炎のゴブレット
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背後から足音と、誰かの話し声が聞こえた。聞き覚えのある声だ。
うっすらと目を開くと、壁にかかった『敵鏡』が見えた。ムーディの部屋だ。鏡に蠢く煙のような影がいくつか写っていた。
声のする方に体を起こすことはできなかった。力が入らない。鏡に映る影がだんだんはっきりしてきた。
「──闇の帝王はおまえを殺し損ねた、ポッター──代わりに俺がやり遂げたら、あのお方はどんなに俺を褒めてくださることか……」
ナマエは地面に這いつくばりながら目を見開いた。途端に耳に神経が通ったようだった。ムーディとハリーが話している。自分のすぐそばで。なぜ、ハリーがここに。
「闇の帝王と俺は……共通点が多い……二人とも、父親に失望していた。……ああ、そう。この小僧もそうかもしれなかったな」
ムーディがせせら笑うと、ナマエは肩に衝撃を受けた。ムーディーの杖で小突かれたのだろうと思った。ナマエが思わず呻き声を上げると、ハリーが叫んだ。
「うぅっ……」
「──ナマエっ!?」
「ほう、まだ息があったか」
ムーディーは義足でナマエの肩を蹴り上げ、仰向けになるように転がした。
「おまえが望むことは手に取るようにわかった──そして、ずいぶん助けられた。ポッターをあのお方の元へと届けるために、ポッターの成功の陰に俺の手が見えないように、おまえはよくポッターを助けてくれた」
みしりと床が軋み、ムーディがナマエの髪を掴んで顔を起こした。ナマエは痛みに喘ぎながら、ようやくムーディと、その肩越しに蒼白な顔で、あちこちボロボロになっているハリーを見た。
「──さあ、楽にしてやろう」
ムーディが杖を上げた。ハリーがポケットに手を突っ込んで杖を取り出そうとするのが見えた──。
「ステューピファイ!麻痺せよ!」
目も眩むような赤い閃光が飛び、メキメキと音を立ててドアが吹き飛んだ。ムーディは仰け反るように地面に転がり、ナマエも再び床に打ち付けられた。
「ぐっ──!」
「ナマエ!」
ハリーがナマエに駆け寄った。ハリーはあちこちが汚れ、服が破れて、腕から血が流れていた。ナマエ口をはくはく動かしたが、声が出なかった。口が利ける状態ではなかった。ハリーに支えられながら戸口を見ると、ダンブルドア、マクゴナガル、スネイプが立ち、ダンブルドアが先頭で杖を構えていた。
その瞬間、ナマエはようやく正しく理解した。ダンブルドアが、ヴォルデモートが恐る唯一の魔法使いであるという意味を。
ダンブルドアは凄まじい形相でムーディを睨みながら近づき、蹴り上げた。ダンブルドアの一挙手一投足に空気が揺れるようだった。
マクゴナガルは蒼白な顔でナマエたちの元へ近づいた。ナマエはハリーとマクゴナガル先生に支えられて血溜まりから上体を起こすと、胸下に鋭い痛みが走り、うめいた。
ナマエは思わず自分の肋骨の辺りをさすった。ビリッと痛みが走ったが、なぜか血は止まっていた。いびつに凹んだ感触で、この身に起こったことを思い出して吐き気がした。
「さあ、いらっしゃい。医務室へ……」
マクゴナガル先生が囁いた。真一文字の薄い唇が、いまにも泣き出しそうにヒクヒクしていた。
「待て。──スネイプ先生、ナマエの傷は?」
ダンブルドアが鋭く言った。スネイプはローブを翻してナマエのそばに屈み込み、杖をナマエに当てた。青白い光が痛みを少し引かせた。
「呪いは掛けられていません。傷は塞がっていますが──血を流しすぎている」
「わかった……ミネルバ、ナマエを医務室へ。ハリーはここに留まるのじゃ。この子は知らねばならぬ。自分を苦しませたのがいったい何者で、なぜなのかを」
「俺も、の、残ります……」
ナマエは、ナマエを抱き上げようとするマクゴナガル先生の腕を掴んだ。気を失ってからどれほど時間が経ったのだろう。なぜ傷が塞がったのだろう。わからないことだらけだが、スネイプの魔法でいくらか息が楽になっていた。ナマエはすぐにダンブルドアに伝えなければと思った。
「ムーディが……俺の体から、骨を──肋骨を一本取りました……れ、例のあの人の、復活の儀式のために……」
「わかりました、もういいんですよ。休んでからで構いません。ミョウジ」
マクゴナガル先生が顔を歪ませた。ダンブルドアは冷たい怒りの表情をムーディに向けた。
