秘密の部屋
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⚡️────
大広間で、ハリーがロンとともに、ナマエとマルフォイの喧嘩についてあれこれ話していると、マクゴナガル先生から発表があった。
「よい知らせです」
とたんにしーんとなるどころか、大広間は蜂の巣を突ついたようになった。
「ダンブルドアが戻ってくるんだ!」何人かが歓声をあげた。
「スリザリンの継承者を捕まえたんですね!」
レイブンクローの女子学生が、黄色い声をあげた。
「クィディッチの試合が再開されるんだ!」ウッドが興奮してウオーッという声を出した。やっとガヤガヤが静まった時、先生が発表した。
「スプラウト先生のお話では、とうとうマンドレイクが収穫できるとのことです。今夜、石にされた人たちを蘇生させることができるでしょう。言うまでもありませんが、そのうちの誰か一人が、誰に、または何に襲われたのか話してくれるかもしれません。私は、この恐ろしい一年が、犯人逮捕で終わりを迎えることができるのではないかと、期待しています」
歓声が爆発した。ハリーがスリザリンのテーブルを見ると、当然のことながらドラコ・マルフォイは喜んではいなかった。逆にロンは、ここしばらく見せたことがなかったような、うれしそうな顔をしている。ハリーはナマエの顔も探した。ここからは見えなかったが、きっと喜んでいるだろうと思った。
食事を終えたハリーは、テーブルから立ち上がったところだった。ふと、誰かに名前を呼ばれた気がした。
振り返ると、少し離れたところにナマエが立っていた。ナマエはハリーと目が合うと、一瞬、縋るような奇妙な表情を浮かべた。しかし、ハリーが瞬きすると、最近の中では一番穏やかな顔で微笑んでいた。
「ナマエ?どうしたの」
「いや──なんでもない」
ナマエはそう言って目を細めた。ハリーは、その目の中に赤い光が煌めいたような気がした。
ハリーはナマエを呼び止めようとしたが、ナマエはくるりと背を向け、そのまま生徒たちに紛れて大広間を出て行った。
「どうしたんだ?あいつ」
ロンが怪訝な顔をした。ハリーもわからずに、肩をすくめた。
──その晩、再び犠牲者が出た。
『彼の白骨は永久に秘密の部屋に横たわるであろう』
三階の廊下の壁に、継承者からのメッセージが一文、追加されていた。
秘密の部屋に連れ去られた犠牲者は、誰あろう──ナマエだった。
🐦⬛────
……冷たい。マートルに絡みつかれたときのような、氷水で満たされているような感覚。
寒くて、暗い。目を開けているのに、まるで洞窟の中にいるようだった。一体ここは何処なんだ?
身体を起こそうとしたが、僅かにしか動かなかった。冷たさで麻痺しているのか、そもそも、どこが自分の体なのかもあまりわからなかった。
「──君はもうすぐ死ぬんだよ、ナマエ」
初めて聞く声だった。しかし、ナマエの全身の毛が逆立って、ナマエに知らせていた。この声の主は、危険だ。
「……おまえが……トム……リドルか……」
ナマエは大声を出すつもりで叫んだが、低いうめきのような掠れ声しか出なかった。
「本当に蛇語がわかるんだな」
ナマエの視界に、黒髪の端正な顔立ちの少年が映った。
その姿は曇りガラスの向こうにいるかのように奇妙にぼやけていたが、ゴーストよりもはっきりしていた。
「……ここは……秘密の部屋……なのか……」
トム・リドルは、ハンサムな顔に微笑を浮かべ、穏やかに言った。
「そうだよ。今頃ホグワーツは大混乱だろうね。君が秘密の部屋に攫われたんだから」
「トム、おまえ、何が目的だ……」
トム・リドルはしゃがみ込んで、ナマエの顔を片手で乱暴に掴んだ。
