士団のメンバーは変わる変わる屋敷を訪れ、情報を共有したり、会議に参加しては去っていった。しかし、ナマエが知らされることはほとんどなかった。未成年は騎士団員になれない、の一点張りだ。父の居所も、家を壊されたのことの詳細も、何もわからなかった。
シリウスは会議に参加こそしているものの、ナマエと一緒に屋敷に缶詰状態だった。シリウスは今もなおアズカバンの脱獄囚で、ピーター・ペテグリューがヴォルデモートの元に戻った今、動物もどきの変装も無意味だった。
そうなれば、自然と二人で家の除染をすることが多かった。
ナマエは最上階のヴァルブルガ夫人の部屋で大鍋をかき混ぜて「ドクシー・キラー」を調合していた。そのとなりで、シリウスはバックビークに餌をやっていた。ナマエはシリウスを見て、ナマエの家にいるときもこうして過ごしていたんだろうかとふと思った。
「シリウスって、俺の親父とどんな話をしてたんだ?」
シリウスは血の滴る獣肉を投げながら答えた。
「正直に打ち明けると──私は、君の父君とあまり気が合うとは言えない」
「だろうと思ってた」
ナマエは苦笑を漏らした。
「──けど、まあ、君の話だな。共通の明るい話題といえば、君のことしかないからな」
「俺?」
ナマエがきょとんと聞き返すと、シリウスはにっと口角を上げた。
「ああ、チチオヤは言ってたよ。『倅は自分の名前よりも先にウィゲンウェルド薬の材料を覚えたんだ』とか、なんとかだとか──」
「それはさすがに話を盛ってる」
「私もそう言ったんだ」
ナマエは「信じられない」と心底不思議な顔をしたが、シリウスは笑っていた。ドラコがいつもぶち上げているように、チチオヤが人前でナマエを褒めたことはなかった。それ以前に、ナマエのことを話題に出すようなことさえ珍しかった。なぜか気恥ずかしくなって、ナマエは話を変えた。
「なあ、誰かのふくろう借りられる?ハリーたちに手紙を書きたいんだけど」
「……ヘドウィグが来るのを待つんだ。あまり詳しいことは書いてはいけないよ」
シリウスも本意ではないのだろう。苦い顔で答えた。ナマエはシリウスと過ごせば過ごすほど、ハリーに後ろめたい気持ちになった。本当はハリーの方が、シリウスと暮らしたがっているのに。そんなことを口に出しても仕方がないので、別の言葉に言い換えた。
「……ハリーはシリウスを父親みたいに思ってるよな」
シリウスは優しい顔をした。ナマエはほっとして続けた。
「俺にとってシリウスはなんか……もっと……うーん……兄、みたいな?いないから、想像だけど」
「兄!」
シリウスは笑った。おかしくて笑っているのか、馬鹿にされているのかよくわからなかった。
「だって、ほら。大人げないし」
ナマエはシリウスの反論を待たず、出来上がったドクシーの駆除薬を瓶に小分けに移して、部屋に配りに向かった。階段を降りると、会議に使われる部屋のそばに、スネイプが立っていた。ナマエは一瞬ぎょっとしてから、恐る恐る挨拶をした。
「……こんにちは」
「……」
「……えっと、『ドクシー・キラー』を作りました。……パンディマンの希釈薬と、ドラゴンの肝で」
ナマエは聞かれてもいないのに、腕に抱えた小瓶を見せ、気まずい沈黙を埋めるために説明した。どうせ、騎士団の活動については誰も教えてくれないのだ。なんなら、魔法薬学の教授としてアドバイスをくれるぐらいの親切があってもいいと思った。
スネイプはナマエを無視して会議に使う部屋の扉に手をかけた。次に会議室の前に現れたのは、なんとシリウスだった。ナマエはため息を堪えた。この二人が顔を合わせるのがこの騎士団本部でなければ、とっくに杖を抜いているだろう。そのくらい、子供の前であっても険悪さを隠そうともしなかった。シリウスは他にメンバーが揃っていないことに気がついて、スネイプを思い切り睨んで踵を返した。人が揃ってから出直すつもりだろうと思った。しかし、スネイプがねっとりした声で話しかけた。
「──掃除に精が出ますな?ブラック。安全な屋敷で過ごすのは、さぞ刺激的で有意義だろう。ああ、しもべ妖精にとっては、だが」
二人とも、嫌味の語彙が似ているなあと、ナマエは誰にも言えないどうでもいい感想を抱いた。ただでさえ暗い屋敷で、大人たちのこんなやりとりを聞きたくなかったナマエは、瓶を部屋に置いてそそくさとその場を後にした。