「──こやつはアラスター・ムーディではない。きみたちはアラスター・ムーディに会ったことがない。本物のムーディなら、わしの目の届かぬところにハリーを連れてゆくはずがない……セブルス、真実薬 を持ってきてくれんか。ミネルバ、マダム・ポンフリーを呼んできてくだされ……そのあと、ハグリッドの小屋に行って、黒い犬に校長室で待つようにと伝えて欲しい」
二人は、何も質問せずに踵を返して素早く走り去った。ダンブルドアは部屋の壁際に置かれている七つの錠前が掛かったトランクに近づき、順番にそれを開いていった。ナマエはそれよりも、ハリーの腕の切り傷に目を奪われていた。ナマエの頭の中に、気を失う前に聞いたムーディの声がこだました。──一族の骨、しもべの肉、宿敵の血──。その言葉と、ハリーの傷、自分から奪われた骨とを結びつけるのは容易かった。
不意に、ハリーが叫び声を上げた。見ると、ダンブルドアがトランクから誰かを担ぎ出していた。痩せ衰え、髪がバラバラに切られ、片足が無かった──本物のマッド-アイ・ムーディだった。
「非常に弱っておる──ハリー、そのペテン師のマントを寄越すのじゃ」
ハリーが言われた通りに偽のムーディからマントを剥ぎ取ると、ポケットから携帯用酒瓶がゴロリと音を立てて落ちた。ダンブルドアはマントでムーディを包み、酒瓶の蓋を開けて嗅いだ。
「ポリジュース薬じゃ。単純で見事な手口じゃ。アラスターは携帯用酒瓶からでないと決して飲み物を口にしなかった」
ナマエは吐きそうになった。自分は一体どこの誰に、父親の話を縋ったのだろう?この男はどんなつもりで、ナマエが父親に望むような振る舞いをして見せたのだろう?ナマエは嫌悪感で偽のムーディから目を背けた。逸らした目線の先で、折れたナマエの杖が無惨に床に転がっているのを見つけた。
呆然とその杖の残骸を見つめていると、廊下を急ぎ足でやってくる足音がした。
「クラウチ!」
スネイプが、戸口で立ちすくんだ。
「バーティ・クラウチ!」
ナマエの目の前に「魔法の目」が転がり、くるくるとあらゆる方向に回り続けていた。ナマエはその持ち主がいた場所を見た。見知らぬ男だった。少しそばかすのある、色白の、薄茶色の髪をした男が床に横たわっていた。
この男こそが──バーティ・クラウチ・ジュニアだった。
スネイプがダンブルドアに、澄みきった透明な液体の入った小さなガラス瓶を渡した。ベリタセラム、真実薬だ。ダンブルドアは立ち上がり、床の男の上に屈み込み、男の上半身を起こして壁に寄り掛からせた。ダンブルドアは男の口をこじ開け、薬を三滴流し込んだ。それから杖を男の胸に向け、「リナベイト!蘇生せよ!」と唱えた。
クラウチの息子は目を開けた。顔が緩み、焦点の合わない目をしている。ダンブルドアは、顔と顔が同じ高さになるように男の前に膝をついた。
「話してくれるかの、どうやってアズカバンを抜け出した?」
「……母が助けてくれた。母が父を説き伏せた。父は母を愛していた。ディメンターは目が見えない。母と俺は入れ替わり、母はポリジュース薬で俺の姿を保ったまま死んだ」
男は抑揚のない声で朗々と話した。ダンブルドアが静かに続きを促した。
「君の父親は、君を家に連れ帰ってからどうしたのかね?」
「母の死を装い、俺は隠された。父に『服従の呪文』をかけられ、常に家の中にいた。俺はだんだんと呪文に反抗できるようになった」
男の瞼がパチパチした。
「君のことを、他に知っていたものはいるかね?」
「はい。バーサ・ジョーキンズが父のサインを貰いに家に来た。偶然、俺を見つけてしまった。父はバーサに強力な忘却術を掛けた」
ただでさえ血の気のなくなったナマエの体が更に冷えていくような心地で、ジュニアの話を聞いた。バーサは最悪の状態でヴォルデモートに出会ってしまい、ヴォルデモートはクラウチの息子のこと、三大魔法対抗試合のことを知ったのだ──。ナマエの頭で点と点が繋がるたび、身震いが起こるようだった。この線は、最終的に──ヴォルデモートの復活を描いてしまう。どうか、計画は失敗したのだとジュニアに言って欲しかった。チチオヤはヴォルデモートの復活を阻止したのだと、ナマエの骨は何の役にも立たなかったのだと。
マクゴナガル先生がマダム・ポンフリーとともに現れた時、ナマエは助かったとさえ思った。
「なんてことでしょう……なんてひどい……」