「僕をその名で呼ぶな。ああ……こう呼ぶといい」
リドルはナマエの耳に顔を近づけて囁いた。
「──ヴォルデモート卿、と」
ナマエはその名前を聞いて、息が止まりそうになった。ナマエは、いや魔法界の誰もが、例のあの人がスリザリン出身だと知っていた。冷静に考えれば、辻褄が合うことだ。しかし、あの闇の帝王が──五十年前には、ホグワーツで学んでいた、スリザリン生のトム・リドルだったという事実が、ナマエを恐怖で包んだ。
「おま……えは……一体…」
一体何なんだ。ヴォルデモートの、かつてホグワーツに居たありし日の記憶が、実体化したとでもいうのか?ナマエの焦燥と疑問は、リドルに冷たく一蹴された。
「君にはもう関係のないことだよ。もう死ぬんだから。君の命は僕の糧となって、死ぬんだよ」
リドルはナマエの顔を強く掴んだまま持ち上げた。横たわっていたナマエの上半身が無理やり起こされた。
「君にも、僅かだが……スリザリンの血が──ゴーントの血が流れている。嬉しいよ、ナマエ。君のおかげで──より強力な状態で、僕はここに存在できた」
リドルは蛇のように自分の唇を舐めた。
ナマエは朦朧とする意識の中で、リドルへの怒りが込み上げてきた。
何か言葉を紡ごうにも、リドルに頬を掴まれているせいで、もごもごとくぐもったうめきだけが漏れた。
「ふふ、君にはもう一つ感謝しなければならない。──僕に、ハリー・ポッターのことを教えてくれたことだ」
ナマエは、目を見開いた。脳まで麻痺したようだった。今までになく恐怖に満ちた目で、リドルを見つめた。
「バカな子だ、ナマエ。可哀想に」
ナマエは、自分のしでかしたことへの後悔と絶望で胸が引き裂かれるようだった。
──ハリー、来るな、ここに来るな!
ナマエはふうふうと息を荒げながら、リドルを睨んだ。リドルは昂然と笑みを浮かべて、言った。
「君がどんなに救いようもなく馬鹿で愚かでも……もっと愚かな英雄、ハリー・ポッターは、きっと君を救いに来る。──そうだろう?」
ナマエは、なんとか顔をよじり、満足そうな顔のリドルに唾を吐きかけた。
「だ、まれ、……トム!お前には…………ハリーを殺せやしない!」
リドルの笑顔が不気味に崩れたかと思った瞬間、ナマエは意識を手放した。
──遠くから、足音の反響と、自分の名前を呼ぶ声が聞こえた気がした。
気がつくと、ナマエは自宅の中庭にいた。晴れて気持ちのいい日だった。
花壇に生えている草花を真剣に見つめて、いくつかをちぎった。
その時、誰かが庭を横切った。それは父だった。チチオヤは、頭の近くに紙飛行機の形のメモを飛ばしながら、何やら書類に目を通しながら歩いていた。
ナマエは、じっとそれを眺めていたが、思い切って駆け寄った。
「父上!」
チチオヤは足を止めて、初めてナマエに気付いたような顔で見下ろした。
ナマエはチチオヤの膝あたりまでの背丈しかなかった。
「──何だ?」
「こ……これは、アスフォデル!ねむりぐすりになる!──これは、ニ、ニガヨモギ!これも、ねむりぐすりになる!」
ナマエは、両手いっぱいの薬草を腕を突き出して父親に見せた。
緊張して少し震えながら、チチオヤの反応を待った。
「──驚いた、お前は……どこで覚えたんだ?」
「えっと、あれ!あそこに、書いてあった!」
ナマエは、花壇に立てかけていた分厚い本を指さした。
チチオヤはその本をじっと見つめながら言った。
「──理解できるのか、これが」
「う、うん」
ようやっとチチオヤはナマエに目を向けて、ほんの少しだけ口元を緩めた。
「いいことだ。今度は煎じてみるといい。道具はいつでも買ってやろう、励みなさい」
褒められたナマエは嬉しくてにっこり笑った。しかし、チチオヤはすぐにその場を立ち去った。