共有部分は、すでにある程度綺麗になっていた。ホールにあるシリウスの母、ヴァルブルガ夫人の肖像画には、ナマエが三日もかけて防音呪文を幾重にも施したため、多少の物音を立てた程度では騒音に悩まされることも無くなった。恨めしげに睨みつける夫人に苦笑を返していると、前からトンクスが、傘立てをひっくり返しながらやってきた。ヴァルブルガが力の限りの叫びを上げているような仕草をしているが、ナマエには遠くで蚊の鳴くような音がするだけだった。
「おっとっと……ナマエ!ほんと助かったよ。わたし、一日になんべんもこの人を起こしちゃうからさー」
トンクスが明るく言った。今日の髪色はショッキングピンクだった。トンクスは生まれつき呪文や魔法薬を使わずに外見を変えられる「七変化」の力があるそうだった。
「──よかった。他にすることもないし」
言葉に少しの不満を込めてしまったが、トンクスは気に留めない様子で会議室に向かった。ナマエはドクシー・キラーの瓶を各部屋に配置していった。最後の部屋のドアノブに手をかけたときだった。
「その部屋に入ってはいけない!レギュラス様は部屋に人を入れない!」
太い声が叫んだ。クリーチャーだ。
「なんで?レギュラスって誰?」
「──私の弟だ」
シリウスだ。スネイプとの口論は終わったようで、ナマエはほっとした。
「そうなの?」
「ああ、今はいない。かなり若いときだ──死喰い人だった。怖気付いて、逃げ出そうとした。それで連中に殺された」
シリウスが吐き捨てるように言うと、クリーチャーはぎろりとシリウスを睨んだ。ナマエはいくつかの疑問とため息を飲み込んでクリーチャーの前にしゃがんだ。
「──じゃあ、クリーチャー。ここはおまえが掃除してくれ。できるな?これはドクシーの駆除薬だ。出てくるガスは吸い込まないように」
クリーチャーは、ナマエの言葉がまるで理解できないといった顔で見つめ返した。
「ナマエの言う通りにしろ」
シリウスが苛立った声で言うと、クリーチャーは顔色を変えずに床につくまでお辞儀した。
「承知しました、ご主人様」
シリウスはクリーチャーを一瞥して踵を返した。ナマエは怪訝な顔をしてシリウスの後を追った。
「レギュラスはクリーチャーに良くしてたんだな」
ナマエは探るように言った。シリウスは「知ったことか」と乱暴に答えた。ナマエもつられて苛立った。
「ドビーのこと、ハリーから聞いてるだろう?あいつはマルフォイ家が嫌いでハリーの味方になったんだ」
「何が言いたい?ブラック家が嫌いだったら誰の味方につくというんだ」
「違う、クリーチャーはブラック家が好きだろう?それで、俺たちのことが嫌いだ。俺たちより闇の帝王の方が好きだったら、そうするかもしれない」
ナマエはシノビーのことも思い出していた。シノビーの主人はチチオヤで、ナマエはその息子にすぎない。それでも、シノビーはナマエのためにチチオヤの意に反することが度々あったのだ。
「裏切るかもしれないと?」
「裏切りですらない。はなから俺たちの味方になるつもりはない、このままの扱いなら」
シリウスは顔を顰めてナマエを見た。
「お優しいのか打算的なのか……」
「別に、両立できる」
ナマエとシリウスの間に漂う緊張感は、慌ただしい足音にかき消された。近づいてきたのはウィーズリー夫人だった。夫人はナマエをぎゅっと力いっぱい抱きしめた。なつかしい、芝生の匂いがした。
「ああ!よく無事だったわ!」
夫人は鼻声で言った。ナマエは息が詰まるほどきつく抱きしめられて、言葉が出なかった。
モリーさんの後ろからぞろぞろと赤毛の家族が現れた。アーサーさん、ビル、フレッド、ジョージ、ロン、ジニーもいた。
モリーさんはぱっとナマエを解放した。
「アーサー、聞いていたよりもずっと綺麗じゃない」
「いや、この間来た時は本当にひどかったんだ……やあ、ナマエ」
アーサーさんが答えると、シリウスがナマエの肩を叩いた。
「この子が除染してくれてる」
「まあ!」
夫人は再び涙ぐんだ。
「家がぶっとんだんだって?よく無事だったなあ」
ロンが言った。
「──それより、会議の時間だ。ナマエ、子供たちを寝室に案内してくれ」
シリウスが言うと、ウィーズリー夫妻はシリウスに続いて歩いて行った。
「子供たち?俺たちも?」
フレッドが不満そうに言った。
「無駄だよ、俺だって一週間もここにいるのになーんにも教えちゃくれない」
ナマエはため息をついて反対方向に歩き出し、みんなを手招きした。
「前世は屋敷しもべだったんじゃないか?」
「クリーチャーに聞いてみれば」
ナマエは戸棚の隙間で朽ちていたパフスケインの死骸をゴミ袋に入れた。