マダム・ポンフリーは怒りと不安で顔を歪ませながら、ナマエに駆け寄り、宙に浮いた担架が二台、部屋にすーっと入ってきた。マダム・ポンフリーは手際良くナマエの状態を確認して担架に乗せた。ナマエは限界だった。頭がくらくらして、強烈な眠気に耐えているような感覚だった。ついに、またがっくりと頭を垂れた。
うっすらと目を開くと、壁にかかった『敵鏡』が見えた。ムーディの部屋だ。鏡に蠢く煙のような影がいくつか写っていた。
声のする方に体を起こすことはできなかった。力が入らない。鏡に映る影がだんだんはっきりしてきた。
「──闇の帝王はおまえを殺し損ねた、ポッター──代わりに俺がやり遂げたら、あのお方はどんなに俺を褒めてくださることか……」
ナマエは地面に這いつくばりながら目を見開いた。途端に耳に神経が通ったようだった。ムーディとハリーが話している。自分のすぐそばで。なぜ、ハリーがここに。
「闇の帝王と俺は……共通点が多い……二人とも、父親に失望していた。……ああ、そう。この小僧もそうかもしれなかったな」
ムーディがせせら笑うと、ナマエは肩に衝撃を受けた。ムーディーの杖で小突かれたのだろうと思った。ナマエが思わず呻き声を上げると、ハリーが叫んだ。
「うぅっ……」
「──ナマエっ!?」
「ほう、まだ息があったか」
ムーディーは義足でナマエの肩を蹴り上げ、仰向けになるように転がした。
「おまえが望むことは手に取るようにわかった──そして、ずいぶん助けられた。ポッターをあのお方の元へと届けるために、ポッターの成功の陰に俺の手が見えないように、おまえはよくポッターを助けてくれた」
みしりと床が軋み、ムーディがナマエの髪を掴んで顔を起こした。ナマエは痛みに喘ぎながら、ようやくムーディと、その肩越しに蒼白な顔で、あちこちボロボロになっているハリーを見た。
「──さあ、楽にしてやろう」
ムーディが杖を上げた。ハリーがポケットに手を突っ込んで杖を取り出そうとするのが見えた──。
「ステューピファイ!麻痺せよ!」
目も眩むような赤い閃光が飛び、メキメキと音を立ててドアが吹き飛んだ。ムーディは仰け反るように地面に転がり、ナマエも再び床に打ち付けられた。
「ぐっ──!」
「ナマエ!」
ハリーがナマエに駆け寄った。ハリーはあちこちが汚れ、服が破れて、腕から血が流れていた。ナマエ口をはくはく動かしたが、声が出なかった。口が利ける状態ではなかった。ハリーに支えられながら戸口を見ると、ダンブルドア、マクゴナガル、スネイプが立ち、ダンブルドアが先頭で杖を構えていた。
その瞬間、ナマエはようやく正しく理解した。ダンブルドアが、ヴォルデモートが恐る唯一の魔法使いであるという意味を。
ダンブルドアは凄まじい形相でムーディを睨みながら近づき、蹴り上げた。ダンブルドアの一挙手一投足に空気が揺れるようだった。
マクゴナガルは蒼白な顔でナマエたちの元へ近づいた。ナマエはハリーとマクゴナガル先生に支えられて血溜まりから上体を起こすと、胸下に鋭い痛みが走り、うめいた。
ナマエは思わず自分の肋骨の辺りをさすった。ビリッと痛みが走ったが、なぜか血は止まっていた。いびつに凹んだ感触で、この身に起こったことを思い出して吐き気がした。
「さあ、いらっしゃい。医務室へ……」
マクゴナガル先生が囁いた。真一文字の薄い唇が、いまにも泣き出しそうにヒクヒクしていた。
「待て。──スネイプ先生、ナマエの傷は?」
ダンブルドアが鋭く言った。スネイプはローブを翻してナマエのそばに屈み込み、杖をナマエに当てた。青白い光が痛みを少し引かせた。
「呪いは掛けられていません。傷は塞がっていますが──血を流しすぎている」
「わかった……ミネルバ、ナマエを医務室へ。ハリーはここに留まるのじゃ。この子は知らねばならぬ。自分を苦しませたのがいったい何者で、なぜなのかを」
「俺も、の、残ります……」
ナマエは、ナマエを抱き上げようとするマクゴナガル先生の腕を掴んだ。気を失ってからどれほど時間が経ったのだろう。なぜ傷が塞がったのだろう。わからないことだらけだが、スネイプの魔法でいくらか息が楽になっていた。ナマエはすぐにダンブルドアに伝えなければと思った。
「ムーディが……俺の体から、骨を──肋骨を一本取りました……れ、例のあの人の、復活の儀式のために……」
「わかりました、もういいんですよ。休んでからで構いません。ミョウジ」
マクゴナガル先生が顔を歪ませた。ダンブルドアは冷たい怒りの表情をムーディに向けた。