ナマエは、ひとりぼっちでその後ろ姿を眺めて立ち尽くしていた。
大広間で、ハリーがロンとともに、ナマエとマルフォイの喧嘩についてあれこれ話していると、マクゴナガル先生から発表があった。
「よい知らせです」
とたんにしーんとなるどころか、大広間は蜂の巣を突ついたようになった。
「ダンブルドアが戻ってくるんだ!」何人かが歓声をあげた。
「スリザリンの継承者を捕まえたんですね!」
レイブンクローの女子学生が、黄色い声をあげた。
「クィディッチの試合が再開されるんだ!」ウッドが興奮してウオーッという声を出した。やっとガヤガヤが静まった時、先生が発表した。
「スプラウト先生のお話では、とうとうマンドレイクが収穫できるとのことです。今夜、石にされた人たちを蘇生させることができるでしょう。言うまでもありませんが、そのうちの誰か一人が、誰に、または何に襲われたのか話してくれるかもしれません。私は、この恐ろしい一年が、犯人逮捕で終わりを迎えることができるのではないかと、期待しています」
歓声が爆発した。ハリーがスリザリンのテーブルを見ると、当然のことながらドラコ・マルフォイは喜んではいなかった。逆にロンは、ここしばらく見せたことがなかったような、うれしそうな顔をしている。ハリーはナマエの顔も探した。ここからは見えなかったが、きっと喜んでいるだろうと思った。
食事を終えたハリーは、テーブルから立ち上がったところだった。ふと、誰かに名前を呼ばれた気がした。
振り返ると、少し離れたところにナマエが立っていた。ナマエはハリーと目が合うと、一瞬、縋るような奇妙な表情を浮かべた。しかし、ハリーが瞬きすると、最近の中では一番穏やかな顔で微笑んでいた。
「ナマエ?どうしたの」
「いや──なんでもない」
ナマエはそう言って目を細めた。ハリーは、その目の中に赤い光が煌めいたような気がした。
ハリーはナマエを呼び止めようとしたが、ナマエはくるりと背を向け、そのまま生徒たちに紛れて大広間を出て行った。
「どうしたんだ?あいつ」
ロンが怪訝な顔をした。ハリーもわからずに、肩をすくめた。
──その晩、再び犠牲者が出た。
『彼の白骨は永久に秘密の部屋に横たわるであろう』
三階の廊下の壁に、継承者からのメッセージが一文、追加されていた。
秘密の部屋に連れ去られた犠牲者は、誰あろう──ナマエだった。
🐦⬛────
……冷たい。マートルに絡みつかれたときのような、氷水で満たされているような感覚。
寒くて、暗い。目を開けているのに、まるで洞窟の中にいるようだった。一体ここは何処なんだ?
身体を起こそうとしたが、僅かにしか動かなかった。冷たさで麻痺しているのか、そもそも、どこが自分の体なのかもあまりわからなかった。
「──君はもうすぐ死ぬんだよ、ナマエ」
初めて聞く声だった。しかし、ナマエの全身の毛が逆立って、ナマエに知らせていた。この声の主は、危険だ。
「……おまえが……トム……リドルか……」
ナマエは大声を出すつもりで叫んだが、低いうめきのような掠れ声しか出なかった。
「本当に蛇語がわかるんだな」
ナマエの視界に、黒髪の端正な顔立ちの少年が映った。
その姿は曇りガラスの向こうにいるかのように奇妙にぼやけていたが、ゴーストよりもはっきりしていた。
「……ここは……秘密の部屋……なのか……」
トム・リドルは、ハンサムな顔に微笑を浮かべ、穏やかに言った。
「そうだよ。今頃ホグワーツは大混乱だろうね。君が秘密の部屋に攫われたんだから」
「トム、おまえ、何が目的だ……」
トム・リドルはしゃがみ込んで、ナマエの顔を片手で乱暴に掴んだ。
「僕をその名で呼ぶな。ああ……こう呼ぶといい」
リドルはナマエの耳に顔を近づけて囁いた。