毎日、この調子でナマエはシリウスと軽口を叩きながらブラック家の大掃除に励んでいた。
不死鳥の騎士団のメンバーは変わる変わる屋敷を訪れ、情報を共有したり、会議に参加しては去っていった。しかし、ナマエが知らされることはほとんどなかった。未成年は騎士団員になれない、の一点張りだ。父の居所も、家を壊されたのことの詳細も、何もわからなかった。
シリウスは会議に参加こそしているものの、ナマエと一緒に屋敷に缶詰状態だった。シリウスは今もなおアズカバンの脱獄囚で、ピーター・ペテグリューがヴォルデモートの元に戻った今、動物もどきの変装も無意味だった。
そうなれば、自然と二人で家の除染をすることが多かった。
ナマエは最上階のヴァルブルガ夫人の部屋で大鍋をかき混ぜて「ドクシー・キラー」を調合していた。そのとなりで、シリウスはバックビークに餌をやっていた。ナマエはシリウスを見て、ナマエの家にいるときもこうして過ごしていたんだろうかとふと思った。
「シリウスって、俺の親父とどんな話をしてたんだ?」
シリウスは血の滴る獣肉を投げながら答えた。
「正直に打ち明けると──私は、君の父君とあまり気が合うとは言えない」
「だろうと思ってた」
ナマエは苦笑を漏らした。
「──けど、まあ、君の話だな。共通の明るい話題といえば、君のことしかないからな」
「俺?」
ナマエがきょとんと聞き返すと、シリウスはにっと口角を上げた。
「ああ、チチオヤは言ってたよ。『倅は自分の名前よりも先にウィゲンウェルド薬の材料を覚えたんだ』とか、なんとかだとか──」
「それはさすがに話を盛ってる」
「私もそう言ったんだ」
ナマエは「信じられない」と心底不思議な顔をしたが、シリウスは笑っていた。ドラコがいつもぶち上げているように、チチオヤが人前でナマエを褒めたことはなかった。それ以前に、ナマエのことを話題に出すようなことさえ珍しかった。なぜか気恥ずかしくなって、ナマエは話を変えた。
「なあ、誰かのふくろう借りられる?ハリーたちに手紙を書きたいんだけど」
「……ヘドウィグが来るのを待つんだ。あまり詳しいことは書いてはいけないよ」
シリウスも本意ではないのだろう。苦い顔で答えた。ナマエはシリウスと過ごせば過ごすほど、ハリーに後ろめたい気持ちになった。本当はハリーの方が、シリウスと暮らしたがっているのに。そんなことを口に出しても仕方がないので、別の言葉に言い換えた。
「……ハリーはシリウスを父親みたいに思ってるよな」
シリウスは優しい顔をした。ナマエはほっとして続けた。
「俺にとってシリウスはなんか……もっと……うーん……兄、みたいな?いないから、想像だけど」
「兄!」
シリウスは笑った。おかしくて笑っているのか、馬鹿にされているのかよくわからなかった。
「だって、ほら。大人げないし」
ナマエはシリウスの反論を待たず、出来上がったドクシーの駆除薬を瓶に小分けに移して、部屋に配りに向かった。階段を降りると、会議に使われる部屋のそばに、スネイプが立っていた。ナマエは一瞬ぎょっとしてから、恐る恐る挨拶をした。
「……こんにちは」
「……」
「……えっと、『ドクシー・キラー』を作りました。……パンディマンの希釈薬と、ドラゴンの肝で」
ナマエは聞かれてもいないのに、腕に抱えた小瓶を見せ、気まずい沈黙を埋めるために説明した。どうせ、騎士団の活動については誰も教えてくれないのだ。なんなら、魔法薬学の教授としてアドバイスをくれるぐらいの親切があってもいいと思った。
スネイプはナマエを無視して会議に使う部屋の扉に手をかけた。次に会議室の前に現れたのは、なんとシリウスだった。ナマエはため息を堪えた。この二人が顔を合わせるのがこの騎士団本部でなければ、とっくに杖を抜いているだろう。そのくらい、子供の前であっても険悪さを隠そうともしなかった。シリウスは他にメンバーが揃っていないことに気がついて、スネイプを思い切り睨んで踵を返した。人が揃ってから出直すつもりだろうと思った。しかし、スネイプがねっとりした声で話しかけた。
「──掃除に精が出ますな?ブラック。安全な屋敷で過ごすのは、さぞ刺激的で有意義だろう。ああ、しもべ妖精にとっては、だが」
二人とも、嫌味の語彙が似ているなあと、ナマエは誰にも言えないどうでもいい感想を抱いた。ただでさえ暗い屋敷で、大人たちのこんなやりとりを聞きたくなかったナマエは、瓶を部屋に置いてそそくさとその場を後にした。