「──こやつはアラスター・ムーディではない。きみたちはアラスター・ムーディに会ったことがない。本物のムーディなら、わしの目の届かぬところにハリーを連れてゆくはずがない……セブルス、
二人は、何も質問せずに踵を返して素早く走り去った。ダンブルドアは部屋の壁際に置かれている七つの錠前が掛かったトランクに近づき、順番にそれを開いていった。ナマエはそれよりも、ハリーの腕の切り傷に目を奪われていた。ナマエの頭の中に、気を失う前に聞いたムーディの声がこだました。──一族の骨、しもべの肉、宿敵の血──。その言葉と、ハリーの傷、自分から奪われた骨とを結びつけるのは容易かった。
不意に、ハリーが叫び声を上げた。見ると、ダンブルドアがトランクから誰かを担ぎ出していた。痩せ衰え、髪がバラバラに切られ、片足が無かった──本物のマッド-アイ・ムーディだった。
「非常に弱っておる──ハリー、そのペテン師のマントを寄越すのじゃ」
ハリーが言われた通りに偽のムーディからマントを剥ぎ取ると、ポケットから携帯用酒瓶がゴロリと音を立てて落ちた。ダンブルドアはマントでムーディを包み、酒瓶の蓋を開けて嗅いだ。
「ポリジュース薬じゃ。単純で見事な手口じゃ。アラスターは携帯用酒瓶からでないと決して飲み物を口にしなかった」
ナマエは吐きそうになった。自分は一体どこの誰に、父親の話を縋ったのだろう?この男はどんなつもりで、ナマエが父親に望むような振る舞いをして見せたのだろう?ナマエは嫌悪感で偽のムーディから目を背けた。逸らした目線の先で、折れたナマエの杖が無惨に床に転がっているのを見つけた。
呆然とその杖の残骸を見つめていると、廊下を急ぎ足でやってくる足音がした。
「クラウチ!」
スネイプが、戸口で立ちすくんだ。
「バーティ・クラウチ!」
ナマエの目の前に「魔法の目」が転がり、くるくるとあらゆる方向に回り続けていた。ナマエはその持ち主がいた場所を見た。見知らぬ男だった。少しそばかすのある、色白の、薄茶色の髪をした男が床に横たわっていた。
この男こそが──バーティ・クラウチ・ジュニアだった。
スネイプがダンブルドアに、澄みきった透明な液体の入った小さなガラス瓶を渡した。ベリタセラム、真実薬だ。ダンブルドアは立ち上がり、床の男の上に屈み込み、男の上半身を起こして壁に寄り掛からせた。ダンブルドアは男の口をこじ開け、薬を三滴流し込んだ。それから杖を男の胸に向け、「リナベイト!蘇生せよ!」と唱えた。
クラウチの息子は目を開けた。顔が緩み、焦点の合わない目をしている。ダンブルドアは、顔と顔が同じ高さになるように男の前に膝をついた。
「話してくれるかの、どうやってアズカバンを抜け出した?」
「……母が助けてくれた。母が父を説き伏せた。父は母を愛していた。ディメンターは目が見えない。母と俺は入れ替わり、母はポリジュース薬で俺の姿を保ったまま死んだ」
男は抑揚のない声で朗々と話した。ダンブルドアが静かに続きを促した。
「君の父親は、君を家に連れ帰ってからどうしたのかね?」
「母の死を装い、俺は隠された。父に『服従の呪文』をかけられ、常に家の中にいた。俺はだんだんと呪文に反抗できるようになった」
男の瞼がパチパチした。
「君のことを、他に知っていたものはいるかね?」
「はい。バーサ・ジョーキンズが父のサインを貰いに家に来た。偶然、俺を見つけてしまった。父はバーサに強力な忘却術を掛けた」
ただでさえ血の気のなくなったナマエの体が更に冷えていくような心地で、ジュニアの話を聞いた。バーサは最悪の状態でヴォルデモートに出会ってしまい、ヴォルデモートはクラウチの息子のこと、三大魔法対抗試合のことを知ったのだ──。ナマエの頭で点と点が繋がるたび、身震いが起こるようだった。この線は、最終的に──ヴォルデモートの復活を描いてしまう。どうか、計画は失敗したのだとジュニアに言って欲しかった。チチオヤはヴォルデモートの復活を阻止したのだと、ナマエの骨は何の役にも立たなかったのだと。
マクゴナガル先生がマダム・ポンフリーとともに現れた時、ナマエは助かったとさえ思った。
「なんてことでしょう……なんてひどい……」
マダム・ポンフリーは怒りと不安で顔を歪ませながら、ナマエに駆け寄り、宙に浮いた担架が二台、部屋にすーっと入ってきた。マダム・ポンフリーは手際良くナマエの状態を確認して担架に乗せた。ナマエは限界だった。頭がくらくらして、強烈な眠気に耐えているような感覚だった。ついに、またがっくりと頭を垂れた。