「──ヴォルデモート卿、と」
ナマエはその名前を聞いて、息が止まりそうになった。ナマエは、いや魔法界の誰もが、例のあの人がスリザリン出身だと知っていた。冷静に考えれば、辻褄が合うことだ。しかし、あの闇の帝王が──五十年前には、ホグワーツで学んでいた、スリザリン生のトム・リドルだったという事実が、ナマエを恐怖で包んだ。
「おま……えは……一体…」
一体何なんだ。ヴォルデモートの、かつてホグワーツに居たありし日の記憶が、実体化したとでもいうのか?ナマエの焦燥と疑問は、リドルに冷たく一蹴された。
「君にはもう関係のないことだよ。もう死ぬんだから。君の命は僕の糧となって、死ぬんだよ」
リドルはナマエの顔を強く掴んだまま持ち上げた。横たわっていたナマエの上半身が無理やり起こされた。
「君にも、僅かだが……スリザリンの血が──ゴーントの血が流れている。嬉しいよ、ナマエ。君のおかげで──より強力な状態で、僕はここに存在できた」
リドルは蛇のように自分の唇を舐めた。
ナマエは朦朧とする意識の中で、リドルへの怒りが込み上げてきた。
何か言葉を紡ごうにも、リドルに頬を掴まれているせいで、もごもごとくぐもったうめきだけが漏れた。
「ふふ、君にはもう一つ感謝しなければならない。──僕に、ハリー・ポッターのことを教えてくれたことだ」
ナマエは、目を見開いた。脳まで麻痺したようだった。今までになく恐怖に満ちた目で、リドルを見つめた。
「バカな子だ、ナマエ。可哀想に」
ナマエは、自分のしでかしたことへの後悔と絶望で胸が引き裂かれるようだった。
──ハリー、来るな、ここに来るな!
ナマエはふうふうと息を荒げながら、リドルを睨んだ。リドルは昂然と笑みを浮かべて、言った。
「君がどんなに救いようもなく馬鹿で愚かでも……もっと愚かな英雄、ハリー・ポッターは、きっと君を救いに来る。──そうだろう?」
ナマエは、なんとか顔をよじり、満足そうな顔のリドルに唾を吐きかけた。
「だ、まれ、……トム!お前には…………ハリーを殺せやしない!」
リドルの笑顔が不気味に崩れたかと思った瞬間、ナマエは意識を手放した。
──遠くから、足音の反響と、自分の名前を呼ぶ声が聞こえた気がした。
気がつくと、ナマエは自宅の中庭にいた。晴れて気持ちのいい日だった。
花壇に生えている草花を真剣に見つめて、いくつかをちぎった。
その時、誰かが庭を横切った。それは父だった。チチオヤは、頭の近くに紙飛行機の形のメモを飛ばしながら、何やら書類に目を通しながら歩いていた。
ナマエは、じっとそれを眺めていたが、思い切って駆け寄った。
「父上!」
チチオヤは足を止めて、初めてナマエに気付いたような顔で見下ろした。
ナマエはチチオヤの膝あたりまでの背丈しかなかった。
「──何だ?」
「こ……これは、アスフォデル!ねむりぐすりになる!──これは、ニ、ニガヨモギ!これも、ねむりぐすりになる!」
ナマエは、両手いっぱいの薬草を腕を突き出して父親に見せた。
緊張して少し震えながら、チチオヤの反応を待った。
「──驚いた、お前は……どこで覚えたんだ?」
「えっと、あれ!あそこに、書いてあった!」
ナマエは、花壇に立てかけていた分厚い本を指さした。
チチオヤはその本をじっと見つめながら言った。
「──理解できるのか、これが」
「う、うん」
ようやっとチチオヤはナマエに目を向けて、ほんの少しだけ口元を緩めた。
「いいことだ。今度は煎じてみるといい。道具はいつでも買ってやろう、励みなさい」
褒められたナマエは嬉しくてにっこり笑った。しかし、チチオヤはすぐにその場を立ち去った。
ナマエは、ひとりぼっちでその後ろ姿を眺めて立ち尽くしていた。