共有部分は、すでにある程度綺麗になっていた。ホールにあるシリウスの母、ヴァルブルガ夫人の肖像画には、ナマエが三日もかけて防音呪文を幾重にも施したため、多少の物音を立てた程度では騒音に悩まされることも無くなった。恨めしげに睨みつける夫人に苦笑を返していると、前からトンクスが、傘立てをひっくり返しながらやってきた。ヴァルブルガが力の限りの叫びを上げているような仕草をしているが、ナマエには遠くで蚊の鳴くような音がするだけだった。
「おっとっと……ナマエ!ほんと助かったよ。わたし、一日になんべんもこの人を起こしちゃうからさー」
トンクスが明るく言った。今日の髪色はショッキングピンクだった。トンクスは生まれつき呪文や魔法薬を使わずに外見を変えられる「七変化」の力があるそうだった。
「──よかった。他にすることもないし」
言葉に少しの不満を込めてしまったが、トンクスは気に留めない様子で会議室に向かった。ナマエはドクシー・キラーの瓶を各部屋に配置していった。最後の部屋のドアノブに手をかけたときだった。
「その部屋に入ってはいけない!レギュラス様は部屋に人を入れない!」
太い声が叫んだ。クリーチャーだ。
「なんで?レギュラスって誰?」
「──私の弟だ」
シリウスだ。スネイプとの口論は終わったようで、ナマエはほっとした。
「そうなの?」
「ああ、今はいない。かなり若いときだ──死喰い人だった。怖気付いて、逃げ出そうとした。それで連中に殺された」
シリウスが吐き捨てるように言うと、クリーチャーはぎろりとシリウスを睨んだ。ナマエはいくつかの疑問とため息を飲み込んでクリーチャーの前にしゃがんだ。
「──じゃあ、クリーチャー。ここはおまえが掃除してくれ。できるな?これはドクシーの駆除薬だ。出てくるガスは吸い込まないように」
クリーチャーは、ナマエの言葉がまるで理解できないといった顔で見つめ返した。
「ナマエの言う通りにしろ」
シリウスが苛立った声で言うと、クリーチャーは顔色を変えずに床につくまでお辞儀した。
「承知しました、ご主人様」
シリウスはクリーチャーを一瞥して踵を返した。ナマエは怪訝な顔をしてシリウスの後を追った。
「レギュラスはクリーチャーに良くしてたんだな」
ナマエは探るように言った。シリウスは「知ったことか」と乱暴に答えた。ナマエもつられて苛立った。
「ドビーのこと、ハリーから聞いてるだろう?あいつはマルフォイ家が嫌いでハリーの味方になったんだ」
「何が言いたい?ブラック家が嫌いだったら誰の味方につくというんだ」
「違う、クリーチャーはブラック家が好きだろう?それで、俺たちのことが嫌いだ。俺たちより闇の帝王の方が好きだったら、そうするかもしれない」
ナマエはシノビーのことも思い出していた。シノビーの主人はチチオヤで、ナマエはその息子にすぎない。それでも、シノビーはナマエのためにチチオヤの意に反することが度々あったのだ。
「裏切るかもしれないと?」
「裏切りですらない。はなから俺たちの味方になるつもりはない、このままの扱いなら」
シリウスは顔を顰めてナマエを見た。
「お優しいのか打算的なのか……」
「別に、両立できる」
ナマエとシリウスの間に漂う緊張感は、慌ただしい足音にかき消された。近づいてきたのはウィーズリー夫人だった。夫人はナマエをぎゅっと力いっぱい抱きしめた。なつかしい、芝生の匂いがした。
「ああ!よく無事だったわ!」
夫人は鼻声で言った。ナマエは息が詰まるほどきつく抱きしめられて、言葉が出なかった。
モリーさんの後ろからぞろぞろと赤毛の家族が現れた。アーサーさん、ビル、フレッド、ジョージ、ロン、ジニーもいた。
モリーさんはぱっとナマエを解放した。
「アーサー、聞いていたよりもずっと綺麗じゃない」
「いや、この間来た時は本当にひどかったんだ……やあ、ナマエ」
アーサーさんが答えると、シリウスがナマエの肩を叩いた。
「この子が除染してくれてる」
「まあ!」
夫人は再び涙ぐんだ。
「家がぶっとんだんだって?よく無事だったなあ」
ロンが言った。
「──それより、会議の時間だ。ナマエ、子供たちを寝室に案内してくれ」
シリウスが言うと、ウィーズリー夫妻はシリウスに続いて歩いて行った。
「子供たち?俺たちも?」
フレッドが不満そうに言った。
「無駄だよ、俺だって一週間もここにいるのになーんにも教えちゃくれない」
ナマエはため息をついて反対方向に歩き出し、みんなを手招きした。
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